カテゴリ:読んでみた本
![]() タナカクン: 筆者の倉田真由美さんは『週刊SPA!』で「だめんず・うおーかー」という漫画を掲載しています。単行本が11冊も出ている人気作。駄目な彼氏に翻弄される、女性のエピソードが面白おかしく描かれています。 なぜ新書に登場するのか、正直なところ、違和感があります。パラパラめくってみると、あの漫画が挿入されていて、何だ一緒じゃんと思いました。 ![]() mozu: 印象はともかくとして、扶桑社の創刊ラインナップの栄えある1冊目。新書マニアとしては、無視できない。早速、読んでみることに。 一読して、倉田真由美さんは案外、まともな人だな(失礼)と思った。 駄目な男をテーマにしつつ、漫画はおもしろおかしく、本書はマジメに恋愛論を説く。一つのネタを元に、違う視点で、新書一冊書き上げる力量はなかなかのもの。 タナカクン: 第1章では、だめんず症候群として、駄目な男に翻弄される女性のタイプを挙げています。 1.「客観性がない」タイプ 2.「本能的に行動する」タイプ 3.「他人に流されやすい」タイプ 4.「他人のマイナス感情に弱い」タイプ 1から3はまあ普通として、筆者が繰り返し注意を促しているのは4のタイプ。例え殴られても、金を無心されても、相手と気まずくなることを避けたいために、応じてしまう。自分が我慢しさえすればよいと、考えるタイプは注意が必要。一度受け入れたら最後、相手になめられて、ずるずると深みにはまってしまう。このあたりの考察は鋭いものがあります。 ![]() mozu: ところどころに、冴えた記述が散りばめてある。例えばP126。自分が傷つくのを避けるために、相手の嘘を受け入れてしまう女性に、「自分を小さく守ってしまうと、後々必ず大きなつまずきがやってきます。」と説く。「小さく守る」という表現がいい。 また、相手の言動、行動が気に入らずに、いちいち指摘する女性の例を挙げて、「あなたが受けいられないのは、その男の駄目な部分ではなくて、ダメ男そのもの。」と言う。そこまで、はっきりと言えるものではない。たくさんの女性と接してきた、筆者ならではの見立てだろう。 これを読んで、溜飲が下がる思いをする女性は、多いのではないかな。 タナカクン: 最終章では、「だめんず症候群」を脱出するための処方箋が載っています。ここでは詳しく書けませんが、筆者の言う『魔人方式』は自分を見つめるための、有効な方法と思います。 ![]() Mozu: 女性たちに、いい恋愛をしてほしいという、筆者の気持ちが伝わってくる。構成もしっかりとしている。なかなかの力作。イロモノ扱いせずに、一読を。 タナカクン: なぜ新書で出したのでしょう? ![]() mozu: 読者層を広げたいという、出版社の思惑かな? 世の中高年よりも、恋愛に悩む若き女性にエールを送る一冊。 その一方で、これを読んで、女性の弱みにつけ込もうという、不埒な輩が出現しないことを祈ります。 ![]() ↑応援お願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年03月22日 01時16分40秒
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