カテゴリ:イギリス
今日は一日外出しない。
この間からずっとチャリティの「Live 8」の話でイギリス(の一部)は持ち切りだ。 去る20年前に呼びかけられて起こったイギリスのライヴエイド…あの時はロンドンとフィラデルフィアがメインステージ・・・に続き、元ブームタウン・ラッツのボブ・ゲルドフが再度提唱して今年、イギリスはロンドンとエジンバラ、フランス、ドイツ、イタリア、アメリカ(フィラデルフィア)、日本、ロシア、南アフリカと8ヶ国に参加アーティストが分かれて世界規模のライヴが開催されるというものだったが、悪いが私はコレにはまったく興味がない。 だいたい、ボブ・ゲルドフって、敬称「サー」のつく人なのだが、私はこの人はどんなミュージシャンでどんな音楽をやってたのか、まったく知らない。 いつ見ても、ちょ~不健康そうなヤク中っぽい顔相も大いに気に入らない。(爆) ま、音楽は顔でするものではないと言えばそうなのだが、この人が出てくるたびに私は気が滅入ってしまうのだ。 この間、友達から「土曜は『Live 8』をサカナにちょっとみんなで集まらないか」という声もあったが、私は早々と欠席気分。 20年前はさすがに錚々たるメンバー(*)が集まったなとその頃なりに思っていたが、今やこの「Live 8」に出てくるのは、私にももう誰がどこの人でナニ歌ってんだかわからない人たちのほうが多い。 そんなイベントのために時間を潰すのはゴメンだと思いながら、今も横でしっかりその中継のテレビだけはかけている。(笑) *・・・20年前の参加者は、デヴィッド・ボウイ、エルトン・ジョン、ジョージ・マイケル、クイーン、フィル・コリンズ、ミック・ジャガー、ティナ・ターナー、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、スパンダー・バレエ、ダイアー・ストレイツ、ポール・ウェラー、シャーデー、ポール・ヤング、カーズ、ブライアン・フェリー、ブライアン・アダムス、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、B.B.キング、キース・リチャーズ、ロン・ウッド、ジョーン・バエズ、エディ・ケンドリックス、デヴィッド・ラフィン、クロスビー・スティルス&ナッシュ、ビーチ・ボーイズ、スタイル・カウンシル、シンプル・マインズ、トンプソン・ツインズ、ナイル・ロジャース、ホール&オーツ、プリテンダーズ、エルヴィス・コステロ、ハワード・ジョーンズ、テディ・ペンダーグラス、アリソン・モイエ、ケニー・ロギンス等・・・ちょ~有名なのに名前を削除した人は私が興味がない人たちなんで悪しからず。(爆) さて、それよりも私のトピックはやっぱりウィンブルドンだ。 今年は例年になく雨が少なく、試合の運びも予定通りと見えて、雨天順延した試合が少ない。 男子準決勝のアンディ・ロディック(シード2位)とトーマス・ヨハンセン(シード12位?)の対決は4セットの末、ロディックが勝ったのは一見順当に見えるのだが、2セットめ以外はすべてタイブレークに持ち込まれた7-6というスコアで、見ていて血中の酸素が少なくなるようなゲームだった。 力でがんがん押してくるロディックに対し、ヨハンセンは時折、とんでもない好スポットにサーブを決めることもあり、ロディックにしては、振り払っても振り払ってもついてくるイヤなタイプの相手だっただろうと思う。 私としてはなんとなくロディックの顔から引退したサンプラスを連想してしまい、ここは一つ冷静なヨハンセンに勝ってもらいたいという願いも空しく、経験の差がここに出たか、ヨハンセンは敗退。 まだグランドスラムでは2002年の全豪で優勝した以外は、なかなか準々決勝レベルまで勝ち上がった経験がなさそうで、ここで一発躍り出ることを期待したが、やっぱりロディックの壁がまだまだいかに厚いかということに尽きたようだ。 そして女子の決勝。 リンゼイ・ダヴェンポートとヴィーナス・ウィリアムスのアメリカ対決。 最初は特にどちらに肩入れしているというわけではなかったが、試合前のインタビューを見て、なんとなくやっぱりヴィーナスに勝ってほしいなと思い始めた。 こう言っては悪いが、見るからに女猛者という外見と、男顔負けのサーブと足腰で一時は名声を欲しいままにしていたヴィーナスは、その風貌を裏切るようなかわいらしいところがあるのは前からわかっていた。 どうもここ3年ほどは決勝で姿を見ることがなくなったなと思っていたら、今回のシードはなんと14。 この1年は世界ランクでも10位以下を低迷しているようで、故障があったのか、それとも他が強くなったのか。 対するリンゼイ・ダヴェンポートはナンバー1シードで、なんとなく「いかにもアメリカ娘」がそのままちょっと年をとりましたという風情。 こうなるとどうしても弱いと思われるほうに加勢したくなるのが人情だ。 対戦が始まったが、これがまた2人ともキレに欠けた、アドレナリンの上がらない試合状況。 最初はそんなふうに思った。 まあテレビだけかけといて本でも読もうかと思っているうちに、ダヴェンポートが押し始めた。 彼女は自分のリターンが決まっても、何かでミスをしてもだいたいあんまり感情が外に出てこない。 一方のヴィーナスも今日は最初から曇ったような顔をしていて、いまいち乗り切っているような表情でもないというそういうところにダヴェンポートが真綿でゆっくり圧力をかけていくようにヴィーナスを追い詰めてくる。 ヴィーナスは完全に押し負けている。 2セットめの終盤まではどう見てもそう思えた。 そのうち、ダヴェンポートが背中の具合が悪いらしくテクニカルタイムを取るが、それでもコートに戻ってくるとそんな素振りを見せないダヴェンポート。 しかし、実際にはやはり万全の体調でなかったダヴェンポートにしてみると、ヴィーナスに粘られれば粘られるほど勝機は遠ざかって行く。 早く勝負を決めたいという意識がどのくらいダヴェンポートに働いたかわからないし、少なくとも焦っているとも思えなかったが、3セットめも見た目はやはりずっとダヴェンポートがヴィーナスに圧力をかけているように見えたのに、結局この最終セットはなんと9-7というスコアまで持ち込まれ、最後にネットにボールをかけて負けたのはダヴェンポートだった。 ヴィーナスは自分の勝利がどうにも信じられないという気持ちと、3年ぶりに勝てたウィンブルドンの重みと恵みを一身に感じながらコートを飛び跳ねたり跪いたりと体中でその喜びを表していた。 こういうスポーツの対戦を見ていると、どこかの時点で不思議なくらい流れが変わるのをよく見る。 ずーっと前に見た高校野球のテレビ中継で、アナウンサーと解説者が話していた印象的なコメントがあったのを今でもよく覚えている。 その時のカードはぜんぜん覚えていないのだが、両投手とも相手をよく押さえ、長らく0-0の膠着状態で延長戦もかなり長引き、その後もかなり話題になった試合だった気がする。 最後にヒットが出て(いや、ヒットが出たからそれが最後になった、というのが正しいが)流れが変わり、片方のチームが確か2-0でようやく勝利をもぎ取ったと思う。 その時、テレビ中継のアナウンサーと解説者が話していた言葉が頭を離れない。 アナウンサー「結局、○○高校はここまで来て、どうしてあそこで・・・と思ってしまうのですが」 解説者「『負けるかもしれない』と思った瞬間に負けが始まりますからね」 その解説者の言葉の印象が強過ぎて、私はその時の試合の詳細をまったく忘れてしまったと言ってもいい。 今日、ヴィーナスはきっと最後まで危ない、危ないと思いながらも「負ける」という単語を頭の中に浮かべなかったのではないか。 そんな気がした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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