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えひもせす

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2008年10月22日
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カテゴリ:読んでみた本

縄文の思考


 目の前にいる人を理解するためには、
相手の立場にたって考えなければならない。

 服装や話し方や動作とか、
情報はたくさん得られるけれども、
本当のところは何なのか、
何を考えているのか、
よくわからない。

 同じ時代を生きている人であっても、
そうなのに、今から1万5千年前の人の思考を、
どうすれば知ることができるのだろう。

 例えば当時の人々の住居。
竪穴式住居の中心には、必ず炉があったらしい。
われわれの感覚であれば、
そこで料理をし、暖をとる風景が浮かぶが、
煮炊きした形跡はないらしい。

 では一体、どういうことか。
我々は、最も合理的な理由づけをして、
一件落着とすることに慣れているから、
どうにも説明がつかない状況を目の当たりにすると、
思考停止してしまう。

 われわれの想像が及ばない、
独特な生活形態があったかもしれない。
動物のように、普段はじっとしていて、
空腹を感じたときだけ行動するとか、
寝る時は地面に埋めた土器の中で寝るとか。
想像は広がるけれども、
ただの妄想なのか、案外いい線いっているのか、
確かめるすべがない。
 
 その点、筆者の取り組みは、大いに
参考になる。まず考えうる可能性をすべて
列挙し仮説を立てる。そして、各地の出土品を
分析し、突き合わせ、矛盾があるものは消していく。
資料が足りなければ、世界各地の風俗と比較してみる、
その結果、最も無理のない説が残る。

 次に別な遺跡について、同様に検証していく。
その過程で、先の結論が否定される場合もあるし、
補強される場合がある。この行程を繰り返して、
ストーリーを読み解いていくのである。

 この本は筆者の研究成果の
最新レポートであり、同時に考古学の最新レポート
でもある。学校では習わなかった縄文時代人の、
思考や精神性に触れられる良書。
古代史に興味のある方にはおすすめです。
久々に出会った良質な新書。

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最終更新日  2008年10月22日 23時42分05秒
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