幻冬舎新書の「偽善エコロジー」(武田邦彦著)が面白い。
ちなみに内容はこんな感じ・・・・
なお、矢印の右側は判定結果。
・レジ袋を使わない → ただのエゴ
・割り箸を使わずマイ箸を持つ → ただのエゴ
・ペットボトルより水道水を飲む → 悩ましい
・石油をやめバイオエタノールに → ただのエゴ
・冷房28℃の設定で温暖化防止 → 意味なし
・温暖化はCO2削減努力で防げる → 防げない
・温暖化で世界は水浸しになる → ならない などなど
詳細な検証結果を示したりしての解説には、それなりの説得力が
ありますね。
また、企業や政府が言いたくもないことをズバっと言っているのも
小気味よいです。
ただし、以下赤字部分については承知できません。
それは、「無毒、無菌が安全 → 危ない」の項で氏が書いている
内容なのですが、
・・・毒物も同じです。「何百年にもわたって一人も健康障害を起こさない」
ことを安全なものの定義とするならダイオキシンは「安全」になります。
また、交通事故を考えてみると、日本で一年に約100万人も死傷者
が出るのですから、人間の生活には危険はつきものであることがわ
かります。
もし、一年に100人以下の人がかかる病気を心配していたら、
交通事故の死傷者は約100万人ですから、1万種類の病気に
ビクビクしなければなりません。そうなると、完全に人間の注意力の
限界を超えてしまいます。
上の赤字の部分です。
昨夜のニュース番組で、京都だかに住んでいる若い女性が
「筋肉が消滅していく」という病気にかかっているのですが、
日本に同じ症例が100人程度しかいないため、厚労省が難病に
指定してくれないらしいんです。
製薬会社や医療機関にとっても、症例が少ないその病気に対して
研究したり薬品を開発することは、相当コストがかかるらしいんで
すね。
なので、政府が認定してくれない限り、その病気の原因や治療法が
見つからないそうなんです。
こんなのって、ありですか?
本来、そのような病気に対して研究を助成するのが国の役目では
ありませんか?
著者は、このような視点が抜けてます。
この点だけは彼の言い分に同意することは全くできません。