183595 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

えひもせす

えひもせす

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カテゴリ

ニューストピックス

フリーページ

2009年08月06日
XML
カテゴリ:読んでみた本

重力ピエロ


話題作である。映画にもなった。

 自分の母がレイプされ、
妊娠し弟が産まれた。
とてつもなく重いテーマである。

 その母はなくなり、
残された父と、自分と弟の物語。
暗く重い背景を持つ家族であるが、
三人とも前向きである。
不幸な事件から目をそらさず、
きちんと受け止め、地に足をつけて生きている、
重いテーマでありながら、
全編に爽やかさが漂うのは筆者の力量の
なせる技であろう。

…が、自分としては△。

 結局は復讐なのか。

 かなり好意的に描かれている弟。
ルックスもよく、芸術センスにも溢れている。
人一倍正義感も強い。兄思い、父親思い。

 ところが彼のしたことは
いわゆる『マッチポンプ』

じぶんで落書きをし、放火をし、自分で消火する。
その理由はというと、

・兄を巻き込むため
・かつてのレイプ犯に気づかせるため

 爽やかさの一かけらもない。
結局弟はレイプ犯を撲殺。犯行に気づいた兄は兄で、
レイプ犯を殺害する計画を立てていたと告白する。

 さらに兄は自首すると言う弟を説得し、
事件を葬り去ろうとする。

…無茶苦茶である。

 父も母も、レイプ犯の子供であると承知で、
出産を決意し、兄弟を分け隔てなく育ててきた。
周囲の好奇の目と戦いながら、
むしろ、ありきたりな兄弟よりも、ずっと
強い絆で結ばれた家族だった。

 …それが兄弟揃って復讐を企てていたとは 

 亡くなった母と父が不憫である。

 グラッフィクアートとか
DNAとか一応流行りの道具をこしらえているが、
メインスト―リーがこれだときつい。

 母と父の愛情をこの兄弟は
どう受け止めていたのか。
 
 長編を書ききる筆者の筆力は
相当なものだと思うが、
薄い…。最後まで読み通すのはきつかった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年08月06日 22時02分00秒
コメント(0) | コメントを書く
[読んでみた本] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.