2010/08/08(日)01:38
看板、ポスター、雑貨品など アルザスで生まれた芸術
アルザスの歴史や文化についてパネル展示された資料館の前で、アルザスのネコに遊んでもらっているぽんカノを発見しました。展示品を見るために資料館の中に入ると、ネコも一緒に付いて来ました。写真と共にアルザスの変遷が解説されていますが、その大半が戦争に関するものだったと記憶しています。かつてこの一帯は、ドイツとフランスが領地を奪い合っていた領域で、人の住んでいない奥深くの山には、今でも戦争の遺構が残っています。
さて、ブログにおいてまだアルザスの芸術を記述していなかったので、ここでそれを紹介したいと考えています。芸術と言ってしまうと、少し大げさになってしまうかもしれませんが、そこに展示してあったものは、最も市民の生活と密接に関連していた広告、看板、そして博覧会などのイベントポスターです。
日本でも、歴史博物館の類の施設を訪れると、ボンカレーやオロナミンCの看板が展示してあります。昭和初期から中期の看板の多くはレトロに描かれていて、日本の古き良き時代を反映しているように感じられます。おそらくここに展示してある広告や看板も、アルザスの市民、特におじさん、おばさん世代にとっては、懐かしさのこみ上げてくるものなのでしょう。
何十年前のものかは知りませんが、生活用品も展示してあり、それぞれの特徴としてアルザスの民族衣装を身に付けた人がモデルとして描かれていました。日本の看板もかつては、「着物」や「ハイカラ服」を身にまとったモデルさんが起用されていたそうですが、どこの国も考える事は類似していますね。
今の時代では、コンピューターグラフィックで簡単に広告が作成できる時代になりました。しかし、人の手によって描かれたこれら広告からは、温かみが感じられます。名もなきデザイナーさんが心を込めて描いた作品は、単なる広告ではあるものの、現代人の目には芸術作品として写るから不思議なものです。
これは一体何の広告だろうかと、想像しながら見るのも面白いものです。ちなみに、資料の数々を見ている間、ずっとネコが後を追ってきました。展示品を見終わって資料館を出ると、ネコは畑の方へ歩いて行き、そこで横になって眠りはじめました・・・・・・
次回は、アルザスの農村の景色を紹介したいと思います。