原尞 そして夜は甦るを読みました。
そして夜は甦るを読みました原 尞(はらりょう)さんの作品です(原さんは作家でもありジャズピアニストでもあるそうです)和製チャンドラー・・つまりはい、内容はフィリップ・マーロウ・・といってもピンと来ない方フィリップ・マーロウの名ぜりふはご存じかも「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」To say Good bye is to die a little.などです。はい、ハードボイルドでございます。ここにでてくる主人公沢崎は探偵、しかも渡部探偵事務所の探偵【ただし渡部さん現在失踪中】ある日、一人の男が「佐伯」という男の行方を探しにきます。「佐伯」をしらない沢崎はそのままその男と別れますが、やがてある有力者から再び「佐伯」の行方を訪ねられ、その男の娘、佐伯の妻から「佐伯」の行方を探すように依頼されます。ハードボイルドがさして得意でない麦子にも抵抗なく一気によめた不思議な本でした。極わずかな手がかりから佐伯にたどり着こうとする沢崎の適当に肩の力の抜けた感じそれでいてとがった背中がなんとも素敵でした。キャラは多分にフィリップ・マーロウでしょう。ただ、友人としてはどうしていいかわかんない人ですが・・・こういった人物は「佐伯」の妻のような筋金入りのお嬢様か海千山千の女性がお似合いと言う感じがします。そして渡り合う相手も裏街道まっしぐらか頂点を目指している人物。薄暗い夜の街が似合うのに時折日の中に出てもくたびれた存在でなく、不思議な目の光を感じるようなそんなキャラです。でもなによりすごいのはキャラクターだけに頼ってない本の内容。プロットも文章もかなりしっかりしていて読みごたえがアリ・・・だから麦子もおもしろかったのかも続刊を密林の中古本市場で探して早速注文。【私が殺した少女・・・直木賞作品】刑事をやった後ですし・・・内野さん今度は探偵しません?(なんて最後はこうだ)