カテゴリ:映画
一応、他人の眼に触れる日記なので、ちょっと丁寧に(どこが、という感じだが)おかーはんと書いたが、私は母のことをおかんと呼んでしまう。
おかんは大の映画好き。 それも、ラブロマンスなんかはあんまり興味がないらしく、ことごとく一般市民が人質になってパニックになるような映画やカーチェイスや銃の派手な打ち合いがないと納まらないらしい。 私が日本に帰るといつも「おもしろい映画あったし、ビデオにとっといたで」と言って何本かを渡してくれるのだが、この整理がまためちゃくちゃ。 どこに何を入れていたかわからなくなるらしく、「えーと、あの映画、どのビデオに入れたんかいな・・・あ、そやそや『料理2』のビデオにはいってるわ。」 ・・・なんでやねん。 母にもらうビデオは、普通のテレビから、ばしばし映画を録ってしまったものだ。 だから、映画が終わったところから急に火曜サスペンス劇場が途中から始まったりしており、それはそれなりに見続けてしまって興に乗ったところで突然テープが終わる。 ひっくり返りそうになる。 おかんは、好きな映画は録っておいて50回でも100回でも見る私と正反対で、一回見たら得心が行くらしく、いい映画は絶対残しておく私を理解できない。 映画は一回見たらそれでええ、という考え方なのでビデオも上から上から録画しているし、レンタルも同じものを借りたりしない。 あまりにもあれこれ見ているので、冒頭から15分くらい見たら「あっ、これ前に見たわ。ひゃー、またおんなじやつ借りてしもたー。」と残念がる。 もうすぐテレビの洋画劇場から解説してくれという依頼が来るのではないかと内心どきどきしてしまうほどだ。 しかし、そんなおかんは横文字の名前が苦手。 クリント・イーストウッドは「クリンストウッド」 シルベスター・スタローンは「シルベスタローン」 当然、シュワちゃんは「シュワちゃん」 まあ、だいたい昔からブロマイドが「プロマイド」、ピンクレディが「ピンクデレー」だったのだから仕方がない。 最近はレンタルビデオを借りると、前に一度見たやつだったといっては悔やみ、せっかく借りたのにおもしろくなくて20分でやめたとぶつくさ言っているが、この間、「あの映画よかったわぁ~」と言っていたので「なんやったん?」ときいた。 「それがな、エアーなんちゃらて書いてあるし、これはもうてっきり飛行機が空でどないかなると思って借りてきたらなぁ、ぜんぜん飛行機なんか出てきいひんねん。そやけど、飛行機とは関係ないみたいやったけど、わりあい壮大な映画でなぁ、確かあれ、イギリスの映画ちゃうか?」 おかんはそう言いながら、自分が見た映画のメモをつけるノートを広げた。 「ああ、これやこれ。ジェーン・エアていう題やったわ。」 ・・・まいりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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