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ちゃと・まっし~ぐ~ら~!

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2004年02月08日
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カテゴリ:家族
一つ下の弟は一浪して大学を出た後、就職ですぐに実家を離れて行ってからは一緒に暮らしたことがない。
私が言うのもナンだが、かなり変わったやつだ。
子供の時は結構本気でケンカもしたが、今となってはその機会もなくなってしまった。
仕事自体は化学系の研究職なのだが、この仕事は彼いわく生活の一手段であって、彼は実は余人に見られない才がある。
中学か高校の時から彼は、中古で知人から譲ってもらったコンピューターにハマり始め、彼は今では私には想像も理解もできないプログラムの遠い世界にいる。
最初にいじったコンピューターというのはそれこそWindowsの3.1などが世に出るよりもかなり以前のもので、当然MS-DOSのコマンドでしか動かないようなものだったと記憶しているが、その頃から弟は一人でこつこつそれを触りつづけ、私も両親もてっきり将来はその道に進むと思っていたら、弟はぜんぜん違う化学を一応の生業と決めた時は驚いた。
弟は言った。
「コンピューターは趣味やねん。趣味を仕事にしたら、それなりの制限が出てきておもしろないやろ?そやし、仕事は他の普通のことにしといて、コンピューターはあくまでも趣味にしとくねん。」
はぁ、そんなものかと思っていたら、どうも弟はそれ以来、私などの知らないところでいろいろととんでもないプログラムを作り続けているらしく、パソコンのMook等に原稿を依頼されたり、結構な企業からプログラムの依頼をされたり、というのを今も趣味ベースでやっているらしいが、下手をするとそっちの収入のほうが大きいらしい。

一度、私は彼にきいてみたことがある。
私「アンタのパソコンの力量っちゅうか、レベルっちゅうか、それってどれくらいなん?」
弟「そやなぁ、オネエみたいな素人にどう言うたらわかるかなぁ。(失礼な)まあ言うてみたら日本でWindowsを使う総人口の中でおそらく上から10人くらいまでにははいっとるやろな。アメリカを足したら大したことないと思うけど、日本やったらまあそんなもんちゃうか?」
淡々と弟はそう言った。
そりゃ、弟のプログラムの説明をあちこちで読んでも、日本語で書かれているにも関わらずまったく私にはわからないわけだ。
話によると、蔓延するコンピューターウィルスも、自分は感染しないままに貯め込んでおいて、意図があって送り付けてくるやつらに増幅して送り返すことくらいは簡単にできるらしいし、自分のシェアウェアのプログラムのパスワード破りの連中を突き止めて、その連中のプログラムをこっそり一部改変しておき、質問が来た時にとぼけておいてやったとも言っていた。
私がロンドンに来る時、これからはパソコンかなと思って、既発の機種ではどこの何がおすすめかきいたら「自分はそういうメーカーのパソコンを買ったことがないので調べとくわ」と言いながら「そやけど、オネエ、いったいパソコンで何すんねん?」と痛いところをつかれた。
「そりゃ、文書作成とかインターネットとか、メールとかするんちゃうのん?」と想像で答える私に「パソコンでなくてもできることなんやから、それやったら高機能のワープロにしたほうがいいんちゃう?」と鋭くかまされた。

さて、この弟は化学系であることといい、パソコンライフ系であることといい、理系一筋の人生を歩んできたにも関わらず、やたら難しいことを文章にして時々送り付けてくる。
とは言っても、弟のほうからメールが来ることは少なく、たいがい私が何かについて弟に書いたことに対して返答がくるだけなのだが。
先日、うち夫婦が結婚5周年を迎えた時には「これからも『比翼連理』でがんばって下さい」というメールが来て、思わず私は辞書をひいてしまったし、他のメールにも「蓋し名言」と書いてきたり、私がかつてバカでどうしようもない上司に仕える身の不遇を託ったメールへの返事には「畢竟、会社の上位職というのは下水処理場で処理されずに浮かび上がった汚物の名残である」と書いてきたりする。
なので、私は時々、日常で氾濫している気になる文章の遣い回しについて弟にメールできいてみたり、自分の書いたものを誰よりも先に弟に見せて意見を求めてしまうことがあるが、ああいう全然違う世界に住んでいる人間の感想はそれを聞いているだけで非常におもしろい。

えてして小さい頃は、どこでも姉と弟の組み合わせだと「しっかり者で一生懸命勉強する姉となんだか頼りない弟」というステレオタイプな図式で見られがちだし、弟も長らく私に対する身内からの厚遇と自分に対するお添え物評価に悔しい思いをしてきた。
しかし、今になると、浮草ぐらしのような私とは違って弟は自分の家も買って妻子を養い、自分の趣味を飽きることなく続けている。
毎日毎日ではないが、私にとって「こういう時はどうか」と、ダンナ以外の意見が聞きたい時には両親と同じ重みで私の良心の砦になってくれる貴重な人間の一人がこの弟であることをこの際はっきり書いておきたいと思った。





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Last updated  2006年02月11日 19時39分01秒
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王島将春@ Re:また祭日に書いている・・・(11/23) はじめまして。福井市在住の王島将春(お…
背番号のないエース0829@ Re:初夢(01/03) 今回こちらのtitleです。 もしよろしかっ…
誰やねんっ20号@ Re:また祭日に書いている・・・(11/23) 御無沙汰しとります。 気がつきゃもう年…
べる@ Re:また祭日に書いている・・・(11/23) ってことは次は12月23日? 早くアジ…
yokko_888@ おかえりなさ~い 一気に寒くなりましたが、ちゃとさん、お…
にゃんきち@ Re:また祭日に書いている・・・(11/23) アジアやオセアニアは日本から近いですよ…
ちゃと0508@ panasea75さん パナセァさん、おこんばんは~~~。 そ…

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