カテゴリ:イギリス
今日の新聞各紙や、昨夜遅くからのテレビのニュースでひとしきり結果が話題になっていたのはコレ。
以前、ここで少し書いていた「The Apprentice」という番組で、イギリスの億万長者ビジネスマンであるアラン・シュガーというおっさんのもとで働くため、予選を勝ち抜いて選ばれた決勝進出者14人が、おっさんの与える課題で結果を出していくという、12週間の変則的就職活動。 毎週1人がクビになり、1度は1週で2人がクビになり、昨日がその決勝だったのだ。 結果が話題になっただけではなく、実はこの番組が始まる夜の9時までの他局のニュースでも「今日は『The Apprentice』の決勝です」と何度も放送していたくらいで、この番組はイギリスの労働人口のかなりが動向に注視していた番組だったのだとあらためて気づく。 決勝に残ったのは結局2人とも女性。 1人は28歳のルースで、もう1人は26歳のミシェル。 この2人の共通点はただ1つ。 2人とも16歳までしか学校に行っていないこと。 私は自分がイギリスで学校に行った経験もないし子供もいないので、こちらの教育システムがよくわかっていないが、イギリスの学校では「中卒」「高卒」「中退」といった概念がないらしい。 その代わり16歳の時点でGCSE(General Certificate of Secondary Education)と呼ばれる試験を受けるのだが、全部受ければ10科目のこの試験から自分で選択した科目を受験するそうだ。 ルースとミシェルはこのGCSEがそれぞれ3科目・2科目と、ほとんど学歴らしい学歴はない2人。 ルースは火の玉のような、というか相手に威圧感を与える風貌で、時には決断を下すアラン・シュガーにも食ってかかる部分を見せるが、それだけの熱意が形になっていて、どんな課題にも見事に結果を出す天賦の才能あり。(もちろん努力がその才能を開花させたのだが) ルースなら、テレビがはいっていた空き箱だけを100個1日で売って来いと言われたら、どんなことをしてでもやり遂げるだろう。 対するミシェルは16歳の時に学校を出てからスーパーのレジに始まり、1日で2つも3つも職を掛け持ちして自立。 2歳上の姉が19歳で事故死したことが彼女の転機となり、お金が欲しい、自分の家が欲しいと一念発起。 彼女は16歳の段階で「自分が身を粉にして働かなければ、どこからもお金はやってこない」と悟ったと語る。 但し、早くから自立して努力していた経歴の半面、彼女は一見はかなげにも見えそうなクールビューティ。 力押しで相手にイエスと言わせるルースとは似ているところが一つもなく、まったく違ったタイプの女性2人が最終対決したのが昨日だった。 結果は、私とクマイチの予想を裏切り、アラン・シュガーの企業に就職が決まったのはミシェルだった。 そのポジションの年収は100000ポンド。(日本円で2070万弱) この話を今日ちょっと会社で振ってみると、やっぱりみつこさんもゆきちゃんも見ていたとのこと。 私は番組としては非常にこれを楽しんだのだが、いわゆるリアリティ・ショーとして見ていると、あまりの苛酷さに人間性が壊れてしまいそうなので、あくまでもこんなことは自分ならできないなと思っていた。 「生き残るのは最後の1人という前提がありながら、候補者全体をチーム分けし、チームで競わせる」というやり方を採用しているこの番組。 イギリスではこのやり方を他のクイズ番組などでも見るのだが、見方によっては非常に残酷ではないかと感じる。 チーム分けされて相手チームと闘う時は、チーム内で協力・分担し合い、ともかく相手のチームにまず勝つための団結を強要されるのに、その過程は同時に、最後に同チームの同僚も追い落として自分が勝ち残るための過程と言えばわかるだろうか。 あれなら最初から1人ずつで闘うほうが気が悪くないと私などは思ってしまうが、まあそんな甘っちょろいことを言っているような人間はあんな番組には最初から出ないのだが。 お金に細かい(笑)ゆきちゃんが聞いてくる。 「あれって、もらえるの、100000ポンドなんですか?あのおっさんとこで?」 「そうそう、100000ポンドだけど私はちょっと・・・だって、あれは働いて始めてもらえるものであって(当たり前ぢゃ)もしも働き始めてすぐに解雇されたら終わりだしね、あれならクイズで100000ポンドもらうほうがいいな、私だったら」と答えた。 ゆきちゃんはしおらしいことを言った。 「私も・・・いいです、今の給料でちゃとさんの下にいます」だと。(爆) この番組は今年は2年目。 すでに来年の分に応募したい人の受付が始まるらしい。 あ、そうそう、片や楽な(でもないか)金儲けの話。 実はこちらでいつも聴いている「Smooth Jazz(旧Jazz FM)」というFM局で「Secret Song」というクイズをずーっとやっている。 要するに日本で言うところのイントロクイズだ。 最初のドラムだかなんだかの「パン」という音だけで、それが誰のなんという曲かを当てるわけね。 この「パン」という一音は、このFM局で(平日だけ)何度も繰り返し聴かせて応募を呼びかけている。 曲に察しをつけて局に電話してくる人がどれくらいいるか知らないが、そこで「ダレダレのナニナニの曲だと思う」という聴取者の声を実際にラジオで放送し、アタリかハズレ、ということになるのだが、これがまた当たらないったら本当に当たらない。 で、このFM局は、1人ハズレが出るたびに、周波数と同じ数字の102.20ポンド(日本円で21000円ちょい)を賞金として加算していったのだが、開始後、半年経っても正解者がいなかった。 私も私なりにアレじゃないか、という曲があったのだが、頭のいいこのFM局はHP上で「すでに答えられたハズレ曲リスト」を公開していたのだ。 つまり、これからチャレンジしようかという人は先にそのリストを見て、もしもそこに自分の思う曲がはいっていれば、電話するまでもなくアウトですよ、ということ。 で、私の予想した曲も残念ながらリスト入りしていて、土俵に立てず。(笑) しかし、4月19日、半年以上続いたこのクイズでとうとう正解者が出た! これがもしも自分の知っている曲なら痛恨だが、幸か不幸か私はその曲、ダイアナ・ロスの「マイ・オールド・ピアノ」を知らなかったので、いずれにしてもチャンスはなかったのだが、この1曲を当てた主婦の人・・・ご主人といつも相談・推測していたらしいが・・・この人が当てた賞金はいくらだったと思います? 118454ポンド!(日本円で2450万弱) 今、このクイズはまた新たな課題曲のイントロで更新されて始まっているが、今の時点でもう私の予想曲はアウト。(はやっ) そしてすでにハズレのリストが51曲。(爆) わたしゃ儲けるんだったら「The Apprentice」で、その後の苦難の道を歩むより、この「Secret Song」で音楽聴き暮らして儲けたいぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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