407497 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

MORITA in Cyberland

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

mrtk@jp

mrtk@jp

Category

Archives

June , 2024
May , 2024
April , 2024
March , 2024
February , 2024
August 28, 2006
XML
カテゴリ:環境
連れてきて頂いたのは、「昔ながらの生活を守るNPO」が復活させた、300年前の水車小屋。

水車小屋外観 水車小屋外観


実はこの建物、1951年まで実際に稼動していたそうで、それから20年間放置されていたものを、1975年くらいから修復を開始し、2001年から粉引きを行えるようになったそうです。

-----
製造するのはクルミオイル。
まずは、クルミを、細かく砕きます。
「ひき臼」の形式ではなく、巨大な重い石の車輪で轢割る感じです。

臼

そこから、今度は、別の臼に移して、温度と圧力をかけて、オイルを搾りやすくします。

臼2

そして最後に、じっくりと圧力をかけながら、オイルを搾り出します。

圧搾


水車の回転力を、梃子の原理を応用して、じっくりと伝え、強く油を搾り出すわけですね。

-----
歯車


それにしても、すごい歯車の技術。
これは、さすが、南ドイツ、時計街道の近く、と言っても良いのかな?

全体の歯車の駆動は、歯車に直接働きかけるのではなく、水路の板を遠隔操作して、水の流れを止め、水車を停止することで行います。

水車 水門

うん。
この方が確かに、歯車への負担が軽減できる。

個々の駆動についても、それぞれ簡単な上下運動で歯車が噛みあうようになっていて、感心させられます。

-----
現在の機械搾りの場合、かけられる温度と圧力は、80℃で200t。
この方式だと、50℃で16t。
1lのオイルを抽出するのに、2.5kgのクルミを使用するのだそうです。

で、じっくり抽出している分、コクのある、美味しいオイルが取れるのだとか。

なるほどね。

=====
日本の場合、水車の利用としては、単純な上下運動に利用して、米を砕いたり、ということが多かったようです。

一番多く使われていたのは、川の水を、低いところから高いところに上げる、揚水機として。
そのこともあって、水車の形式も、上から掛け流すのではなく、水車の下の部分を水に浸す方式がメインだったとのこと。

ここのは中間式ですかね?

-----
日本の場合、オイルを搾るに当たっては、人力で、というと語弊がありますけど、楔を打って圧力をかける方式が主に使われていたようです。

菜種、櫨などから、灯り用の油分を取るのが主目的。

食用として、ごま油の製造については、昔テレビで見たことはありますが、江戸時代の方式ではないだろうから…。

あ。和三盆を作る時にも、大変な圧力がかけられますが、あれも梃子の原理を応用した、人力に近い形。水力は利用してないですね。

阿波和三盆

-----
水の使用については、農業面からも、治水面からも、水資源の利用について、厳しい制限があったと思われ、そこらへんが、日本で水力のエネルギー利用が進まなかった理由かな、と考えています。

米作りには、大量の水資源を必要としますし、政策としては、そちらが優先されていたでしょうから。

=====
冷蔵庫1 冷蔵庫2


そして、こちらは天然のクーラーです。
下の水をかけ流しにして、冷暗所をその上に作っています。

確かに。この方法は、水が豊富であれば、簡単に出来るクーラーになります。

西瓜を井戸水で冷やすのと違い、水を冷暗所の下をかけ流しにすることで、モノを直接水につけないのがポイント。

すごい知恵だなぁ。

=====
伝統文化を復活させ、昔の生活を体験させるようにする、というのは、非常に重要なことです。
なぜなら、伝統文化には、その地域・風土に即した知恵がいっぱい詰まっているのですから。

-----
所与の条件は変わっているわけですから、「昔の生活に戻れ」なんてことを言う気はありませんが、そこから今でも学べる知恵はあるはずです。

例えば「打ち水」。
例えば「もったいない」。
例えば「風呂敷」。

-----
私が日本で普段着遣いで着物を着てみせる理由の一つも、「伝統文化を大切にする」という自己主張。

なお、日本の、特に江戸時代の知恵・工夫については、石川英輔先生の「大江戸事情」シリーズに詳しいです。
てか、今回の江戸時代のネタは、これらを参照しています。

大江戸テクノロジー事情 大江戸えねるぎー事情 大江戸リサイクル事情 大江戸えころじー事情


さて、今、日本で、伝統文化の継承を「戦略的に」行えている街が、どれほどあるのか。

山鳩の主人が、有志で、地元の古老から、昔の生活の聞き取りをしている、という話をされてましたけど、こういう活動は、本当に大切だと思います。

さてと、翻って、私は…。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  September 30, 2006 06:43:43 PM
コメント(0) | コメントを書く
[環境] カテゴリの最新記事


Calendar

Comments

mrtk@jp@ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
I read your post and wished I'd wrtietn it@ I read your post and I read your post and wished I'd wr…
mrtk@jp@ Re:★芝居★ 劇団ここから 『春の遭難者』 (10/13) こちらこそ、素晴らしい時間を過ごさせて…

Favorite Blog

ロシア生活2004-2012 koshka0467さん
 eco-blog 環境エン… 拓也@エコブログさん
Chobi's Garden chobi-rinさん
紺洲堂の文化的生活 紺洲堂主人さん
mypo MihO in Berlinさん

© Rakuten Group, Inc.