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女神たち

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May 14, 2023
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カテゴリ:讀書録


序章で 木星の大赤斑のなかで謎の遺跡が発見されたシーンでは興奮しました

『2001年宇宙の旅』のモノリスや 『星を継ぐもの』の月面の人骨に匹敵するような興奮でした

ただでさえ 大赤斑の存在自体がけっこうな謎なのに その中にこんなものが なんて

すごいオープニングで このあとのハードSF的な展開に 期待が膨らみました


ところがどうしたことか・・・

第1章ではじまったのは 人類が小惑星隊に進出した時代

民間の輸送船などを襲撃する宇宙海賊が跳梁跋扈し

船外でも宇宙服を必要としないよう人体改造を行った《酸素いらず》の国の

宇宙戦艦が海賊を摘発しています

その一隻 強襲砲艦エスレルの艦長アダムスが本書の主人公なのですが

なんとアダムスはスカートを纏って女装している美少年! って

あれれ 表紙イラストからしても ごりごりのハードSFかと思ったら

ウレシハズカシ・キャピキャピのラノベだったのでしょうか ちょっと苦手かもしれない

などと一瞬思ったのですが

あの2巻でその起源が述べられた 冥王斑保菌者の国家「救世郡」も絡んで

アダムスたち《酸素いらず》と 海賊の女首領イシス 救世群の議長グレアなど

癖のある魅力的な人物も登場して 複雑な物語を一気に読んでしまいました


そして 全てが決着したあとの断章四には 驚かされました

この『天冥の標』シリーズの本筋とは何かが すこしですが明かされます

そこでは 最後の戦闘場面で AIフェオが残した言葉の意味もあかされ

この『天冥の標』が描き始めている 本当の物語の一端が垣間見えます

これは ぐずぐず読んではいられません


​​『天冥の標Ⅲ アウレーリア一統』​​

 著 者 小川一水

 発行所 早川書房 ハヤカワ文庫JA 1003

 初 版 2010年7月15日

 目 次

   序章 赤い嵐の底にて ―二十三世紀、木星―

  第一章 太陽風にフリルをはためかせ ―西暦二三一〇年―

  第二章 酔いどれ星の路地裏で

  第三章 《酸素いらず》どもの城

  第四章 星火、はじけて

  第五章 淵にまたたく

  第六章 仮泊者への訪問

   終章 漂流者の仮泊

   断章四





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Last updated  May 14, 2023 08:11:29 PM
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