カテゴリ:イギリス
ナンパ、された。(爆)
いや、私自身はアレをナンパと言うのだとは思っていない。 その同窓会でわーっと10数人、女ばっかり(プラス謎のおっさんデイヴ)でテーブルを囲んでいろんな話に興じていると、私の左隣りのちょっと空いたスペースに、イギリス人の30歳くらいの男性がやってきた。 「ちょっとごめんねー、いいかなー?ボクたちも入れてもらっていいかなー?なんだか楽しそうだしぃ」 と言ってきた。 はっ?と思っていると、彼は結構強引に「いや、ちょっと話したいだけ。フレンドリーにしたいだけ、ねっねっ、いいでしょ?」と言う。 私は思わずみんなの顔を見回すとみんなも若干困惑。 それというのも私たちはいわばガールズトークの真っ最中だし、長年の付き合いで気心が知れた仲間うちの話だし、こう言うと失礼だが別によその男性と知り合いに来たのではない。 けれども、だからと言って「私たちは私たちの内輪話がしたいんであって、よその人と話すつもりはないよ」とは言えないし、その彼、イギリスくんの見た目はごく普通の男性だ。 アメリカの人気のトークショーに出てくるジェリー・スプリンガーの性格をもうちょっと愛想よくしたような顔と短めの髪。 断る理由というのも見つからなくて困る。 「う、うん・・・じゃあどうぞ」と言うと、なんだかうちのみんなが私の左隣りを映画の「十戒」のようにさーっと空けてスペースを作った。 スツールを自分で持ってきてそこに座り込むイギリスくん。 すると、そのイギリスくんとともに、彼の同僚と思われるインドくん(インドかパキスタンかバングラデシュ系と思われるので、とりあえずインドくん)もスツールを持ってやってきた。 「どこからきたの?」で始まるイギリスくんの会話は全部こっちに向けられる。 それもそのはずで、うちのグループの女性連中はちょっと離れてこちらの動向を見ているだけで、話に参加してくれそうにない。 日本から来たとか、今日は会社のパーティでとか、そういう当たり障りのない話をしていると、イギリスくんも自分はどういうところに勤めていて、とか、日本で生活するのとイギリスで生活するのとどっちが経済的にラクなのとかいろいろ聞いてくる。 悪い人でもなさそうだし、それなりに話のキャッチボールをしていると、彼が「実はね、ボクは前にオーサカ出身のガールフレンドがいたんだよね、まあ6ヶ月くらいで別れちゃったんだけどさ」と言う。 ほぉ、そうなのかと思って「私はキョート。日本のオールドセントラルでテンプルがいっぱいあるところ」なんて答えていると「行ったよ、いいところだよねー」と話を合わせてくる。 しかし、彼に勢いがついてきて身振り手振りで話す時に、やたら彼の腕がこっちの体に近づいてきて、何かのミステイクで触られそうになるので、私は不自然に見えないよう(小さな)胸をかばい、(大きな)お腹をガードするような姿勢で話し続けるが、それ以上後ろに椅子を引けないので焦る。 大阪の話も出たので、大阪出身のひろみさんのひじをつつき「アンタもなんか言ってよ」と助けを求めると彼女もいろいろ話を合わせてくれて、ちょっと助かった。 イギリスくんは「ボクはね、あのオーサカのオコノミヤキっていうヤツがおいしくて好きだなぁ」とうれしそうに言う。 「だいたい日本の食べるものっていいよね。油をあんまり使ってなくて上品で味付けが繊細で・・・だからさ、ここにいるみんなもとってもスレンダーだし、やっぱりイギリス人の女性とは違うなぁ」 そういう話の間、横のインドくんは時々相槌を打ちながら聞いているだけで、もっぱら主導権はイギリスくんだ。 ひとしきり料理の話になったところで私は言った。 「私は別にスレンダーってわけじゃないけど、うちはダンナも日本人だから、どうしても食事は日本のものが多くなるのよねー」 「えっ、結婚してるの?日本の人?」とインドくん。 「そうよー、でもさ、日本人なんだけどイギリスにはもう24~5年いるから、見かけは日本人だけど、行動とか考え方はイギリスの人に近くなってるかもね」というとインドくんはひいた。 「エッ?ボクが生まれた頃からいるってことじゃん」 ・・・ほっといてくれ。 そしてイギリスくんとインドくんは程なく「話せて楽しかったよ」と言って握手をして去って行った。 「おー、やっと解放されたっ」とつぶやくと、これまでスペースを空けていたうちのみんなは「ちゃとさん、わかってます?」と言う。 「アレはナ・ン・パなんですよ」 ええーっ? 自慢ではないが、私はそんな経験はないし、こっちでイギリス人に声をかけられたことはこれまで一度もない。 その上、こういうパーティの時以外にパブに行くということがほとんどないからそんなことは考えてもみなかったのだが、みんなはしょっちゅうパブに行ってるので「どこかのグループで気に入った人がいれば、そこのグループに割り込んで談笑するように見せかけるけど、実は気に入った人の隣りに座るのがパブでのナンパ」で、イロイロはそこから始まるものだと言う。 (もちろん合わなければそこで撃沈するらしく、今回はいわゆる撃沈だったらしい) 私にしてみれば、あれはナンパでもなんでもなかったと思うのだが、ただ彼も他のみんなには話しかけなず、私一人に話しかけられるのはつらかった。 こう見えてもわりあい人見知りするし、不特定多数の人がいる場所で知り合った人とはあんまり盛り上がれないのだ。 悪いが、他を当たってくれよ。(爆) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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