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月曜日に次男、長男が実家にお泊りする為、送っていた帰り、 ふと中学校の時から家族ぐるみでお付き合いさせてもらってる同級生のうちを尋ねた。
彼女は自閉症があって、今、通所の福祉施設で、毎日パンやクッキーを焼いている。 施設がまだ社会福祉法人化されていなかった小さな数人の施設の頃からいて、その頃から手作りクッキーを作って売っていたメンバーの一人。
そんな彼女達の焼くクッキーは美味しく、私は何か差し入れの機会がある度に買いに行ったりしていた。
今は3人の育児に追われ、新しく大きくなった施設も少し遠くなり、なかなか行く機会もなかった。 こないだ、野菜をおすそ分けしようときた時、入院した事を聞いて気になっていた。 退院したとの事でどうかな~と思って、大好きなケーキを買ってよってみたのだ。
「久しぶりやね~。元気?」とおばちゃんの明るい声にほっとした。聞けば、今は元気に毎日パンを焼く担当で頑張ってるとか。 よかった。
「それがな~、聞いてよ。クッキーな、やめるんやって。なんでも法律が変わったとかで、もっと施設はかせげることしなアカンとかでな。」
「え?」 驚いた。 なんでだろう? もう、作らない? あんなに美味しい手作りクッキー。 退職する時、 山口の友人宅のおみやげ、 私の結婚式、 長男が生まれた助産院のスタッフに。 お世話になった方への贈り物といえば、彼女が作ったクッキーだった。
「あのクッキー美味しかったよ。ありがとう。」 と言われる度にああ、やっぱり、彼女の所のクッキーはさすがだな~。これにしてよかったな~と嬉しくなった。
私としても人生の節目にいつだって登場していたクッキーだったよな。とあらためて感じた。
福祉施設は確かにどこも運営が大変だ。職員の方も給料、待遇面では、かなりしんどいのが現状なのだ。
それなのに、まだそこから稼ぎ出せというのか!? 一体どんな法律が改正されたのだろう。
私らが払ってる税金は一体どこに使われてるというのだろう? 新しい道路建設するぐらいあるなら、もっと福祉に使うべきだ。 こんな精一杯の力でやっている彼女や保護者の方、スタッフの方の努力は報われないのか?
高速道路建設や新しい施設より、まずは『人』でしょう?
おばちゃんは、「ちょうど、クッキーあるから持って行って」 と私に分けてくれた。
最後になるであろう彼女のクッキー。
食べるといつものあの素朴な優しい味が口いっぱい広がった。
心の中にはせつなさが広がるばかりだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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