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ちゃと・まっし～ぐ～ら～！

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[美容と健康] カテゴリの記事

全21件 (21件中 1-21件目)

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今日は宣伝（爆）

気を抜くと1日・2日とすぐに日記が抜けてしまう。今月はちょっと正念場なので、家にいる時間よりも会社にいる時間のほうが長い。なので今日は短く。さて、先日、実はわれら夫婦はビリーズブートキャンプをこっそり1月から続けているということを書いたのだが、それはそれとして私は運動後～入浴後、こういうものにはまっている。酢のドリンク。（濃縮してあるやつね）ミツカン梅はちみつ黒酢(国産玄米100%) 500mlそれとかミツカンバーモントはちみつりんご酢 500mlこれとか、あとミツカンブルーベリー黒酢 500mlまあ私が思う飲み易さの順序はりんご酢→梅はちみつ→ブルーベリーかな。なんせブルーベリーはそのへんにこぼすと落ちないような気がするので結構気を遣う。但し、なんとなく目によさそうなので、一石二鳥のような気もするがいちばん強烈な気がする。ビリーデイはかなり運動量が激しいし、体に溜まるといわれる乳酸を酢が分解してくれるというので、好んで飲んでいるのだが、時々逆流してくることがあり（笑）窒息しそうになる時があって注意しなきゃなとは思う。それと、うち2人はアルコールは飲まないから、こういう酢のドリンクを買っておいてもいいのだが、時々、日に何度も飲むことがあり、結構これも高くつくので調節しながら飲まなければ･･･それから、前後してしまうのだが、ビリー開始前にはアクエリアスのアクティブ・ダイエット。これを先に飲んでおくと、飲んでしばらくで汗が出そうな感じになってくるので、それからビリーをおもむろに始めるのだが、いやー、そりゃもう汗がよく出ます。でも、最初は脂肪燃焼にはカテキンがよく効くということだったので、こっちのヘルシア系2種のどちらかを飲んでから運動していたのだが、どうもアクエリアスのアクティブダイエットのほうが汗が出易いし値段も安くてコスパがよろしい。あ、そうそう。私はもともとコーラでもなんでも「ダイエットなんちゃら」とか「ローカロリーなんちゃら」がキライなので、最初にお勧めしたりんご酢でも、これはダメ。最初は「ダイエット」という名前に惹かれたのだが、一発で間違いだとわかった。要するにこれは、痩せる力がものすごいわけではなくて、いわゆるダイエット飲料系の突き抜けない味なのだ。これが好きな人もいるかもしれないが、私にはダメでした。

2008年03月12日

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失敗してる？

はーい、今日も仕事でした。ホントにこの2ヶ月くらい（？）まあ、あまり思い出したくないんだけれども、週末で土日続けて休んだことがない。この間も書いたように人不足だし、新しい人を採用はしたが、その中の一人が急に介護の必要があって郷里に帰ってしまったりして、ホントに人を定着させるのは難しい。誰かが辞めると、その分の穴埋めをしている人たちが、どこかで線が切れて「やーめた」と言われると困るので、ついつい自分が少しでも手伝ってしまおうと思う。もちろん本来の自分の仕事は遅れる･･･今日も今日とて、久々に土日休めるかと思ったら、病人が出てしまったので金曜の段階であきらめて出勤することにしていた。まあ、そういう話はおいといて、だ。この間ちょっと書いていたビリーズ・ブートキャンプ、結構飽きっぽい私でも続いている。最初、このDVDが最初に家に着いた時、動画に合わせてなまくらに体を動かしている最中に「ちょっと待ってぇ～～～、これ、やるの？」って感じで、半分もついていっていないのに体が痛くてガタガタになった。やばいぞ、これ。そうは思ったが、これを続けないと、この2年ほどでついた脂肪の塊はどうしようもないことは頭ではわかっている。仕方ない。他に楽して痩せたりできないし、DVDの箱の中のインストラクションに従って2日に1回、55分間の修行だと思って続けることにした。最初の頃は「ああ～、ちょっと休まんとムリ･･･」というところで立ち止まって、というか足踏みして拍子だけ取っていたし、ビリーバンドなんて使うのはとてもムリ！という感じだったのに、続けているうちに、最初の頃はこのへんで小休止していたという部分でも休まずに続けられるようになったし、ビリーバンドで負荷をかけた運動もできるようになった。どうやら腹筋はかなり強いのか、クマイチがDVDを見ながら休んでいる部分も私は休まずにやれるようになった。がしかし。成果が著しく出ているのは私ではなくてクマイチなのだ。以前は、クマイチの腹回りを冗談で触るとつまみどころ満載だったのが、このところなんだか淋しくなってきている上、この間なんかクマイチのわき腹を触っていたらほねホネしていたのでかなりショックを受けた。は？私ですか？ぜんぜん変わりません、てか一段とビッグになっていて、ぜんぜん話が違うのだ。そりゃまー、食べるものもおいしいし、カロリーのこともぜんぜん考えていないし、しょうがないっちゃーしょうがないのだが、彼と同じもの食べていて同じ運動していて、どうして私だけ大きくなるかね。絶対こんなんで「私、ビリーやってます」って言ったって誰も信じてくれそうにない。だから言わない。ここだけの話だ。

2008年03月09日

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鼻先

これからしばらくの間はなかなか度を据えた日記は書きづらくなる。なんとなく今までは、周りを見回しているとなーにーかーネタが見つかることが多かったが、とにかく気持ちに余裕がない。叫んで道をたーっと走り出しそうになる。ということでホント、皆さんが丁寧にお立ち寄り下さるのとは裏腹に不義理が長らく続いている毎日で申し訳ありません。3ヶ月も経てば落ち着くのかもしれませんが、人生の岐路をまた迎えているこの時には、さすがのヨソミ魔の私もヨソミ度ガタ落ちというところです。さて、なんでかわからないのだが、このところえらく鼻先が痒い。ついこの間までは左の鼻の小鼻のところが痒くて痒くて、鼻の入り口の直径5mmくらいのところがいつも赤かった。掻いてはガマン、ガマンしていると皮膚がちょっと固くなるのが違和感があってまた掻く、という悪循環で、思えば3月くらいから4ヶ月ほど続いてしまった。やっとそれが治ったと思ったら今度は鼻のてっぺんだ。日に1～2回、痒くなるので困っている。むず痒いのでちょっとツメを立てると表皮がめくれるし、オ○ナインとかメン●レを塗ってガマンするのだが、表皮が回復し出すとやっぱりそこが少し固くなるのでそれがまた気になる。明日はお客のところに行かないといけないのに、いい年してこんな赤い鼻をして行かなければいけないのかー。

2007年08月22日

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V-O-L-C-A-Z-O-N-E

相変わらずの体調で、とにかく咳が出るので苦しい。おかげで1kg痩せた。（爆）クマイチは昨日、もともとの病院の予約があって（注.半年ほど前から予約してます、これ）午前中の半日出社で、午後に病院行き。最近はあまり風邪をひかなかったので、風邪薬がなくて、クマイチご愛用のシロップの薬を飲んでいたが効かない。発熱もほとんどないし頭痛もないし、問題は咳と痰だけ（キタナくてすみません）クマイチが外から会社に電話してきてくれて、薬局で聞いて薬を買ってくるからと症状を確認してきた。「とにかく咳。喉が乾燥すると発作みたいに出ることもあって、今朝も電車の中で困った」「咳ね、はいはい。それで？」「それと痰」「痰って英語でなんていうんだっけ」「SputumとかPhlegmとか」「･･･（何かに書きとめている様子のクマイチ）」キタナイので読まないほうがいいです。（それでもという方は要反転）「でね、それがくすんだ緑で粘性があって･･･」「いらんっ、そこまでいらんっ」詳しいほうがいいかと思ったら、さすがに汚すぎたのか聞いてもらえなかったが、これでもムリして声出してしゃべってんだっと言いたかった。その後、またクマイチから電話があった。「薬局で症状を言ったら、ずばり『それならボルカゾーン』だって。書いてもらったんだけど、そこじゃ売り切れててね、近くのところ教えてもらったら、そこにもなかった」「どんな字？」→後でネットで調べるつもり「V-O-L-C-A-Z-O-N-E」火山のことをVOLCANOというから、火山のように炎症を起こしている部位に効く薬なのかもしれない。そして、その名前でどんな薬なのか検索してみた。･･･それ、ちゃうやん。クマイチが電話で言った通り「VOLCAZONE」という名前を入れてみたら、それらしいのが出てきたのでこれかと思って、赤いハコの写真を眺めていたら「VOCALZONE」と書かれている。慌ててクマイチに携帯電話のSMSで「NOT VOLCAZONE BUT VOCALZONE」と送った。家に帰るとクマイチがその薬を買ってきてくれていた。メッセージが届いたようで、ちゃんと写真で見た赤いハコの「VOCALZONE」という薬だったが、クマイチは「薬局の人がそう書いてたんだもーん」と釈明。しかし、はっきりいって、コレ、薬じゃない。（笑）2時間ごとに1粒、口の中に入れて舐めていればいいだけだが（でも飴ではない）どういう時に効くかという部分に書かれていたのは「しゃべり過ぎ、歌い過ぎ、タバコ吸い過ぎの時の喉の緩和」しゃべり過ぎ･･･しゃべってないぞ歌い過ぎ･･･歌ってないぞ、もぉ、まったくタバコ吸い過ぎ･･･11ヶ月やめてます効くんか、こんなんと思っていたら、申し訳程度に「風邪の時とかにも･･･」と書いてある。今朝になってちょっと声が戻ってきた。この「VOCALZONE」の効果なのか？（爆）しかし全体的にはまだちょっと苦しい感じ。明日は一人出勤だし、治さないと。

2007年05月25日

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ちょっと風邪ぎみかも･･･

そういえばなんとなく先週から朝、おなかの具合が本調子ではなかったような。そのうち、口の中（正確には左の喉の近く）に口内炎ができて、そのうちにおなかの具合はまあまあ治ったけれども、どうも昨日の夜から喉ががさがさしてきて声が出にくくなってきた。明日は公休なんだけれども行くところがあるし･･･というか、この用事があるから公休を水曜から火曜に変えたんだけど。夜もあんまり食欲がないし（喉が痛いので、何かモノが通りにくいような感じがする）さっき、クマイチご愛用の風邪用シロップを飲んだ。飲め、と強要された。ぐだぐだ書いていないで寝よう･･･

2007年05月22日

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痙攣

やはり長期で休んでいたツケが回ってきている･･･と言うわけでもないのかもしれないが、今日はがぜん忙しかった。一昨日の月曜の夜に気づいたのだが、ちょっと突っ込んで父や母のことを考えて口に出したりすると、左の目の下がしばらくの時間、痙攣してしまうようになった。その時は30分ほどしたら症状は消えていたが、昨日は会社にいる間、同僚との話の中で母のことに（今、私がこっちに戻ってまた一人になったので大変だと思うという話）話が及んだら、途端にまた左の目の下の痙攣がやはり30分ほど･･･そして今日はみつこさんと、やっぱり父の話になってしまったのだが、10分ほどまた痙攣。精神的ストレスと体への発症というのは本当に紙一重の境目なのだと思う。

2007年04月12日

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みつこさんの写真

みつこさんが今日「ちゃとさん、若い時の写真、持ってきたの。見る？」と言った。「ひえぇ～～、見ます見ます、ってか見せて下さいっ」こんなことまで一致するなんて喜べない限りなのだが、年末にうちの父がアキレス腱を切った日、みつこさんの実家のお母さんが大腿骨を骨折していた。（爆）そういうわけで、それぞれの親がそれぞれの場所で緊急手術となり、それぞれの病院で入院加療という不名誉を託ったわけだが、このことがあって、みつこさんは私が先日帰省するより1ヶ月早く、やはりお母さんの様子を見に、単身で帰省していた。その直前にみつこさんは、ゆみさんと話していた時に「みつこさんの前の写真ってあります？」と言うような話になったようで、みつこさんは「持ってくるわね」と言っていたことが確かにあった。思わずかぶりつくように、みつこさんが取り出した3枚の写真を見る。大学時代のみつこさん。か、かわいい･･･みつこさんは実際のところ、私より7つ8つは上で、確かにそういう年齢かと言われればそうなのかと思うが、言動がぜんぜんオバサンではない。だから、今、リアルタイムでのみつこさんも年齢不詳なところがある人なのだが、写真の中のみつこさんはさらに若いっ。若いだけでなくてまー、お顔が小さいこと。（いや、今も小さい）思い切りフューシャピンクの口紅をつけて友達とポーズを取っているみつこさんだったが、きれいというよりもかわいいと言うほうが正確だ。「いや、もうマジでかわいいっすよ･･･昔からと言っていいのか･･･いや、説明するのが難しいんですが、今も本当に変わらないですね」と正直な気持ちを言った。こういう時の表現は難しい。本当のことを言えば、写真のみつこさんと今のみつこさんではメイクのしかたが違うだけで、そんなに変わらない。要するに彼女はぜんぜん老け込んでいない。この写真を持ってきたみつこさん自身が「若い時はキレイにしてたのよ」と言いたい気持ちが強いなら「おっしゃる通りですね」と言えばいいが、私自身は、変わらないみつこさんに圧倒されたのが本当のところだった。いや、変わらないというよりも、そりゃ確かに加齢がないとは言えないが、そこにみつこさんのみつこさんたる所以としての人間味や余裕があるのだ。みつこさんいわく「この時までね、3年くらいも失恋で落ち込んでいてボロボロだったのよね」とのこと。それがある日、一念発起して「こんなことじゃダメだ、キレイにしなきゃ」と思って努力してみたのがその写真の頃だったのだそうだ。自分のことを考えてみると恐ろしい。私は自分で思うところ、いちばんマシ（というか、まあ見られるたたずまい）なのが今、なのだ。（爆）それでもここ5年くらいは徐々に体重も増えてきたし、着られなくなった服もいくつか出てきたのも事実なのだが、とにかく私の20代はすごかった。今、思い起こすのも怖いくらいで＊とにかく洋服のセンスがごっつ悪かった、今以上に悪かった（今だったら、そういうふうに着てみろと言われてもお断りのコーディネートばかり）＊メイクや手入れということにほぼ興味がなかった（私の顔なんて、回りの誰かが必要があれば見るだけのもので、そういう人たちが私をどう見ようと知ったこっちゃないと思っていた）･･･と、こんな感じ。いや、服装については無頓着なわけではなかったはずなのに、今、写真なんかで見返してみると、これ以上はもうカンベンしてくれというセンス。だから、見せてくれと言われても、みつこさんみたいに「はい、これが若い時の写真よ」といって昔の写真を軽々しく見せるわけには絶対にいかず、一応、夫婦の特権（いや、災難かも）で、20代の頃の写真を見ているのはクマイチだけだ。それにしても、みつこさんの、今なおほとばしるような若さと精神的な弾力とかわいらしさにはひたすら恐れ入ったのであった。

2007年03月16日

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いきなり切除

どうもご無沙汰しておりまする･･･（汗）いや、別に日本から昨日や今日こっちに戻ってきたわけではないが、なんとなく日本にいた間は忙しくてPCをだらだら使っているヒマもなかったし、こっちに戻ってきたら戻ってきたで考えることもいろいろあったし、かといってそういう「考えること」というのもここで書いてどうなるということでもない単なる逡巡の再確認にしかならない、と思ったので、あえて日記からは遠ざかっていた。それにしても寒かったわ～～～、日本。あれからもそういう寒さがまだ続いているかどうか知らないが、とにかく、冬支度で関空に降り立った4日の日曜の午後だけは暑くて暑くて、持ち帰った洋服たちの失敗を一度は呪ったものの、翌日月曜（一日、外には出ず）をおいて次の火曜からの寒いこと、寒いこと。結局、私は日本で鼻風邪をひき、久々に日本の売薬のお世話になった。あまりにも鼻水がよく出るので、いわゆるこれが花粉症なのかともふと思ったが、別にくしゃみが出るわけではなく目元がシバシバしたり涙が出たりするわけでもなく、ちょっと熱っぽかったので、まあ軽い風邪だろうという感じだった。さて、日本の話はちょっとまあ置いておく。必ず「その日やったこと」を日記に書くのではしんどくなる。今日、病院に行ってきた。なんと顔のホクロをいきなり切り取ってきたのだ。ちょっとこの間から、ずっと痛痒い感じが続いていた。放っておけばそれなりに治まったのかもしれないが、表情筋の上にあるホクロなので、顔の動きによって違和感が発生し、そうするとやっぱり触ってしまうことが多くなっていた。その分、少しずつ大きくもなってきていたのだと思う。この間、打った脚を診てもらいに行ったクリニックから、専門医のいる病院を紹介してもらって行ってきたのが今日のこと。先生に診てもらう前から、だいたいどんな方向の話になるかの察しはついていた。要するに、ホクロが大きくなってきた・ほおばるような違和感がある・痛痒い、と言えば絶対に切り取ることになるはずだった。皮膚科の専門医の先生と初めて会い、挨拶し、症状の話をすると案の定「どうする？切ります？切ってみるまで悪性かどうかはわからないんだけど。それに恐らく悪性であることはそうめったにないから、まあ『切る』というのはサイアクの場合に備えて、という話になるけど。但し傷はやっぱりちょっとは残るから、できばえがよくなかったら形成外科を紹介するわ」と、先生。「じゃあ切って下さい。こんなものつけておいたままで悪性かそうでないか考えていても仕方ないし･･･傷も残るだろうけど、別に今から女優になりたいって言うわけでもないので」と答えると、先生は笑って「誰か相談しなくていいの？今日じゃなくてもいいのよ、でも今日はたまたまアナタの後の予約がキャンセルになったから、やるなら今すぐできるけど」と。「じゃあ、もうこのままやっちゃって下さい。また考えて予約取り直して･･･なんて考えてたら時間ばっかりかかっちゃうので」イギリスの大きな病院への通院は、去年行った緊急外来を除けば初めてだ。手術室にはいると先生と看護師が2人、そのうちの看護師の1人は実習生らしいが30代くらい。切り取る部分に部分麻酔をしてもらい（これがチクッとするのだが、なんと看護師が優しく手を握ってくれていた。爆）それから先生がおもむろに器具を出して、くだんのホクロを切り取る準備をしている･･･が、あまり正視したいとも思わないので目は閉じておく。すぐに切除が始まったようだが痛みは感じなくなっている。が、なんとなくそのホクロの部分が引っ張られている感じはする。こっちも意識はあるので、先生がいちいち説明してくれるが（そこまで詳しく説明･･･してほしいような、ほしくないような気分だ）どこまでが切除で、どこまでが縫合かも自分ではよくわからず。とにかく終始、何かそこを引っ張られている気はしたが、後半は先生が「3針縫ったからね」と言い、糸をハサミでぷちっと切っていたたので、そろそろ終わるのかという感じ。ベッドに横になって、ものの15分もかからなかったようだ。「じゃあ来週また来てもらう手配をするように秘書に言っておくから、秘書から連絡があると思うわ」と言って先生は去っていき、その後、看護師から今後の自分での日常の処置について教わる。「あ、あなた、アレルギーあったんだっけ？なんて今頃聞いてちゃいけないんだけど」と看護師は慌てているが「何もないから大丈夫」と返答。塗り薬をもらい、手術室を出てエレベータまで送ってもらって終了。クマイチに電話して、会社の近くまで言ってごはんでも食べようかと思ったが、私が今日初めてその先生に会っていきなりホクロを切ったと聞いて驚いたクマイチは「麻酔が切れて痛くなってくると困るから帰りなさい」とびびっていた。家に帰ると、朝、家を出てから帰るまでで2時間半。この間、日系のクリニックに行ってきた時よりも短時間で全部終わってしまった。残っていたうどんを温めて食べたが、ちょっとやっぱり絆創膏が貼られているおかげで、いつものようにがばっと一気にモノを食べるわけにはいかなさそうなことに気がついた。この切除痕が今後どんなふうになるかはわからないが、多少の傷は残ったとしても、結局そこにには前のホクロが鎮座していたままか、切除痕の傷に取って代わるかのどっちしかなかったのだからあまり気にはしていない。とにかく、あまりの速い展開にびびったが、イギリスの病院もヤル時はヤルんだなぁと思ったのであった。

2007年03月14日

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通院

医者に行って来た。他人に頼まれればそういう手配もするが、自分のことになると後回し。医者に行かないと、という感覚かと思っても、それをちょっと過ぎると「今から行ってもなぁ」みたいになってしまう。この間も書いたように、全身を考えると特段の不調もないのだが、先月の雪の日に電車で打ちつけた脚はまだ痛い。ちょっと鈍痛が時々するけど、まあ普通に歩けるし、私がオリンピック級の短距離走走者でもない限り、影響があるとも言えない程度。但し、いまだに2箇所がぼこっと盛り上がっていて、そのうちの1箇所は見ただけでも盛り上がっているのがわかる。クマイチに聞いてもみつこさんに聞いても「骨が折れてたら歩けないよー」と口を揃えていうので、骨は折れていないんだと思っていたが、1ヶ月も経つのに足の皮膚の下がこんなにぼこっと盛り上がっている状態というのはなんだろうと思い、代休を利用して通院。レントゲンの結果、やはり幸い骨折は見られない、と。但し、骨の外側の骨膜には神経があるし、骨折より痛くない、とは言えなかったでしょう、と先生は苦笑い。その後も先生はしばらく、まだ残っている脚の内出血部を見たりちょっと触ったりしながら、うーん･･･と言って黙った後「あの･･･いったっかったでしょ～～～、これ」と万感の思いを込めつつ、ぼそっと言った。「あ、はい、そりゃあもう痛かったです･･･マジで。生涯でいちばん我慢強いなと自分で思いました」と答えると「ケガした瞬間･･･どうしたんですか？」と先生。「そのまま電車に座ってうずくまりながら会社に行きました。乗った電車は特急だし、折り返すとしても次に止まる駅はもうかなり遠くて。なんせ雪が結構積もってたし、すでにあれだけ脚が痛いのに、帰りの道で雪でもしもコケたらもう終わりでしたし･･･会社も電車降りたらすぐですし･･･」と当時の状況を回想・釈明。以下、先生と私「うーん･･･それにしてもねぇ･･･これはまた･･･あの、気絶とか貧血とかなかったですか？いや、痛みに弱い人だったら、場所が場所だけに気絶する人、いますよ、なんせ弁慶の泣き所ですからね、ここが」「はあ、確かに痛くて気絶しそうでしたけど、会社で鎮痛剤飲んだら、わりと速く効いたのと、結構長く効果があったんで、早退せずに済んだんですよ、これが」***先生、沈黙***「それで･･･翌日とかどうでした？歩けたんですか？」「あー、なんかあんまり覚えてないんですが痛かったけど歩いてたと思います、雪も一日で解けたし、よかったです」「･･･もっと早く来ようとか思いませんでした？」「いや、とにかく打ったのは痛かったんですが、周りが『骨が折れてたら歩けないよ』っていうし、ああ、歩けるから骨は折れてないのかなと思って。それに擦り傷もまあひどかったんですけど、幸いズボンの上からだったので出血はほとんどなかったし、家に手当てするキットがちゃんとあったんですよ。だから自分でやりました」***先生、黙ってカルテにいろいろ書いている***「で、先生、このぼこっと腫れてるところはどうなりますか？」「うーん･･･まあ日にち薬、としか言えないですね。痛みが和らぐように湿布出しておきましょうか？ぜんぜん冷やしてないんですか？」「湿布は前に日本から持ってきてるのもまだ家にあるからいいんですが、先生、そんなのこれまで貼れませんでしたよ、だって傷やかさぶたがなくなったのが先週ですもん。それにウチ、このケガの直後に冷蔵庫が壊れちゃって氷もなかったんで」「（絶句）えーと、この出っ張りは湿布では引っ込みませんからね。痛みがちょっと楽になる程度で」ということで、骨折がなかったという確認以外は、先生の力点は終始「こんな痛いのをなんでまたガマンしてたんですか」に置かれていた。（爆）今もまだ歩くと、時折ずきっとするし（但し歩く時のバランスが崩れるほど急激な痛みではない）今でも椅子に座って両脚を組んだりすると血流のどくどくした感じが、痛めたほうの脚には微妙に響く。ま、骨折がなかったという確認。それだけでも行っておいてよかったさ。

2007年02月23日

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だけど快調？

自分自身、あんまりおもしろくないことを書いていると精神的にどーんと下にずり下がってしまう気がするのは確かだ。しかし、である。この2～3ヶ月くらいの間、いろんなことがあって、決して気分的には絶好調ではなかったというのに、なぜか体の調子は悪くない。というか、ひょっとするとここ数年でいちばん快調なのかもしれないとさえ思う。もともと、慢性の肩こりで、家の中のあちこちにサロ○パスが散らばっていて、いつ・どこででも貼れるように準備してあるのだが（いや、単に散らかっているだけとも言う）まずこれが要らなくなった。体がしんどい時、朝、起きた時にすでに疲れていて、キュー□ー△ールドのお世話になることもそれまではあったのに（しかし、飲んだからラクになったかといえば、別に違いも感じなかった）しばらく飲んでいない。夜は相変わらずよく眠れる。ベッドにはいって30秒だ。しかし30秒で寝てしまうのはあまりにも惜しいので、あれからもずーっと、よほど遅い日でない限りは数独の難しいやつを1つ解いたり、そこまで行かなければ途中で打ち切って睡眠に突入する。9月に痰と咳が出る風邪はひいたが、その時も問題は喉だけで終わり、熱も頭痛もなかったし、あれ以降は風邪気味ということもまったくなし。まあ、10月に指詰めたし（爆）1月には食あたりがあったし、ぶっこけたというトラブルはあったが、そういう偶発的なもの以外はすこぶる快調という気がする。去年の6月でタバコをやめて、その後、夫婦で太ったことも書いた。暖冬とは言え、やはり冬だし、わざわざ仕事の後で外に出て歩くのも億劫で運動不足にはなっている。本当は運動がいちばんだとはわかっているが、それをしないならせめて食べることで気をつけようと、行きつけの中華の食材店で棒寒天を買ってきてストックしておき、インスタントコーヒーを使って作ったコーヒー寒天を食べている。一応、シロップとコンデンスミルクを買ってきてあるが、その時の気分でちょっと甘い目にしたり控えめにしたりで、コーヒー寒天というか、まあこうなればコーヒーゼリーである。本当はヨーグルト寒天や牛乳寒天のほうに、より気持ちが惹かれるのだが、インスタントコーヒーなら、寒天液が沸騰している段階で入れてしまえるのが楽。ヨーグルトや牛乳だと、寒天液の冷め加減をよーく見ながら混ぜないと、ヘタな固まり加減になってしまうので、最近はもっぱらコーヒー寒天。いろいろなウェブサイトには、繊維質が多いからお腹が快調になると書かれているが、私の場合はお腹にもともと問題がないので、寒天がものすごくいいのかというと、それもよくわからない。但し、当初はいったいどれくらい体重が増えるのかとびびりまくったが、どうもここへきて落ち着いたようで、結局はタバコをやめる前と比べて1kg半程度の増、というところか。普通はタバコをやめて太る分の体重＝本来、タバコを吸わなかった場合にあるべき姿の体重、と何かで読んだので、自分に都合がいいように、それが1kg半だったという解釈にしておく。禁煙の日から一本もタバコには手をつけていないし吸いたくもならないし、こんなに理想的なやめ方ができたのは不幸中の幸いだとも言える。しかし、タバコをやめて出てくる弊害の一つに、歯茎からの出血があった。タバコをやめて2ヶ月くらいで、私もクマイチも歯茎からよく出血するようになったことに気がつき、調べると、本来の原因としては歯周病。（汗）ただ、それまではタバコのせいで血液の循環が悪かったから出血もそんなにしなかったというのが実際のところだった。実は歯医者には絶対に行かないといけないと思っていた。このところはあんまり感じなかったが、ひと頃は歯の調子が悪い気がしていたが、実は歯医者恐怖症。（笑）別に歯医者でイヤな思いをしたとかトラウマチックな目に遭ったというわけではないが、やっぱりあのドリルの音と感覚がどうもダメで、日本にいた頃に虫歯を全部治してからは、イギリスでは一度も歯医者に行ったことがなかった。信用できるかどうかわからないし（爆）とにかく怖い･･･「痛かったら手を上げて」と言われて、痛くて手を上げたら「もう少しだから我慢して」などと言われたら、その場で卒倒するだろう。この間、クマイチがどうも親知らずが痛いということもあり、自分が歯医者を探して予約したのをしおに、付き合いがてら、とうとう自分も歯医者に行くことにした。先日、みつこさんも、長らくのご無沙汰の後、こりゃあダメだと思って歯医者に行ったら、結構状態がひどくて結局インプラントにしなければいけなくなったそう。お金も大変とみつこさんがしょげていたのを見たので、自分もあれから虫歯が悪化していて、もしもそんなことになったらどうしようとずっと心配だった。歯医者でも普通のお医者さんでもそうだが、行かない理由の一つとして「ヤなことを言われたらイヤだから」というのがある。本末転倒なのだが、実際にそうなのだからしかたがない。その歯医者・イギリス出ビューが先日の土曜日。初めて行ったところで、先生ももちろん初対面だが、最初に「先生、すみませんが私は歯医者さんっていうのがとても怖いんです。怖くて怖くて10年通っていませんのでチェックアップもしていません」と言ったら「いやなことでもありましたか」と言われたが「別にありませんがあのドリルの音が･･･」と答えたら笑われた。しかし、その結果、やはりこれまで治療していた部分については、レントゲンで確認しても悪化はぜんぜん無し。3年ほど前に、奥歯の結構大きな詰め物が取れてしまって、それも放置していたのだが「それが取れた後の噛み合わせもなんだかきちっと上下があっているので、新たな詰め物はしなくていいよ、したければしてもいいけど」と。あれもこれも勧められてしまうのではないかと心配していたが、杞憂に終わる。2箇所ほど、小さくへこんでいる部分があるので、よかったらそこを詰めておこうかということになり、4月に1度だけ通院したらもう終わりらしい。よかった～～～。私にしたら、これまで10年近く延ばし延ばしにしていた歯医者にやっと行けて、今年になってからの快挙だと言える。それと、私はぜんぜん意識したことがなかったのだが、親知らずというやつ。私はずーーーっと親知らずというのはアンラッキーな人に生えてしまうものだと思っていたのだが、これって基本的には生えている人のほうが大多数だったのね。実はうちの両親には親知らずはないし、私にもないし、弟も親知らずがどうとかいうような話は聞いたことがなかった。日本で勤めていた時も、同僚がみんな「親知らずが痛くて」と言って歯医者に行っては過激に抜かれ、顔を腫らして職場に戻ってきていたので「親知らずって大変なんだな」と思っていたら、つい最近になって親知らずが少数派や例外的パターンでないことを知った。ま、精神的にはいろいろと考えることも決して少なくないが、そのわりにはそういう状況が体調にはほとんど影響していないということだけははっきりしているので、感謝しなければいけないと思う。できるだけこれを維持していきたい。

2007年02月20日

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告白、そして達観

こうなるともう隠せない。隠せないが、皆さんはもともと私を知らないので（大半の人は、という意味）まあいいのだが･･･太った･･･由々しき事態だ。今朝まで気づかなかったわけではない。この間から、ダメだなぁ～、キテるなぁ～とはずっと思っていた。今朝、それが決定的になったのは、去年買った別珍のおずぼんが自分にほぼちょうどになっていたこと。そのおずぼんは去年、いつもよく行くスーパーで安かったから買った。しかし、サイズの数字だけ見て、試着せずに買ったもので、実際に穿いてみるとベルトなしでは穿けなかった。ベルトを締めてもベルトの下からおずぼんの端がずれてはみ出るような（自分の体格に比べてそれだけおずぼんの腰周りが余っていたから）感じだったのだ。「なんか、試着しないでサイズだけ見て買ったら大きかったんだよねー」と会社でぶつぶつ言っていると、みんなが「買った次の週なら取り替えてくれるから、お店にもう一回行ってみたら」と言ってくれたのだが、れはそれで面倒くさくて行かずじまいになった。というようないわくつきのおずぼんだったため、よっぽど穿くものがない日以外は穿かないという低頻度のアイテムだったこともあって存在自体を忘れていたのだが、今朝それを箪笥の中で見つけ、おお、こんなのがあったと思った。今週からちょうど寒くなってきて、今日はさらに冷え込むらしい。とりあえず、その別珍おずぼんを穿いてみたら、なんと、そんなにギシギシとベルトで締め上げなくても落ちないほど･･･自分が成長していた（爆）そのことに愕然とし、ショックのあまり、結局そのおずぼんを今日穿いていくのはやめたほどだ。（泣）この成長ぶりの原因の最たるものは、まあ相も変わらずばくばく食べることにあるのは間違いない。しかし、それと同時に、やっぱりタバコをやめたのが同じくらい大きな原因になっている気がする。世間一般には「タバコをやめると太る」と言われてはいるが、モノの本には「それはタバコをやめたら太るのではなく、それはタバコを吸っていなかった場合に本来あるべき体重」だと書かれていたのも覚えている。なので、タバコをやめた時も「本当はそれだけあったはずの体重」になるわけだから、ある程度の体重増は割り切らなければと思っていたし、体重キープのためにタバコを吸い続けるなんてというのは本末転倒。ちょっと横道に逸れるが、禁煙自体は大成功。タバコをやめた後も潜在意識のどこかで吸いたい気持ちが皆無ではないと見えて、何度か夢でタバコに火をつけそうな（でも不思議なことにそこでも実際には吸っていない）シーンが夢に出ては来ていたが、実生活では、禁煙した日から一度もタバコを吸いたいとは思わず、今や自分がタバコを吸っていた日があったという事実が不思議に思えてくるほどだ。ということで、哀しや中年女の腰つき・腹回り。（爆）これまで私は結構フィットする服を着ることも多かったし、もともとはどんなに食べても体重が変わらなかったので、1度服を買うと平均して5～6年はしっかり着られたのだが、それが今年になって「これ･･･もうアカン」ってやつが増えたことは認めざるを得ない。実は今朝、前述の別珍おずぼんとは別の、日本時代からずーっと穿いていた仕事用おずぼんがとうとうダメになったことを知った。きちっとたたんでブツに一礼。「今までありがとね」と言ってゴミ箱の中に入れた。実に不経済だ。でも、だからといって、もうダイエットするのはイヤなのだ。楽しくない。去年の今頃、ちょうどダイエットに勤しんで、春雨中心のメニューにしたり（それはそれでおいしかったのだが）粉寒天をインスタントコーヒーに溶かして飲んだり（でも、これは中途半端に膨らんだ寒天の粉が喉にひっかかる。げぇ）人生で初めてダイエット経験をしてみて、それなりに効果はあったのだが、やっぱりおもしろくない。結局私は、食べたいものを食べたい量、食べたいのだと実感した。聞くところによると「イギリス男性から見た理想的な女性は身長163cm、体重63km」だそうだから、こうなったらもう開き直って、この基準さえ超えなければいいと思って生きていくか･･･ま、いいや。今から誰かに振り向いてもらいたいわけじゃなし、

2006年11月04日

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なんだか納得

世の中には、誰かからそう聞いた言葉に、深い理由もないのに納得してしまうことがある。ほら、この時期以降になってくると世間でよく聞くやつ。「風邪ひいてさ～、熱があってだるい上に、今年の風邪はお腹に来るみたいで、お腹も具合悪いねん」「そうそう、なんか今年の風邪はお腹に来るんやってー」･･･ほんまかいな。ハタでこういう会話を聞いていると、この会話って実に無責任ではあるが、話している両者の間では納得・完結していることに気づく。今年の風邪はお腹にくるみたい、てなことを私たちはよく言う。言われたほうも別に「根拠を示せ」とは言わない。（笑）別に根拠もないけれども、たぶんそうなんだろうなと思って実際に納得したり、逆らう理由もないので納得したふりをする。処世術というだけでもないが、何か他人から「これはこうらしい」と言ってもらうと、なんとなくそんなような気がする、とか、自分の忘れていたような経験だとか意識下の気持ちから「あ、そうだったかも」と思ったり。人からそう言ってもらうと、自信を持ったり納得してしまう時がよくある。かつて日本で仕事をしていた時、よく海外旅行の説明会に行かされた。その旅行に申し込んだ人や、これから参加を検討している人相手にスケジュールだとか現地事情だとかを説明する。必ず出てくる質問に「現地の気候はどんな程度ですか？どんな服装をしていけばいいですか？」というのがある。その説明会の中身である旅行先はいろいろだし、旅行の時期もいろいろ。説明会では、真冬のヨーロッパツアーを売らなければいけない場合もあれば、雨季のアジア行きを売らなければいけない場合もあるというのに、説明してあげるパターンは決まっていた。「そうですねぇ、現地は日本に比べると意外に一日の寒暖差が激しいので、できれば下着やTシャツの上に、ブラウスやスポーツシャツやカーディガンかセーター、そして動き易さを考えてお尻丈のジャケットでもあれば、暑ければ脱ぐ・寒ければ着る、ということができて便利ですよ」「寒いところへ行く時には分コートやダウンジャケット、といった厚手の上着に頼って防寒を考えるよりも、まずは空気や熱を逃がさない下着を着るようにして、薄手のものを何枚か重ね着して空気の層を作って保温すること。そして、いちばん上に厚手のジャケットを着ましょう。ロングコートだとか毛皮だとかは動きにくいですよ」「東南アジアだと年間暑いと思いがちですが、ホテルやレストランといった場所だとサービスの一環として冷房をがんがんに効かせていますので、特に雨季で雨に遭って駆け込んだようなそういう場所で風邪をひくことが多いです。汗や雨で濡れたら吹ける程度のタオルや、寒いなと思ったらすぐに羽織れるものを必ずバッグに入れておきましょう」上の3つをとっかえひっかえ使って説明すると、どんな説明会にでもまず使える。会場を見回す。･･･丁寧にメモしている人がいますね、ありがとう。（と心の中でつぶやく）さて、この3つの説明、ゼンゼンたいしたことは言っていない。それどころか、こんなことなら誰でも言える。でも、誰かにそう言ってもらうと、何かリアシュアしてもらった気になる、というところは人間のラブリーな部分だと思う。しかし、今回私は確信したことがあった。今年の風邪は喉に来るこの間、ええと正式には9月15日の金曜から突然、喉の調子が悪くなったのだが、咳は出るわ痰はからむわ、喉の痛みはそれほどでもないのに声が出ないわ、という症状はまるまる2週間続いた。その間、別に鼻水が出るわけでもなければ頭痛も体のだるさや熱もないし、喉だけが不調でどうしようもなかったが、2週間経って次の週末になって普通に声は出るようになったが、まだなんとなく上気道がおかしい気がしている。すると、実はこれ自体ももう先々週からのことになるが、今度はゆきちゃんが私とまーったく同じ症状になってしまったのだ。彼女は「ちゃとさんからうつったんじゃないです、実は甥っ子が来ていて、すごい風邪をひいていたのに結構なついてくるもので抱き上げたりかまったり大変だったので甥っ子の風邪だと思います」とは言っていたが、週明けは熱で体の節々が痛くなったかと思うと、その後、喉の不快感が始まり、彼女も熱や体の痛みはすぐになくなったというのに、この咳と痰がすでに10日間続いている。その上、毎年この時期になるとよくパリあたりにいる複数のお客さんから胃腸風邪の症状で電話がはいってくるにも関わらず、今年は不調のお客さんの第一声が必ず「1週間ほど前から咳が続いています」なのだ。聞いてみると、やっぱり熱や頭痛はないという人が例年に比べると格段に多い。さっき、実家のおかんに電話したら「先週の週末から咳が出てきて、体はしんどくないけど痰が出てねぇ」と言っていた！確信した。いつもの「今年の風邪は○○に来るらしいよ～」という「今年の風邪」今年の風邪はゼッタイ、喉！それも咳と痰。楽友の悠々せんせがなんとおっしゃろうと構わない（爆）ともかく皆様もお気をつけ下さい。

2006年10月14日

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回復途上

昨日書いた怪我の件で「いたそー」「思わず読み飛ばした」皆さん、ごめんなさい。今、自分で読んでもそんなに痛そうな記述とは思えないので、皆さんのご感想がちょっと意外で、はい。最近落ち込んでいた私をなぐさめるために文章力アリなどと、ちょこっと持ち上げて下さったのかどうだったのかわかりませんが、おかげさまで、実は思っていたよりも回復が速くて自分でびっくりしています。昨日、病院からもらったのは「JELONET」と書かれている、薬がついたすっごく目の粗い（めちゃくちゃ粗い！こんなんでええんかというくらい粗くて、サムライアリでも網目を通りそうなくらい粗い）ガーゼのみ。先生がめくれた皮膚をピンセットで剥がしてしまった後、先生はこのJELONETを爪の生え際の傷口を覆うくらいの面積にハサミで2枚カットして傷口の上に貼り、その上にガーゼを乗せて絆創膏で指全体を固定してくれた。夜になって、一度このJELONETを交換しようと思ってゆーっくりと剥がす。ライターで先を焼いてインスタント殺菌したハサミを使い、先生がやったのと同じような形で、もらってきた残りのJELONETを切って傷口に2枚置いたが、うちにはガーゼも包帯もないので、仕方なくバン○エイドで固定･･･うーん、ちょっと幅がぎりぎりでヤバいかなという感じ。それからしばらくしているとバンド○イドの表面から何かが滲み出してくるのがわかる。ひょっとすると薬剤かもしれないし、傷口からの滲出液かもしれないが、何度も貼り換えないほうがいいかなと思い、ティッシュをたたんでバンドエ○ドの上から巻いて軽く輪ゴムで止めた。朝になってみると、ぺたぺたしていたバンドエイ○の表面も乾いているし、その上、昨日の受傷直後のじんじん・どくどくした感じもなくなっている。クマイチに、帰りに薬局で症状を説明して何か買ってきてと頼んだら、やはり薬局も「他の軟膏とか使うよりもJELONETがいいよ」と言ったようで、ガーゼとJELONETを買ったとさっき電話があった。いやー、でも本当にこれくらいで済んでよかったよ･･･今はまだちょっとお風呂に左手は浸けられないし、ゴハンの用意もクマイチ任せだし（スミマセン）迷惑をかけているとは思うが、骨に異常があったわけでもなければ、悠々さんが言うように縫合が必要だったわけでもないし･･･気をつけます。

2006年10月02日

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「ひとりプロジェクト」（5）

そして、話は今回で終結。私がこの本を読んで「ヘンな気持ち」になってタバコから遠ざかってしまってから、興味本位でこの本を手にとって見ていたクマイチも、気がつくとタバコを吸わなくなっていた。以前は「じゃあ禁煙すっか」と2人で声をかけてやっていたが、すぐに挫折。それも私のほうが挫折は早く、そこまで早く挫折するくらいなら、最初から禁煙なんて言うな、というくらいさっさと挫折した。なので、クマイチは、私が「今日で何日目」などと言うと、ふふんと人を小ばかにしたような顔をしていた。（一生忘れんぞ、クマイチめ）あれは、私がタバコの話をしている間はダメだと彼は確信していたに違いない。腹が立ったが、これまでにおいては彼が正しかったから私の立場も弱かった。実際のところ、タバコをやめてから、タバコのことを考えない日がないわけではない。アレン・カー氏の「禁煙セラピー」にも「やめてから、タバコのことを考えていけないわけではなく、考えてもいいのです。ああ、タバコを吸わなくても大丈夫になったんだ、と思えばいいのです」というようなことが書いてある。こうしてPCをカタカタやっていると、左手でタバコを吸っていた時の名残りで、左横の小机にいつも置いてあった灰皿とライターとタバコの箱を無意識に手が探す一瞬が何度かあった。そのたびに「そっか、やっぱり左手はタバコを探してるんか」と思ったが、だから吸いたいかというとそうでもなく、染み付いた習慣になっているんだなぁというのをそのたびに実感した。テレビや映画を観ていても、何かの瞬間に、座卓の上に（これまでは置いてあった）タバコを、やっぱり左手と眼が一瞬サーチしていることがあった。これがいちばん頻繁に起きたのはウィンブルドンのテニスの試合観戦中。そうだ、もうタバコはここにないんだ、と我に返り、クマイチに「やっぱり、前はこういう時にタバコに火をつけてたんやなって思うわ～」と話しかける。笑うクマイチ。クマイチはクマイチで、会社でのお昼がヒマになってしかたがないと言っていた。以前はお昼を食べると、彼もタバコタイムを満喫していたが、そのタバコがなくなった分、空虚さを持て余していたらしい。それに彼はタバコを吸っている夢をすでに3回くらい見たと言う。そのたびに自分で驚いてがばっと跳ね起きていたようだが、私にはこれはない。クマイチがタバコを吸わなくなってからも、残り10本ほどのタバコがはいった箱がずーっと座卓の上にあった。ある朝、彼がまだ起きてこないうちに中を調べたが、数日経っているのにまったく減っていない。あの時、もしも私が1本抜いてこっそり吸っても、彼は1本減ったのも気づかなかっただろう。が、私も隠れて吸おうとは思わなかったし、結局「吸わない」というのは自分の問題であって、人が見ている・見ていないではない。自分が決めたことを覆すのは、何より自分に対して不名誉だと思ったし、せっかく毎日積み重ねているものを自分でぶち壊すのは実にもったいないと心底思った。そのうち、クマイチはそのタバコの箱を捨て、私はPCの横に置いていた灰皿を捨てた。イギリスには、タバコの自動販売機がない分（パブにはあるが行かないし）、タバコが日本より若干買いにくいのはラッキーかもしれない。実は先週の帰省時、ひょっとすると、タバコがもっと安くて（少々値が上がったと言ったって、知れている）簡単に手に入る日本で、私は挫折するのではないかということをかなり恐れていた。クマイチは留守番だし、横で咎める人はいない。後はおかんだけをこっそりあざむいて、どこかの喫茶店で一服や二服ぷっかぁ～っとやったってバレはしないだろう。でも、その誘惑は一度も頭をもたげずに、平常心で毎日をやり過ごすことができた。ちなみに、値上げの件は知っていたので、実際にいくら上がったのだろうと、一回だけ自動販売機の前で立ち止まり、自分が吸っていた銘柄の値上げ分を確かめた。（爆）20円。タバコが体にいいと信じて吸っている喫煙者は世界におそらく一人もいないのではないか。但し、肉体的な作用を度外視すれば、精神的ストレスを解消するのに役立つと考えている人は少なくないだろう。みんな、うすうすタバコはよくないのではと思いながらも、なんとか自分こそはその魔の手から逃れ、このまま70、80まで実害を避けられる幸運な一人候補と思っているか、少なくとも明日はまだそうはならずに生き延びられると漠然と思っているのかもしれない。タバコが1つのロシアン・ルーレットになっている事実からは眼をそむけて、とりあえず行けるところまではこのまま行ってしまいたい。病気したらやめるだろうし、妊娠したらやめるだろう、てなことを私自身も思っていた気がする。（妊娠はないとしても、だ。爆）しかし私は今回、本当は2人いっぺんにやめたほうが何かとメリットがあるとわかっていても、自分がやめようと思ったからといって、クマイチにもそれを強要する気はなかった。タバコを吸うのもやめるのも、究極の話、その本人だけの問題だ。若い子たちが周りの影響でタバコをふかしてみたり、それこそ喫煙者のグループが仲間内で賭けをしながら禁煙ごっこをすることもあるが、結局は自分がどうしたいか、に尽きる。現に私はこの自分の経験をもって、私の身近にいる喫煙者の友人・知人に「あなたもタバコをやめなさい」と言う気は今もまったくない。今、自分にはまだタバコが必要なんだと思う時は、その人にとってはそれが率直な気持ちだということは認めざるを得ないからだ。今回の「ひとりプロジェクト」はあくまでも「ひとりプロジェクト」自分がそうしようと思ったことを、なんとか形にできたことだけがうれしくて書いてきた。まあ、これ自体も、最初からタバコに縁のない人からすれば「それがなに？」という内容ではある。タバコを始めなければ、やめることで七転八倒したり大騒ぎしたりする必要も最初からないわけだ。しかし、これは私個人の中が一大快挙だと自分で思えればそれでいいこと。この１ヶ月半、これまで考えるのがイヤで先送りしてきたことを内省できたり、いろんなメカニズムを考えることができたり、やっぱりいい経験をしたのだと思う。～長々とお付き合い下さいまして、ありがとうございました。～＜おわり＞

2006年08月05日

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「ひとりプロジェクト」（4）

くだんの「禁煙セラピー」という本の話。「タバコをやめようかな」というタイミングでこの本に出会ったのは、やっぱりそういう時期であり、縁だったと思っていいのだろう。但し、自分の気持ちははっきりしていたわけではない。「やめようかな」「やめるしかないかな」という曖昧な逡巡を行きつ戻りつの状態。「今回こそはやめるぞ」というような気合は一切ないまま、本を読んでしまったのが実際のところだ。この本は、自分自身が1日100本の元ヘビースモーカー&元会計士のイギリス人、アレン・カー氏がある日を境にすぱっと禁煙した体験から書かれ、日本では平成8年の6月に翻訳版の初版が出てから加筆・修正を経て、私が買った平成18年3月の重版分がなんと205冊めとは、それほど「タバコをやめられたら」と漠然とでも思っている人たちが多いということの裏づけだろうか。著者は本職をやめて禁煙セラピーを主宰し始め、拠点は今や世界各地にあり、この本だけではタバコがやめられない人たちは、彼のメソッドによるセラピーに通っているそうだ。この本はそのセラピーの基本コンセプトだけを集約したもののようだが、こんな本だけで本当にタバコがやめられたら誰も苦労しないし、喫煙者にいまさら、肺や血管に及ぼす煙害のウンチクは役に立たないぞ、などと考えながら私も読み始めた。うわっ、やだやだ。翻訳モノ特有の違和感が感じられる訳文のために、カツンカツンとひっかかるところが多い一方で、だらだらと進んでいく感じの本だ。全体的にゆるく、なるく、ぼやーんとした書き方で、インパクトをぜんぜん感じない。タバコが体にどんな悪影響を及ぼすかというようなこともほとんど書かれておらず、精神論でタバコをやめようとするなと書いてあるし、あげくの果てに「この本を読み終わるまでは吸っていていいんです」と書かれている。･･･どないやねん。なのに、読み進めていくうちに、小さく、しかし確実に「おお、そりゃその通りだわ」と納得させられる理屈が登場してくる。こういう日記に対するコメントと同じように、自分が漠然と感じていた（しかし表せなかった）ことを他人に言い当ててもらうとすっきりする、そんな感じだ。以下、私がめちゃくちゃ納得してしまった部分を紹介したいが、本の通りには書かない。この本はやはり最初から最後まで自分で読んでこそ価値がある。なので、ここで書くことは私が勝手に超個人的解釈を突っ込んだ、私なりの折り合い付き読み方だと思ってもらったほうがいいだろう。タバコを吸う人は、自分では好きで吸っていると思いながら、実際には周りに対して遠慮があり、制限を受けているいや、その通り。私はタバコが好きだし、自分の権利で吸っている･･･確かにそう思っていた。しかし実際のところ、誰かと会う約束をしたり、人の家に遊びに行ったり、一緒に旅行に行ったりする機会があると、相手も喫煙者ならそれなりに気は楽だが、相手が非喫煙者だと結構気を遣う。会って長時間を一緒に過ごすなら、こっちがタバコを我慢するか、相手に煙を我慢してもらうかの選択になるが、社会的には喫煙者が迷惑を作り出している（と自分でも罪悪感がある）以上、我慢するのは当然こちらである。会っても会わなくてもいい人なら電話にしておきたくなる。では、家に来てもらうかというとそれもお互いに迷惑な話で、タバコを長らく吸っている人の家はタバコの匂いとヤニで充満している。私たち夫婦が喫煙者であることをどんなによく知っている友達でも、それを知っていて慣れている事実と、タバコの不快感とは別物だ。もちろん、服にも髪にもその他の持ち物にもタバコの匂いは当然つくし、ヘタすりゃ焦げもできるのだが、そこまでの部分はこれまでわかっていながらも自分でフタをしてしまって相変わらず喫煙の習慣を維持していた。減煙は決して禁煙の助けにはならないし、タバコのストックを持ったままの禁煙は難しい⇒20本が10本になり、5本になり、最後はやめられるという理屈は、実際には実現不可能で終わることが多いのは過去に自分で立証済みだ。父もかつて、封を開けた缶ピースを仕事場に置いて「吸いたければいつでも吸える」状況を作って、次に吸うまでの時間をだんだん延ばして禁煙に成功した一人だが、結構これは苦しい。本数減を自分に課すことで「次の1本」に対して、ニコチンと精神面と両方で飢餓感がよけい募る。そのために、自分の行動や考え方の主体を自分自身から、たかだか1本の「次のタバコ」に明け渡してしまうことになる。「この1本が最後」と思ったら、誰でもいつでもその1本を本当に最後の1本にできると著者は書いている。喫煙者同士で一斉に禁煙を始め、負けて吸ったら罰金というようなゲーム⇒他人がするから自分も禁煙、という動機の間違いと不純さ。自分自身がその心の準備もなしに団体で禁煙に突入しても、プレッシャーと吸いたい気持ちが募るだけと書かれているのを読み、クマイチには「一緒に禁煙しよう」とは誘わず、あくまでもこの禁煙は自分だけの「ひとりプロジェクト」にしようと思った。一旦、禁煙に成功したら「タバコはまずい」ことや「もう喫煙者に戻らない」ことを確かめるために1本吸う、というような愚行に走らないこと⇒アレン・カー氏の本には「もともとタバコというのはまずいものであって、おいしいはずがない。世の中にはもっとおいしいものがあるのに、喫煙者はタバコがおいしいというような幻想・洗脳に踊らされてきたのだ」と書かれている。「タバコがまずい」ことや「1本吸っても喫煙者に戻らない」ことの確認のために、せっかくタバコをやめて何日も何ヶ月も経ってから、わざわざその1本に火をつけるというような行為にはまったく意義がない。ここも私にとっては結構大きなポイントで、一日一日と、タバコに縁のない日を送るごとに、どこかの段階で1本、タバコに火をつけるようなスカタンに足を突っ込むことは、想像しただけでももったいない。それに「お気に入りの銘柄のタバコがあって他の銘柄には見向きもしない人も、お気に入りのタバコが生産中止になったら、以前はまずくて吸えないと思っていたタバコを迷わず買うだろう。しかし、タバコが世の中から全滅することになったら、喫煙者はロープの切れ端に火をつけてでも吸うだろう」と書かれた部分を読んだ時、私はちゃーを吹きそうになった。まさにその通りだと苦笑を禁じえなかったのだ。喫煙者が感じるストレスの大半は、タバコによって生み出されたストレスである私がタバコをやめられた最も大きな理屈というのは、この部分だったと思う。＊夜になって、予備のタバコが家の中に1つもないと気づいた時に陥るパニック⇒タバコを吸わない人に、このパニックは起こり得るか？否。これは喫煙者だけのパニックである。＊飛行機の中や試験会場や、世間のあらゆる禁煙スペースで一定時間ガマンを強いられる時に喫煙者が考えること･･･あと何分経ったらタバコが吸えるか考えて、その瞬間を待ち望む⇒つまり、今やっていること（飛行機で移動中だったり、冠婚葬祭に列席していたり、試験を受けていたり）の延長上に待ち望むものがタバコ一服であっていいのか？大事な人生の節目の時に次の一服のことが思考の大半を占めている状態は本末転倒ではないかというロジック＊いらいらしているから、とにかく一本吸おうという気持ちの時⇒では、いらいらの原因になった問題はタバコを吸えば片付くか？タバコが根本的なストレスを解消した例を自分で挙げることができるか？＊くつろいでいる今、ちょっと一本吸おうという気持ちの時⇒非喫煙者には、くつろいだ気分は存在しないのか？いや、非喫煙者にもくつろぎの瞬間は存在する＊こういった「一服する小さな理由や前提」はいろいろだろうが、もしかしてそれは全部後付けではないか？タバコで実際に片付いた問題にどんなものがあったか？☆☆☆いや、上のどの部分を読んでも、私にはどれも実にもっともな話だとつくづく思った。喫煙者の焦燥感（タバコが早く吸える状況に戻りたい）・欠落感（タバコの予備がなくなってしまう）及びストレスは、非喫煙者には最初から存在しないのだという事実と、タバコを吸うために自分が主体であるべき人生をタバコに区切られるアホらしさを、著者であるアレン・カー氏は淡々と述べている。私は自分自身も理屈っぽい代わりに、他人から披瀝される理屈でも、説得力があって理に適っているものであれば完璧に傾倒してしまう部分があるのだと思う。そこでタイミングよく遭遇した「禁煙セラピー」。説得力で静かに圧勝した一冊だった。

2006年08月04日

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「ひとりプロジェクト」（3）

最初に異変が起きたのは、6月17日。関空出発時にこの本を買って機内に乗り込んでから、約11時間後にアムステルダムに着いた時。空港内の喫煙所を探しあて、この時点では禁煙のキの字も頭にないクマイチと、この本をちょっとだけ読みかけた私とで一服。ロンドンへの乗り継ぎ便の出発時間までに飲み物を買ったりトイレに行ったりしたが、まだ時間があるので、もう一服するかとクマイチが言ったが「私はいいわ」と言った。吸える時は必ず吸っていたのに、この時は「別にいいわ」と思ってしまったのがちょっと自分でも意外だったが、クマイチも私に付き合ってあきらめた。ロンドンに着き、自宅の方向に直行するバスを45分ほど待合室で待つ。クマイチは売店で2人分のコーヒーを買って1つを私に渡すと「ボク、1本吸ってくるよ」と外に出たが、私はそのまま待合室で荷物番。やがて来たバスに2時間近く乗って自宅に到着し、私はひさかたぶりに一服。買い置きのタバコがまだ4箱ほどあったが、それがなくなったらやめるのかな、やっぱり今度も無理かな、とひとごとみたいに考えながら、週末は2人ともこれまで通りに喫煙者としてだらだら過ごす。週明けの月曜日は久々の出勤。会社の近くの駅で電車を降りると、駅の出口でタバコに火をつけ、会社までの道を歩きながら1本吸うのがいつもの習慣。会社の自分の席に着くとPCを立ち上げ、始業時間までの間にトイレに行き、会社の裏の喫煙所で（駅から会社までの間で1本吸ったところなのに）また一服してからでないと仕事が始められない。その後は、仕事の進み具合を見ては1時間に1本は確実に吸うペース。会社には少なくとも1箱はストックを置き、自宅にはだいたい4～5箱のストックが常時あったのも、途中でなくなりそうになると慌てるからだ。朝、家を出た後でタバコを忘れたことに気づくと、それだけでもう大変。タバコを買うとしても、会社まで歩いて隣りの売店に着くまでは当然のことながらタバコ無し。それだけの短時間が辛抱できない私だったのだ。そんな私が「今日は会社に行って戻ってくる時間くらいタバコがなくてもどうってことないんじゃないか」と初めて思ったのが、その月曜日の朝。なぜか、この日の出がけに「今日は持っていかないでおこう」とふと思い、タバコの箱をわざわざ家に置いて行った。会社の隣りの売店で、タバコはいつでも買おうと思えば買える。しかし、結局その日はタバコを買わず、人からももらわず（笑）、とにかく吸わずに家に帰ってきたが、これは個人的にはかなりの快挙だった。家に帰ると「いやぁ、今日はよくガマンしたなぁ」ってことで至福の一服を味わった。（笑）家にいる時は、とりあえずストックもあるので、吸いたい時は吸うことに決めていたからだ。翌日の火曜も、出勤するカバンの中にはタバコもライターも入れずに行ったが、前日と同じようにタバコなしで会社から帰宅し、それが次の日も、また次の日も同じように続いた。会社の行き帰りで、周りにタバコを吸う人がいないのかというと、道で普通に吸っている人には出くわすし、駅で電車を待っている間に隣り1mの近さでタバコに火をつける人もいる。でも、そういう人たちを避けるでもなく、反対にその人たちの煙に近づくでもなく、という平常心が意外にあった。気持ちを乱されることがなかったために、ひょっとしたら今度は本当にやめられる時期なのかもしれないと思うと、なんだかその日･･･Xデー･･･が楽しみになってきた。家と会社の往復の間ではタバコにまったく手を出さなくなり、会社でタバコのことを考えなくなった。そのうちに、みつこさんたちが「ちゃとさん、ひょっとしてタバコ、やめてる？」と気づく。「いや、完全にやめてないけど、会社には持ってきてないんだ」と言うと、後の3人もびっくり。そのうち、家でのタバコのストックもどんどんなくなり、最後の1本を吸ったのが6月27日の夜。家に帰ると、残っていた2本のタバコをさっさと吸い終わると同時に、タバコ人生は完全に終わってしまった。翌朝はちょっとだけ自分にハッパをかけた。なにせ、これまでは起きて10分以内に1本吸っていたもので、この朝だけは「さっ、今日からはタバコのない生活だ」と自分に言い聞かせた。家と会社の往復では吸わなくなってすでに10日が経っていたから、後は自宅にいる時間だけだが、これも短い、短い。一日、また一日と、タバコに手を出さない日が積み重なっていく過程のなんと爽快なことか！特に会社の近辺は、田舎ののーんびりした景色も多い場所なもので、私は会社までの道を歩く途中、これまではぷか～っとタバコをふかしていた代わりに、今度は、んがぁあ～～～っと深呼吸を始めるようになった。肥料の匂いも時々するが、それはご愛嬌だ。「思い切り息を吸い込む」というあたりまえのことに感じる幸福感と満足感に自分で驚いた。その上、今日もタバコは必要ありませんでしたという日が積み重なるごとに私にもそれができたじゃないかという「ちゃと、よくやった」感と自信がどんどん加わってくるのがはっきり感じられるのだ。「家⇔会社」部分禁煙が始まって45日、完全禁煙突入からはまだ1ヶ月と少し。よっぽど私はこの本と相性がよかったんだろう。これまでの何度もの失敗から、今回も「こんな本くらいじゃーな」と読む前から肩の力が抜け切ってしまっていたのが逆によかったのかもしれない。そんなに意気込んでいたわけでもなかったのに、知らないうちに自分で自分を「タバコが要らない自分」にしてしまった、という感じ。切迫感も悲壮感もないこの感じは、人に説明してもわからないだろうなぁと思うほどだ。なんでこんな簡単なことが前はできなかったんだろう。今後はもう1本もタバコに手を出すことはないという強い実感もあるし、ここでいたずらにタバコ1本に火をつけちゃ、せっかくの今までの積み重ねがムダになる。ああ、そんなもったいないことは今さらしたくない。すでに長い話になってしまってはいるが、せっかくなので、次の日記あたりで「あの本の何がそんなにすごかったのか」を思い返して書いておこうと思う。＜つづく＞

2006年08月01日

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「ひとりプロジェクト」（2）

最初にタバコを吸ったのは23か24くらいの時だったか。Yくんとごはんを食べに行った後で、もう1軒行こかと言われ、流れた場所で「吸う？」と言って勧められたのを覚えている。1本めからむせ返るようなこともなく、タバコというのはこんなもんかとあっさり受け止めた。自分の中で習慣化していった経過はあまり覚えていないが、気がつくと1日に20本。多い時は1日30本くらい。平均すれば1日に22～25本という感じで、この20年近く来たと思う。さすがに両切りのピースは吸わなかったが、ピースライトをうまいと思って吸っていた時もあった。おっさんくさいと自分でも思ったが、格好で吸っていたわけではなくて好きだったから吸っていた。前から書いているが、私はアルコールは一切口にしない。（いや、そりゃ料理にはいっていれば別ですがね、アルコールをじかに頂くことはないわ）だから別にタバコくらい、人生の楽しみの一つとして託っていてもいいじゃないかという抵抗感みたいな気持ちばかりで、やめようという意欲はないに等しかった。いつかどこかの時点で将来やめることもあるかも、と、半ばひとごとみたいにごくごく曖昧にしか禁煙を考えたことはなかった。この10年ほどの間に、タバコに対する社会通念は大きく変化した。禁煙席がスペシャル・アレンジメントだった時代から禁煙こそがいつしか世間のデフォルトになり、列車の喫煙車両が減り、飛行機の中では喫煙席が廃止された。空港でも喫煙スペースというのは、いかにも世を儚んで押しやられてタバコ吸ってますぅというような場所ばかりに作られ、本当にいい気がしなかった。その上、タバコの値段。イギリスに来てからのタバコの値段は痛すぎた。7月からは日本でもタバコが値上がりして、これを機会に減煙・禁煙する人もいれば買いだめに走った人の両方がいたかもしれないが、ふふん、おあいにくさま。（笑）イギリスのタバコの高さはそんなもんやおまへん。1箱、5ポンド超…日本円にして1100円弱でっせ。イギリスはどこでタバコを買っても同じ値段ではなく、夜遅くまで開いているような便利なお店で買えば5ポンド半くらいはするかも。イギリスに来た時、すでにタバコは4ポンドはしっかり超えていたと記憶している。実際のところ、ポンドの生活実感は1ポンド=100円という感覚なので1100円とか1200円とかいう意識はないにしても、1箱500円はしっかり超えているわけだ。「タバコなんてもともといいことは一つもない上に、肩身の狭い思いをして、なお且つそんなに高いお金を毎日ドブに捨てているなんて･･･これまで禁煙しようと思わなかったの？」と人から言われても仕方がない状況だった。が、私は吸い続けた。そして先月。関空で涙の「タバコ断ち」決心。タバコ断ちかぁ･･･搭乗口に向かう通路で、そのことを考えるとマジで涙が出てきた。これまでつきあってきたタバコをやめることになるのかと思うと、本当に泣けてきたのよ、おおげさではなく。もしかすると私のこの決意で、父の治療がうまくいくかもしれない。その2つに脈絡はないが、人間、時としてそんなふうに考えるものだ。いつも日本の空港では私もクマイチも好きな銘柄のタバコを2カートンずつ買って、隠してイギリスに持ち込む。（本来は1カートンしか持ってはいれない）その買い出しを先月、関空で初めて断念した。やめるんだから買う必要はないじゃないか、と思っていたが、イギリスに戻ってどうせまた吸い始めるのであれば、イギリスで買うよりも日本で買ったストックがあるほうが安くつく。思わず買いそうになったが、ともかく自分を抑え切ったのだ。飛行機に乗る前はこれまでいつでも、12時間の搭乗前の最後の一服か二服に火をつけて、しばしガマンガマン、と2人で言い合っていた。でもこの時は、同じくスモーカーのクマイチは、タバコ断ちを考えて感情的だった私に（この時点でクマイチはぜんぜん禁煙する気、ナシ）気を遣っていたが、私は大丈夫と言ってクマイチと一緒に喫煙室にははいったが、私だけ吸わなかった。カバンの中に、封を開けたタバコは持っていたが、クマイチが一服する間、私はこれから先のことを考えて吸わずにガマンしていた。そして飛行機に乗り込む直前、本当に直前だ。搭乗ゲートのところに売店があったので、機内で飲む飲み物と雑誌か何かを買おうかとあれこれ物色していた時に、それを見つけてしまった。ベタな名前だ、「禁煙セラピー」普段、私は新書を買うことはほとんどないし、ましてハウツー物は絶対に買わない。ハウツー物で人生が変わるなら安いものだが、そんなハウツー物で簡単に変わる人生というのもいかがなものか。（笑）この時は、父のことで頭もいっぱいだったし、それに悲壮にも（爆）「タバコ断ち」で心が揺れていた時だから、この本を手にとってみた。「読むだけでやめられる」と帯に書かれている。限りなく大仰だ。顔も名前も知らないタレントの写真が帯に付いて「○○くんもこれでやめました」そうだが、これにはひとこと苦言を呈したい。例として出すなら、もっと日本全国が「おお～」と言うような人を出せ。間違っても「アンタ、だれ？」というようなタレントを出すな、とその本を手に取りながら悪態をつく。吸えないからイライラしていた。で、なんとなく納得はできないが、その本を買った。900円。ロンドンでタバコ1箱買うより安いのも魅力だ。（爆）***なんで、こんな本1冊でタバコがやめられたのか。それは今の今でも私にとっては大きなナゾではある。しかし、どなたかの昨日のコメントへのレスにも書いたが、この本を読んでタバコを吸わなくなったのは私だけではなかった。私に続き、この本を時々読むともなしに読んでいたらしいクマイチが、お膳の上に10本ほどタバコがはいったままの箱をいつまでも置いたままにしているのにある時ふっと気づいた。私を上回る喫煙歴は35年のツワモノだ。･･･クマイチよ、ひょっとして･･･おまえもか？この時はまだ彼までタバコを吸わなくなってきているとは私は本気で思っていなかった。しかし、彼は彼で、私のことだからすぐに逆戻りするだろうとタカを括っていた。＜つづく＞

2006年07月31日

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「ひとりプロジェクト」（1）

もういいかな･･･と思ったので書いてみる。別に大上段に構えて書いてみたつもりではなかったが、先月にちょっと触れた「ひとりプロジェクト」。なんのことはない。タバコをやめた。「そんなネタ、関係ないで」という皆様には申し訳ありません。が、個人的には自分の人生の中ではかなり大きなトピックなので、しばらくこの日記が続くかもしれません。こういう話は、関係ない人にはどこまでいっても関係ない話だ。それは私にもわかっている。私はアルコールはまったくダメだから、もしもアル中だった人から「禁酒・断酒に成功しました！」と聞いても、その重みがいまいちピンと来ないのと同じだ。だから、タバコを吸ったことがない人、かつてちょっと吸っていたがすぐにやめた（やめられる程度だった）人･･･そういう人たちにとってはどこまでいっても「たかが禁煙」というか、話題にすらならない話だろうが、私にとっては「されど禁煙」。アルコールを口にしない私は、くつろぎたくなるとタバコ、いらいらすることがあるとタバコ。集中して報告書を書く前に一服、書いた後に一服。3月に高熱が出た時もタバコは控えなかったし、ともかく体調が悪い時でも、まずくて吸う気にならない、とか、今はタバコを控えたほうがいい、というような節操は一切ない生活を送っていた。結婚したクマイチも喫煙者だったので、喫煙は私たちにとって人生において不可欠の習慣だと割り切って生きてきた。そういう私が今、この時期にタバコをやめたことは私自身にとっては人生の一大イベントでさえある。もちろんタバコを吸ったことのない人には一生縁のないイベントだし、こんなイベント、本当はないほうがいい。しかし、それだけ私にとっては快挙だったということを想像してもらえるならありがたいなと思う。それと、一つ今の段階で書いておきたいが、自分がタバコをやめたからと言って、いきなり立場をがらっと変えて「アンタも禁煙しなさいよ」などと高みに立って意見する気はまったくないことおははっきりしておきたい。これはどこまでいっても本人の自由だ。（そりゃ周りが副流煙で迷惑する、ということはあるが、とにかく吸う・吸わないは、基本的には本人の自由だ。）実はタバコをやめようかな、という気持ちはここ5年くらい時々出現してきていた。○最初は4年前に車を買った時。禁煙すれば、その分のお金で十分に車のローンが捻出できるので、クマイチと話し合った。「1日20本吸っているやつを、まず10本に減らそう。それができたら5本にして、3本にして･･･」堅実な構想だ。いや、堅実というより誰でもこう考えるだろう。しかし、3日でアウト。スリーアウトだ。3本までにはなったが、なぜか1日20本の生活にすぐ戻った。○次に3年前に母が肺がんで手術した時。母はタバコはまったく吸わなかったのに肺がんになったのだ。自分で怖いと思ったわけではなく、母に心配をかけないためにやめようと思ってやめてみた。が、やはりそういう動機はいまいち自分の中でピンとこなかったからか、すぐに元の木阿弥。○そして2年前に弟が開頭手術をした時。もちろん弟はその手術の1ヶ月前にタバコをやめたが、彼もヘビースモーカーだったので、当然とは言え、よくアイツがやめられたなと驚いた。私自身は、弟の家と病院を往復する道中に、人目につかないところでこっそり吸って、弟の家や実家にいる時には吸わない、というセコい行動を続けていた。○そして今年。父まで肺がんになったのは、すでに日記にも書いている通りだ。父もかつては喫煙者だったが、禁煙してからすでに30年経つし、タバコを吸っていた父のイメージ自体がもう私の中にはない。さすがに、これが最後の禁煙の機会かなと思った。がんばっている父のためにも、禁煙というより、いわゆる「タバコ断ち」を思い立ったのは、先月6月17日。関空でロンドンに戻る搭乗手続きが終わってからの空港の通路で。実は、その決意の瞬間、私は（恥ずかしい話だが）「もうタバコとの付き合いも終わるのか」と思って空港の通路を歩きながらめそめそと泣いた。それくらいタバコをやめることがつらかった。楽しみが一つなくなってつらい、と思った。しかし、実際にタバコをやめた瞬間そのものには、不思議なことにその決意もガマンもなかった。空港で（タバコをやめることくらいで）泣いていたのがウソのように、その後、飛行機に12時間乗って、降りた時から異様にタバコへの執着が消えた。その原因が、さっき書いたように「父の回復を祈ってのタバコ断ち」だったら話はもっとわかりやすいのだが、実はそれが直接の勢いになったのではなかった。この禁煙はまったく別のモノが思いがけなく作用してしまったことから始まった。その別のモノのおかげで、ある日から1本も吸わなくなった。最後の1本を吸った後、もうこれで吸わなくていい、と突然思えるようになった。なんで今までタバコを吸っていたんだろうと思った。ひょっとすると、タバコを吸っていた20年間か、もしくはタバコを吸わなくなったこの1ヶ月間かのどちらか片方、私は絶対に洗脳されていた（いる）のだと思う。＜つづく＞

2006年07月30日

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昼下がりの美容院にて

昼過ぎにタクシーに乗り、美容院へ。地図でも一応見ておいたが、予約の時に「10分から15分くらい」と言われたのは距離としてはやっぱり正解のようだ。ただ、初めての場所だし、タクシーを降りてから迷っても困るので少し早いめに出て、調べておいた美容院の住所を見せて連れて行ってもらう。着いたところは市の西の方向にある高層住宅地の大きなブロックだった。建物の構えからしてみると、ここの国でも比較的裕福な層の人たちが居を構えているところのようで、学校も近いのか、子供の姿もたくさん見る。ちょっと話が逸れるが、この国は教育熱心なことで有名で、特にエリートの親は子供の教育に全身全霊とお金をかけているらしい。前にマリーから聞いたのだが、後年の大学進学までには子供の頃から優秀な学校にはいっておかなければならない。このためにはいわゆる親子面接があり、その面接は到底、模擬面接の練習なんかで太刀打ちできないような質問がされるという。マリー夫婦も当然エリートだから、子供を学校に入れる時の面接ではいろいろ練習もしていたとのことだが、本番で子供が絶対答えなければならない部分で「あなたはどこのブランドのパンツ（下着）を穿いているか答えて下さい」という質問が出て、やられたーと思ったそうだ。大学進学率は今も10%～15%と、日本と段違いなのは、ここの大学が少ない上に本当に優秀な人しかはいれないし、大学にはいれるかどうかの段階で将来の生活設計は決まっているということだ。さて、この場所は普通の観光地とは離れていて、観光すべき名所というのはない。いわゆる団地の一角なのだが、こういうところにも必ず食べ物屋さんのオープンのテーブルが出ているし、その区画だけで買い物もまあできるし、不便のないようになっている。その団地の地上階の一つにめざした美容院がある。予約してたんだけど、と言って中にはいると、中国系の女性（ダンプ松本の中国にいる腹違いの妹と言えばわかりやすい）に、そのまま入り口に近いカット台に座らされる。前に鏡があり、雑誌などを置いた台があるのは日本と同じだが、この台もチーク材か何かの中国チックな装飾が施されていて、観音様のような置物も見られる。案内してくれたダンプ妹がおもむろに私の肩に普通のタオルをかけたかと思いきや、頭が突然冷たくなる。なんと！髪を濡らしもしないで、いきなりシャンプーがそこで始まってしまったのだ。当然私は座ってはいるものの、直立不動の姿勢なのである。ええっ？ここで座ったままシャンプーするの？シャンプー台がないのなら、いったいどこで濯いでくれるの？と、わけがわからなくなってくるこっちの気持ちに関係なく、ダンプ妹はぶしゅぶしゅシャンプー剤を私の頭に継ぎ足す。3回ほど継ぎ足したことを考えると、ボトルの1/4は優に使ってしまったに違いない。もともと髪が短いから、継ぎ足したシャンプーはすぐ首筋や服に垂れてくる･･･「オオーッ、ソーリー」と言いながら、ダンプ妹はティッシュでそれを拭ってくれるが、私もさすがに頭泡だらけでこのまま帰るというような暴挙には出られず、意味のないアルカイックスマイルを引きつらせるだけだった。しかし、このシャンプー･･･進んで行くと、これがなんとも気持ちのよいものに変わってきたのだ。どちらかというと髪の汚れを落とそうということが主体ではないらしい。頭皮のマッサージ、頭のツボ押し、人の頭の重みをうまく使ったテクニックが駆使され始めると、このシャンプーをどこで濯いでくれるのかなんてどうでもよくなってきて、まさに「どうにでもして境地」にはいるのだ。さすがはダンプ妹だ、と感じ入っていると「そのままこちらに」と言われ、店の奥に案内される。シャンプー台、ちゃんとあるやんけ！怒っても仕方ないので、素直にシャンプーをそこで流してもらうと、今日カットしてくれるらしい中国系のおにいちゃんと対面。本を見ながら少しどういうふうにするか検討するのだが、普段から「適当に」主義のために、一つだけ気に入った長さの髪型の写真を見て「あーこれこれ、この人はパーマがかかっているけど、私はかけないから、長さだけこんな検討で切ってくれる？」と注文。少しずつ髪をブロックにまとめ、ハサミを入れるおにいちゃんの手先はさすがにアジア人。手の動き方が違うし、私の行きつけの京都やロンドンの美容院のおにいちゃんたちと遜色ないし、仕事も細かい。ほー、結構やるやんと思いながら、おにいちゃんの手先をじーっと見つめる。美容師さんの手先は本当にマジックで、その手先を見ながら自分の髪がどんなふうになっていくかを見るプロセスは美容院に行く醍醐味だ。どの美容師さんもよくやるように、おにいちゃんは左右がアンバランスにならないように少しずつカットしていくのだが、それが進むにつれ、なんだかヘンな感じがしてきた。おにいちゃんは、やたら私の頭の上部の髪の毛をもっこり盛り上がるように、カットの途中でも時々整えたがるのだ。それに反して、顔の左右の部分･･･耳から頬あたりにかけての髪はやたらぺったり押さえつける。ぺったり押さえつける以上に、サイドの髪を前に前に流そうとしている。私はどちらかというと面長だし、頬骨が高いこともあって、サイドの髪を押さえつけて前倒しにしてもらっちゃ、髪が黒い額縁の役割を果たして、顔でいちばん気にしているところがかえって目立ってしまう。むむ、これは困った。てっぺん近くはなんだか段が鳥の羽のようについている上に、軽いからどんどん盛り上がってしまうのに反して、サイド部分はぺったり＆前倒し･･･どうしよう、どうしよう、と思っているうちに、おにいちゃんはご自慢のカットが完了したようで、シャンプー台でいったん細かい毛を洗い流す。その後、ブローに突入すると、やはりその「てっぺんもっこり、サイドぺったり」がより洗練され、完成に向かっていくのがはっきりわかる。それを見ているうちに、私はだんだん中国四千年の歴史を握る女ボス、マダムヤン（そんな人、知らないが、いるような気がした）になって行った。これでこのまま中国服でも着ようものなら、ふかふかの赤いビロードの椅子に足を組んでふんぞり返って座り、ドレスの分かれ目からスネ毛の手入れ済み脚部の片方と、金色のサンダルを履いた足の一部に靴擦れ隠しのバンドエイドを見せながら、左の肘は椅子の肘置きにのせ、右手に長パイプを持って、そのへんの若いあんちゃんたちにアゴで「コーラ買ってこい」と言っているB級中国映画の悪役の情婦みたいなもんだ。日本で似ているような髪型の人を考えると、ちょっと苦しいが、ここ2～3年前の野際陽子もこんな髪型の時があったように思う。かくしてマダムヤンちゃとはにこやかに美容院を出ると、最寄のバス停で、このままでは恥ずかしくてバスに乗れないほど毛だらけになった顔の毛を手鏡を見ながら必死ではたく。これが限界、と思うところまで顔の毛を取り除いたところにバスが来て乗ったのだが、よく考えると、このバスは番号を見て乗っただけなので反対行きかも知れない。それならそれで終点まで行って折り返せばいいや、という気持ちでいたら、見慣れた光景の近くでバスは止まってくれた。そして、部屋に戻るとすぐにこのマダムヤンヘアーの行き先を考えながらシャワーを浴びた。タオルで水分を拭い取った後、ブラシで直してみると、ようやく明日はなんとか出勤できそうな髪型だったことにほっとしたのであった。

2004年04月01日

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いざ、美容院へ

予約を2週間待って美容院にようやく行った。自宅から車で片道1時間半はゆうにかかる場所だが、いろいろ行った中でロンドンではここがいちばん気に入っている。私はがさつで大雑把なくせに保守的なところがあるので、美容院は日系のところに行きたくなり、普通のイギリス人のところへは行ったことがない。とは言うものの、黒人のコーンロウやブレイズにも興味があるが、髪質も違うし、もちろん気が引ける。（笑）今年は日本に何回も帰っていて、そのたびにあっちで行っていたので、この美容院に来るのは今年2回目かそこらだ。ロンドンの日系美容院でいちばん困ることは何かというと、スタッフの出入りが激しいこと。気に入った人が見つかってもいつまでそこにいるのかわからない。これはひとえにビザの問題によるのだ。イギリスは自国で人材がまかなえる職業について他の国の人にビザを出さないから、美容師という仕事で日本人が労働ビザを取ることはまずできない。だから、ロンドンにいる日本人の美容師の人たちはほとんどが学生の身分で、限られた時間数の中でバイトの形で仕事をしているため、学生ビザが更新できなければ日本に帰らなければいけない。最初にこの美容院でカットをしてくれた男の子は、眼からウロコが落ちそうになるくらい仕事が丁寧で細かくて驚いたのだけど、やっぱりいなくなった。今日初めてカットをお願いしたのは25～26歳くらいの大阪は泉州のほうから来ている女の子だった。美容院でぐたーとしながら髪を洗ったり切ったりしてもらう時に関西弁で話せると気持ちがほどける気がする。この間、8月に日本で短めのボブにしてもらったのが肩のあたりまで伸びてきて、肩先ではねまくってきたので、この間から早く行かなければと焦っていたのだ。私は本当に適当なたちなので、今日もその子が「私は初めてですけど、どういう感じにされたいですか？」ときいてきた時も「んーとね、なんでもいいんだけど･･･適当で･･･ちょっと段でもつけるとか、ま、景気よくやってもらえたら」などと言った。はっきり言って私は自分の髪型なんか、多少ヘンになったって、会社なんかで見ているみんなは3日見たら慣れてくれると思っているので「ほんと、まかせるから、あなたの好きにして」と言ってしまった。以前、日本で行きつけのところで「今日、どうします？」と言われた時、一回「大銀杏にして下さい」と真顔で言ったら、ひかれてしまった。しゃれが通じないところは困る。リラックスできないではないか。その次に行った時、テキが成長しているかどうかを試すため「今日はどうします？」と言われて「そやな、桃割れにしとこか」と言ったら、わかりましたと答えられ、適当にされてしまった。担当の女の子とお互いにいつ頃ロンドンに来たとか、どこに住んでるとか、今度いつ頃日本に帰るとか、そういう他愛もない話をする。その子は「雑誌でも見ます？」と気を遣ってくれるが、私は「いや、美容師さんの手元見てるのがいちばん興味があるし、雑誌はいいわ」と言う。美容師さんの手は、素人がぷちぷちハサミでまっすぐ切るのではなく、髪をぱーっと広げてハサミをあててさっさっさっと毛に流れを拵えるように動いていく。これがアートでなくて、なんだというのだろう。自分にない才能をそこに見ながら、惚れ惚れしている間にカットが出来上がっていく。最後にその子が、こんなふうにするといいですよと言いながらブローのコツを教えてくれる。出来上がった髪型は、非常に私の性格をよく繁栄していて、めちゃくちゃ気に入った。ああして、こうして、なんて一言も言っていないのに（というか自分自身に仕上がりのイメージもないくせに）よく人を見てるな、これからもがんばってほしいな、と思ってしまう。「あなた、お名前は？」ときくと、私の可愛い姪の上の子とまったく同じだった。「また来るし、お願いね」と言って美容院を後にした。軽くてすっきりした私の髪型を見て、ダンナはかわいーかわいーを連呼している。ちょっとおもちゃになっているような気がするが、まあ自分でも気に入った髪型なので、これからしばらくブローするのが楽しみだ。これだから、女性はやめられんなという気がする。

2003年11月30日

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美容院

ロンドンに来た時は耳の下くらいまでのボブにしていたんだけど、その後、どんどん長くなっておばはんチックにひとまとめにするしかなかった。こちらでの生活が初めてだったことと、どこで切ったら満足できるのかわからなかったのでしばらくその状態が続いていた。そのうち、このイギリスでのストレスのたまるインフラのおかげで（いやいや、年のせいだ！）気がついたら白髪がぽつぽつ見えるようになってきた。でも、私は無精な性格ということもあり、そんなの自分が気にするほど周りは見ていない、とか、周りも見慣れたら終わり、なんていう気持ちで毎日を過ごしていた。しかし、その時、超短期で付き合った7歳年下のぼんから「白髪あるね。」と言われた時はかなりショックだった。ショックではあったけど、白髪のせいだかで、その付き合いもほどなく終わってしまったのでそれはいい。その後初めて日本に帰省した時にダンナと電撃結婚することになり、その時に京都の行きつけの美容院でとりあえずしばらく持つようにまた短くしておいた。ただ、いつまでもこの繰り返しというわけにはいかないので、初めてロンドンで日系の美容院に行ってみた。もともと髪が細くてねこっ毛なので、かけたパーマもあまりもたないし、スタイルがいまいちだったのでいろいろ探してみたら、4軒めにして初めて自分の気に入ったところを見つけた。ちょっと場所がはずれにあるせいか、日系のわりにはそう高くない。初めて私の髪をやってくれるそこの男の子にも「えーとね、なんでもいいよ。適当で。」てな感じだったのだが、その子はそう気負うでもなく、丁寧に丁寧に髪を切り始めた。そこまで丁寧にやってたら、アンタ、時間がなんぼあっても足りないよ、というくらい丁寧なので驚いた。できあがった髪は短めではあったけど、頭を振り回した時に（なんでやねん？）ぴたっと納まるすごいカットだった。それまで、うちのダンナは、一度ヴィダルサスーンでカットしたら、ちょうど料理用のボウルを頭からかぶせてハミ出たところを切っただけという、素人がビートルズを真似て失敗したような髪型になってから一度も美容院に行ったことはなく、何年も自分で髪を切っていた。このダンナが私の髪型を見て気に入り、一度同じところに連れていった。ダンナの担当の若い男性はハサミ一本を持って、ニュージーランドやらネパールやらで「髪の毛切らせて下さい。」というスタイルで旅をしていた人らしく、切ってもらっている間、旅行の話や音楽の話で盛り上がっていたようだ。しかし、ロンドンの日系美容院の難点は、同じ人が長くそこにいないことだ。美容師ではイギリスでは労働ビザが取れない。要するにイギリスで労働ビザを取ろうとすると、同じ職種でEU内で人材がいないことが証明できる場合に限られる。もちろん、イギリスでは美容師はピンからキリまでごろごろいるので、美容師として労働ビザはほぼ100%取れない。ということは、日系美容院で働いている美容師の人はみな学生ビザなのだ。（学生ビザは週20時間は働けることになっている。）こういう状況だから、このビザが更新できなければ帰国するしかない。美容院というのはやはり個々のお客とその担当者との組み合わせで成り立っている。そのうちに、私の担当の男の子も、ダンナの担当の男性もいなくなってしまった。最後にそこへ行った時、私のカットは初めての女の子がやってくれたが、まあまあ上手だった。ダンナの担当をした、関西弁ばりばりの女の子はよくしゃべる子で、それだけならよかったのだが、長いめの髪型が好きなダンナの髪を結構ちょんちょんに切ってしまった。普段、おとなしいダンナはいつまででもその女の子のことを恨んでいた。（笑）さて、4月の東京出張後、少し実家の京都に帰った時、母が手術で入院中だったし、時間もあまりないので、母の病院の最寄の駅前でふと見かけた美容院に飛び込みではいった。げっ、カットが5000円？今ってそんなものですか？私が日本にいた頃は3500円しか払っていなかったのに、カットが5000円になっていたとは驚きだ。しかし、値段を見てからやめますとは言えない性格だし、他を探し回っている余裕はないのでお願いした。初めてのとこだから、当然初めての男性のスタイリストが担当してくれることになった。「どのようにしましょうか？」ときかれ「ああ、適当でいいっすよ、特に希望はないし。かりあげでなければ･･･」と言った私にあれこれ本を見せ、一応は選んでもらわないと、といった雰囲気。しょうがないので、自分の髪の長さから出来上がりそうな長さで、これならアホに見えないだろうと思うような髪型を選び「ま、こんな感じに近かったら、ということでお願いします。」と言った。このO君はあまり媚びる様子もなく、しゃべりの間合いも決してうまくはないけど、髪を切っていくうちにぽつぽついろいろとお互い話す。「このへんの方ですか？」というので「いや、出身は京都で今はロンドンに住んでるけど、母がこの近くで入院してるんで、空き時間で髪の毛切ろうと思って。」と言うと少しずつ「うゎ、ボクUKの音楽好きやし、一回行きたいんですよね。」みたいな話になった。ロンドンでの生活はどうとかこうとか、だんだん話しているうちにできあがった髪型は結構いい！ほぉーこういうやり方があったんか、という感じで、喜んで5000円（プラス消費税）払う気になれた。その後、5月は休暇でダンナと一緒に帰ったので、二人でまたその美容院に行った。今回はなんか特別のキャンペーンをやってるとかで、500円プラスですごいシャンプーをしてくれるらしい。ここでけちっても、と思い、そのシャンプーを私だけお願いしたら、なんとそのシャンプーをしてくれた女の子の技術のすごいこと！「プロの美容師さんに言うのは失礼かも知れんけど、アナタ本当にめちゃくちゃうまいねー！こんな気持ちいいシャンプーって生まれて初めてやと思うわー。」と感嘆して言った。なんでもまだ2年めだったらしいけど、この女の子のシャンプーのうまさには驚いた。だいたい美容院でのシャンプーは気持ちのいいものではあるが、この子のシャンプーはなんというか、体が全部ほどけてしまうほど気持ちがよかった。体全体がぼわぼわになった。慢性の肩こりの私の肩のツボも見事に心得ていて、あぁ～っ、とあられもない声を出しそうになった。「あなたも肩こりでしょ？」と言うと「わかります？」と言われた。そうなのだ。肩こりの人間のツボをいちばんよく知っているのは、何を隠そう、肩こりの人間だ。ほてほてになった自分を体ごとO君の前に座らせ、カットしてもらった髪型も自分のお気に入りだったからたまらない～！この間と同じかそれ以上にO君のカットは素晴らしい！ダンナもO君にカットしてもらったら、またそこが気に入ってしまった。（注．だいたいダンナは初めての経験について不平を言うことは非常に少ない。いい性格だ。）その京都の美容院が気に入ってしまったおかげで、ダンナはあげくの果てに、ロンドンにいる間はまた自分で切って日本に帰った時だけそこで切ってもらうと言い出した。（おいおい、それは困るぞ。）いやー、やっぱりいつもかも美容院に行くわけではないから、美容院に行った時くらいはそれこそ「Hair Down」という表現のようにだらーっとしながら、完成に向かって一直線の美容師さんたちの手元にほれぼれしていたいと思う。今、O君が切ってくれた髪がだいぶ伸びてきたので、そろそろ切りたいし、またこっちのあの日系美容院に行ってみようかとちょっと迷っている。でも、母の様子を見に、また私一人で来月の末に京都に帰るから、やっぱりその時までがまんしようかなと思う。そして、ダンナはと言えば、ロンドンであの関西弁の美容師の女の子に切られた時のことをいまだに一人で時々怒っている。（核爆）

2003年07月30日

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