カテゴリ:雑感
久々に親ネタだ。
実はちょっと前の話になるが、帰省中によっこさんと悠々さんに会いに行った翌日のことだ。 高速バスで京都まで帰り着き、市バスに乗りかえて家に帰ると両親とも留守。 父の行き先は知らなかったが、母は確か、田舎から同級生が京都に出てくるから会いに行くとは聞いていた。 私とクマイチは、前夜ほとんど寝ていなかったこともあり(笑)2人だけで家でごろーんとしているうちに夕方になり、父が帰ってきた。 日曜で市場も閉まっているので、早速「今晩はもう王将(餃子の王将)で何か頼むか」ということになり、近所の王将で餃子やら何やら注文して持って帰ってきてごはんを食べる。 しかし、母は8時になっても9時になっても帰ってこなければ電話もない。 私はさすがに心配になって「おかん、どこまで行ったん?」と父に聞くと、どうやらその田舎から出てくる同級生や母を含めて3人が、うちの実家からほど近くのマンションに住んでいるもう1人の同級生のところに集まっているそうだ。 驚いたことに父はその日のお昼、出先で歩いていると、ばったり母のグループに会ったという。 父が「たま(母の仮名)、たま」と読んでも母は一向に気づかず友人と話し続けていたらしい。 父が「たま」と呼ぶその声に反応して振り返ったのはそのグループの一人で「たまさん、呼んではるえ」と言われて初めて父に気づいた母から「いやー、アンタ何してんの?」と父は返り討ちに遭ったようだ。 父にすれば、呼び続けても肝心の母が一向に気づかず、横にいた母の同級生に反応された上に、母は父とちょこっと会話を交わしただけで、その同級生たちに「ウチの主人ですねん」とも言わないので挨拶しようにもできず、ひどくばつが悪かったと言っていた。(笑) そして時間は10時半を過ぎる。 そこで父がひとこと。 「これは今日はおかんは帰ってきーひんな。向こうで泊まるんやでぇ」と呑気に言った。 私にしたらびっくりだ。 これは立派な無断外泊じゃないか! 母は御年75歳だ。 私と母くらいになってくると、心配の度合いは当然逆転する。 かつては心配をかけていただろう私は突然、保護者気分になり「もしもなんかあったら困るし、おかんも電話一本くらいしてこなあかんやん」と不機嫌になってきた。 まあまあ、と押さえるクマイチ。 その日、母は本当に帰ってこなかった。 次の日。 私よりも先に父が起きていたが「おかんから電話あった?」と聞くと、やっぱりないらしい。 そうこうしているうちにお昼になり、とりあえずごはんのしたくをして父と私とクマイチの3人で食べる。 母の顔を見るまでは出かける気にもならず「まったく、これが私やったら今頃何言われてるかわからんで」とぷりぷりしながら後片付けをしていると、3時頃になってやっと玄関の戸が開いた。 「た・だ・い・ま~♪はー、しんど。」と歌うようにはいってきたおかん・・・ 「ちょっとぉ、泊まるんやったら電話一本くらいしてこなあかんやん。心配で心配で、探しにいかなあかんかなと思ってたんやで」と私が言うと、おかんからびっくり仰天のひとこと。 「ええー?昨日おとんに泊まるて言うたのに」 私とおかんとクマイチの6つの目が父に集中する。 「そやったかいなー?」といけしゃあしゃあ、おとん。 「言うたやんか、昨日ばったり会った時に『今晩は泊まってくるわ』て」とおかん。 一瞬にして責任を追及される立場になったおとんは「へっ、そやったかー?はぁ~、そらそんなこと言うてたかも知れんなー」としどろもどろ。 「アンタいったい何聞いてたん?」といきなり高飛車、おかん。 結局、父は街中で母に声をかけたのにまったく無視された形になり、他の人につつかれてやっと気づいた母に気圧されて、そのへんの大事な部分をちゃんと聞いていなかったという結論になる。 「それにしてもやで、それならそれで『何時頃に帰る』って一本電話くらいできたやろ?」と思わず言ったが、母は「そやけど話の途中で電話がかけづらかったんやもーん」と悪びれず、その後ずーっと「ほんでな、○○ちゃんがこう言うたらな、△△ちゃんが・・・」と延々昨日からの様子を話し続けていて、私の心配などへとも思っていなかったようだった。 それから私たちがロンドンに戻ってきてからのある時、実家に電話したら母は「昨夜な、おとんとケンカしてん」と鼻息荒く言う。 話によると、父はダンスのサークルの仲間を連れてカラオケに行ったらしいのだが、家に戻ってきたのが夜中の3時だったのだそうだ。 それこそ父は電話も入れず(父は携帯も持っている)こっそり3時に帰ったら、心配で眠れなかったおかんから「アンタなー、80近いじーさんがこんな時間までふらふらしててオヤジ狩りにでも遭ったらどないすんねんな」とボディブローをかまされたらしい。 自分のことはタナに上げて父をどやしつける母も母だが、もう80にも手が届こうかというのに深夜までうろうろしている父も父だ。 こうして娘はなぜか親の気持ちになって両親を心配してしまうのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|