カテゴリ:イギリス
先週の金曜の朝、突然みつこさんから言われた。
「ちゃとさん、日曜日ヒマ?」 ヒマではなかった。 この土日はまた腹を括って掃除。 それも、目に見えるところだけではなくて(笑)着ない服なんかをこの際、大処分してチャリティに出してしまおうと思っていた。 「い、いえ、あのー、そ、そうじの週末なんですが」 「ええーっ?そんなの土曜だけでやっちゃってさ、日曜は空けてよっ」 強引だ。 週末の天気予報だと、28度くらいまで気温が上がって好天だというので、うちだけでなく、ゆみさん・ゆきさん及びその相方を一同に集めようというみつこさんの魂胆だった。 うちは特にみつこさん夫婦とはウマが合い、その機会を虎視眈々と狙っているのではあるが、2日前のお誘いだとちときつい。 実は次の土曜から1週間、私はまた一人で京都に帰らなければならない。 なのでその前に家の中を片付けておきたかったのだ。 うーん、しかたがない… 土曜におざなりの掃除を済ませて(しかし、着ない服をかなりチャリティに持って行けたのは収穫だった)日曜の昼過ぎにみつこさんちに出かける。 みつこさんちは有数のリゾート地のほど近く。 お家自体はすんごく豪奢な一軒家、というわけではなくて、比較的立て込んでいる地区にあるが、家の中に一歩はいるといい感じのお宅。 庭もメチャクチャ広いわけではないが、少人数ならこじんまりと過ごすことができるスペースだ。 あまりにも天気が良さそうなことを天気予報で言っているので、急きょみつこさんとご主人のジョージが企画したパーティの始まり。 まあ本当のことを言えば、いつものように個人的に私とクマイチでみつこさんとジョージを訪ねて、あーだこーだと話をするほうが楽しい。 というのも、4人働いているとどうしてもその中での組み合わせもできてきて、決して年齢順というだけでもないのだが、みつこさんと私、そしてゆみさんとゆきちゃん、という感じで分かれてしまい、時々そういう組み合わせで休みの日に会ったりしてきたからだが、今度はみつこさん夫婦が気を遣って全員を呼んでくれたのだ。 みつこさんちに着いた時にはすでにゆきちゃん夫婦が来ていた。 私はゆきちゃん夫が強烈に苦手。(笑) ゆきちゃんも苦手だが毎日一緒に仕事をしているので、ゆきちゃん自身は慣れたが(爆)ゆきちゃん夫であるポール(仮名)には慣れられない。 年が若くて、属する世代が違うということもあるのだが、何を話していいかわからないのと、ここの夫婦は夫婦揃ってケチという刷り込みが私の中にできてしまっているので、共通の話題もなく、それを探す気もない。 で、なんで仮名がポールかと言えば、若年寄クサイ彼の顔を見ているとなぜかポール・マッカートニーを思い出し、それだけで胸クソが悪くなるからなのであった。 幸いなことにこの2人はその後、用事があるらしく、しばらく挨拶して世間話(く、くるしい)だけをして帰って行った。らっきー♪ 私たちが到着してからしばらくしてゆみさん&ご主人のケン、登場。 ケンはなかなかおもしろい人で、見た目は非常に大人しくて折り目正しく見えるのに(いや、実際にそうなのだ)ことサッカーとなると目から鼻から火噴きまくりで観戦するらしく、ゆみさんは「私は本当にサッカー・ウィドウ(未亡人)なんです」といつも会社でこぼすのだ。 ケンとこうして時々会っても、実に丁寧な人で、家でテレビを見ながら常軌を逸するような応援のしかたをする人には見えないのだがとても不思議だ。 そしてそこに時々みつこさんとジョージ宅の近所のご夫婦が何組か訪れ、しばし飲み食いに参加して帰って行ったりする。 みつこさんとジョージの話から、そのご近所というのはまともな同年代くらいのご夫婦が多いようで、普段からかなり親しくしているとは聞いていたが、ホントに「隣りからちょっとのぞきに来ましたぁ」というきさくさで、感じのいい人たちだった。 結局、気温は30度を軽く超えていた。 みつこさんちの裏庭に出したちゃぶ台2つの上にタイチキンのローストやラム、散らし寿司やサラダ、そして飲み物をいろいろ並べ、ひとしきり食べた後、みつこさん夫婦、ゆみさん夫婦、私たち夫婦の3組でいろんな話をする。 先日届いた銀行を語った精巧なフィッシングメールの話だとか、ジョージがイギリスのテレビで、比叡山の酒井大阿闍梨の千日回峰行の取材を見て感動した話だとか(日本人でも若い人はこんなこと知らんだろうが)、東洋の文化が好きなジョージに「チャングムの誓い」という韓国の宮廷時代劇にハマった話とか(笑)、人間にとって音と匂いとというものは、その瞬間にいた場所・やっていたこと・自分の当時の背景といかに密接に結びついて、記憶を一瞬にして呼び覚ます力があるものかという話だとか…なんだか縦横無尽にいろいろな話に派生してしまった。 最初にみつこさんちに着いた時の、真上からの直射日光がだんだん穏やかなものに変わっていき、そのうちに好天のまま夕暮れに向かっていく。 ジョージがこの間からまたクマイチにギターを教えてほしいと言っていたことから、クマイチはかねて持参のギターと機材をセッティングし、Cubaseで出したフレーズを中心に2人で掛け合いで練習したり、そこに加わったギター初心者のケンもクマイチがそのレベルで弾き方を教えたり、いつまでも裏庭でぺんぺんとギターの音が響いてきた。 ジョージは普段は弾いていないとは言え、ひとたびギターを持つとかなり弾けるクチだ。 なので、最後はジョージとクマイチとでブルースを合奏していたのだが、あれなら近所に聴こえても迷惑にならないだろうという感じ。 (事実、今朝になってジョージは隣りの人から「昨夜はギターが聴こえてたから、うちも夕食は裏庭でそれを聴きながら食べたんだ」と言われたそうだ) みつこさんとゆみさんと私は、それをバックに聴きながら「なんかサマーコンサートみたいだねぇ」と言いながら、お菓子の話だとかペットの話で盛り上がっていた。 今日朝も出勤が早かったので、夜の10時頃には2人にお礼を言ってみつこさんちを後にしたのだが、まだうっすら赤みが残る空の方向を家路に急ぎ、長い夏の一日を堪能したのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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