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2007年03月30日
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カテゴリ:読んでみた本

反戦軍事学
  • 著:林信吾
  • 出版社:朝日新聞社
  • 定価:756円
livedoor BOOKS
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mozu:
 軍事とか軍備とか、自分にとっては苦手なジャンル。一般の人に、わかりにくい論が続くなら、正直パスしたい。『本が好き』プロジェクトから献本をいただき、読んでみることに。意外に読みやすかった。筆者の主張がはっきりとしているし、毒舌ながらユーモアもある。


 全体の構成が、入門編ー中級編ー上級編ー応用編と分けられている。入門編では、鈴木一朗なる主人公が、近未来の「日本国国防軍」に入隊し、悪戦苦闘する物語が書かれている。これがおもしろい。今の自民党が志向する方向で、憲法改正がなされた場合の、シュミレーションとのこと。単なる物語とあるが、筆者の軍事知識が散りばめられていて、読者の軍事知識が0であっても、すんなりと受けいられる。

タナカ君:
 確かに入門編、中級編までは、抵抗感を感ずることなく、読めました。しかし上級編となると様相が変わります。「軍事談義を論破する」として、小林よしのり氏や石破茂氏などをヤリ玉に挙げています。彼らの書を読んだことのない身にとっては、なぜ、そこまで批判するのか不思議に思います。しょんぼり

mozu:
 軍事に限らず、評論家の世界では、自説を通すために、他の説を論破することは、普通のことなのかもしれない。ここでも取り上げたことのあるまれに見るバカなど、批判と論破のオンパレードだが、読んでいて痛快だった。誰しも同じ感想を抱いていても、口に出せないようなことを、ばっさりと切り捨てる手法は、成功するとはまる。ただ石破茂氏の著書をどれだけの人が読んでいるのだろう。一般の人が読んでいない本や、興味のない発言を棚に上げて、批判する様子は、内輪喧嘩をしているようで、少々キツイ。その点で、上級編は読み飛ばしてもよいかもしれない。

 でも、そうは言いつつ、見逃せない論があった。核抑止力について。先日読売新聞でも、核保有についての特集記事が載っていた。いつのまにか核保有がタブーではなくなっている。少なくても憲法解釈次第では、核を保有できるという議論が、大新聞で行われること自体、驚きである。筆者は、核兵器に抑止力はないと断言する。このあたりは説得力があり、私にとってのツボだった。核保有国であるイスラエルがエジプトに攻め込まれ、国家存続の危機に見舞われたが、核を使わなかった。この史実から、1.核を持っていても、他国からの攻撃を抑止できるわけではない。2.国家転覆の危機に瀕しても、核のボタンは押せなかった。という教訓を得られる。当時のパワーバランスとか、政情についての論述はないので、核使用をめぐる他の判断があったのかもしれない。ただ少なくとも、言われているほど核には、抑止力がないと思わせるには充分な論理が示されている。

タナカ君:
 持論に説得力を加えるための、批判であるなら、わからぬでもありません。応用編では筆者の憲法改正についての持論が語られています。スマイル

mozu:
 極論が述べられているのではと、一歩引きながらページをめくったけれども、案外まともでほっとした。私自身、判断を下せるほどに、詳しいわけではないけれど、悪くはないのだろうと思う。筆者自ら、軍事を語るのは危ない人と自嘲している。口絵の著者近影はどう見てもあやしい。見かけと論調は怪しいけれど、主張自体はまともだと思う。

タナカ君:
 軍事や憲法論議は、怖い人が多そうで、敬遠しがちでしたが、避けては通れません。確かに漫画は読みやすいけれども、一つの解釈なり、意見に過ぎない。新書の場で、どんどん論陣が張られれば、個々人の意識なり、見解をもてるようになるかもしれませんね。スマイル

mozu:
 筆者は、そのあたりを見越してか、推薦書をいくつも挙げている。すぐには読もうとは思わないけれども、避けては通れない。宿題を与えられた気分だね

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最終更新日  2007年04月01日 01時16分14秒
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