カテゴリ:イギリス
この土曜…寒い中を年末の買い物に走ってきた。
この時期に、日系の魚屋でセールがある。 先週はその魚屋のロンドン西店で金曜から3日間のセールがあったのだが、ゆみさんちのパーティに行かなければならなかったし、翌日の日曜は延びていたから行けず。 今週末は同じく3日間、ロンドン北店にセール会場が移動。 この北店は、昔、住んでいた地区のさらに北にあるが、南に引っ越してからそこのお店ができたもので、これまで行ったことがない。 うちの自宅からそこに行こうとすると、めちゃめちゃ遠いが、日系フリーペーパーにはさんであったチラシを手に、ともかく車に乗り込む。 そこのお店に行くだけなら、ロンドンの外周を走っている環状線を走ってもよかったのだが、私はどうしてもロンドンの中心にある日系の本屋にも行かないといけなかったので、この冬いちばんの人手が予想される市内を突っ切って走ることになった。 車に乗り、この間買ったのにまだ聴いていなかったマライア・キャリーのグレイテスト・ヒッツ(2枚組)をかけ始め、1曲目が始まった途端になんだか気分が悪くなってきた。 空きっ腹で車に乗り始めたところに「これでもかーっ」という彼女のかん高い声が車内いっぱいにいきなり響いたのが、体調を負の方向に引っ張って行った。 いつも行ける場所だったら絶対にあの時点で「今日は買い物はやめて帰ろ」と言っていたくらいの距離だが、どうしても行かないわけに行かないので、ともかくCDをマライヤからウィル・ヤングの新作「Keep On」に交換し、運転しているクマイチに「ごめん、ちょっと寝るわ」と言って目をつぶった。 眠いわけではなくて気分が悪かったので神経はものすごく冴えていて、ウィルの今回のアルバムを一曲ずつ頭の中のすみずみに行き渡らせるように聴きながら、やはりこの人は稀代の天才ボーカリストだと感じる一方で、今回のアルバムは曲自体がぜんぜんあかんやん…とはっきり思う。 ウィルが歌わなくても、誰が歌ってもたいしたことのない曲がはいっているのが残念。 その上、サビだけはかなりウィルらしさが出ている曲でも、出だしの引き付けに力のない、ぼーっとした曲が多い。 それだからか、今回は2枚目のアルバムより売れ行きがよくない。 車の中で目をつぶってウィルのアルバムを1枚聴いているうちに体調が少し戻る。 クマイチがそこでアルバムをタワー・オブ・パワーの「Rhythm & Business」に替えた。 97年のこのアルバムは、その前作の95年の「Soul’d Out」に続いてボーカルは私の好きなブレント・カーターだが、いちばんメンバーの入れ替わりが激しかった時期の作品だったこともあるからかAMGでは両作品ともそう評価は高くないが、私には非常に合っていて、これを聴いている間に体調は普通に戻ってしまった。 ロンドンの中心部は、クリスマスのイルミネーションもほかの街とはお金のかけ方が違う。 いつも「カメラを持ってくればよかったな」と思うが、昨日も出がけにはそんなことはぜんぜん頭になかったので写真は取れず、後悔が残る。 来週はクリスマス・イヴなので、ロンドンの繁華街は今年いちばんの人手を記録しているだろう。 車も動かなければ歩道の人たちも6重7重になって歩いているのが見える。 クマイチに車の中で待ってもらい、本屋に飛び込み、必要な本を買って車にすぐ戻る。 のろのろ運転で北上すると、有名なおもちゃ屋のハムレーズの前は案の定、一段とすごい人混みになっていて、お店のすぐ前にたむろしている人たちも、お店の中にはいるまでに10分くらいはかかるんじゃないかと思われる大混雑。 少しずつ混雑を抜けて北の郊外に移動し、目指す日系の魚屋へ。 魚屋といっても、日本の食品がいろいろ取り揃えてあって、お客は魚を買いたい人たちばかりではない。 中にはこの時期、その魚屋で刺身の盛り合わせを頼んだり、おせち料理を注文したりする人たちもいるが、私は刺身や寿司をロンドンで絶対に食べたいと思うほどには愛着がないのでパス。 今日の目当ては何をおいても数の子だ。(笑) 刺身や寿司がなくても数の子だけは絶対にほしいのだが、普段、ロンドンの街中のスーパーくらいしか行かないと、缶詰の酢漬け(?)の数の子くらいしかないらしい。 私が食べたいのはもちろん塩数の子だ。 お店の前には、セール品の食品がいろいろ並んでいて、こんにゃく・油揚げ・大根・ピエ●ロのドレッシング…日本にいる人たちからすればなんでもないようなものでも、ここではそれが毎日そこらへんにあるわけではない。 数の子が置いてある場所まで、お店の中にできた列のままゆーっくり移動しなければならず、それまでに自分のいる場所の周囲にあるめぼしいものを少しずつカゴに入れながらのろのろと進む。 そして数の子。 保存の利く食品をいろいろ買い込んだ後、数の子3パックをゲットしてレジへ向かう。 セールとは言うものの、別にむちゃくちゃ安いわけではないが、いつもかも来るお店ではないので思わず買ってしまうものもある。 この時、今1ポンドがいくらだろう、そうするとこの商品がいくら、なんて無粋なことはこの日だけは考えない。 しかし、ここに来たら絶対買わなければいけなかった中華の乾麺がない。 毎年書いている気がするが、播州・マルツネの中華そばは、乾麺の中では日本一おいしいのではないかと思うが、日本では見たことがなく、ロンドンに来てから知った。 その乾麺はこのお店のロンドン西の支店でいつも買っていたが、同じ系列のお店だったから絶対あるはずと思っていたら、ない…。 で、やっぱりあきらめようかと思っていたが、せっかく出かけたついでなので、そのまま家に帰る前にその支店に行ってみることにする。 セールが1週間前に終わったそちらの支店は、閉店間際でもあったのでがらんとしていたが、さっきのお店にはなかった(売り切れていた?)冷凍のさといももたこ焼きもあったし、ころっと買い忘れていた花かつおも仕入れ、クマイチのリクエストで栗どらやき(爆)も買った。 しかし、結局そこにも目当ての乾麺はなく、お店の人にも聞いてみたが、お店の人ですら「そんなん、ウチ売ってましたか?」みたいな感じなのでこけそうになった。 すでに日が落ちて寒くなった街中を、家に向かってまたひた走る。 そして、今度は日系ではない大きなスーパーに寄って、今週のおかずを買い込む。 ロンドンでこの日、足を踏み入れなかったのは東のほうだけで、後はロンドンをひたすら食材を求めて走り回った一日になった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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