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カテゴリ:讀書録
十余年にわたる私的なSF読書冬眠期間を終えて SF読書を再会して1年 読書力を取り戻すためのウオーミングアップとして 冬眠期間中に発行された SFアンソロジーを読みはじめましたが これが結構数が多くて この『NOVA』シリーズも道半ばの第6巻までようやく辿りつきました そして シリーズを通して 知らなかった数多くの作家さんに出会えました まあ そのために読みたい本がどんどん増えてしまって 正直手におえない状況になっていますが 本書も大森氏いわく 「新人作家特集」ということで 何人も はじめましての作家さんに出会えて これがまた面白い作品ばかり それに加えて ベテラン作家さんもさすがの逸品を繰り出していて 大満足でした 巻末の宮部みゆきさんなど こんなゴリゴリのSF書いていたんだと 嬉しい再発見でした といっても 12年ちかく遅れてる私がまぬけなだけですけど・・・ 『書き下ろし日本SFコレクション NOVA6』 編 者 大森望 発行所 河出書房新社 河出文庫 お20-6 初 版 2011年11月20日 収録作品 『白い恋人たち』 斉藤直子 著 思わず奥付を見直しましたが 間違いなく新型コロナのはるか以前の作品ですよね マスクで顔を隠した学生時代を送った若者達の中には こんな経験をした人がいるかも 『十五年の孤独』 七佳弁京 著 ひたすら軌道エレベーターを人力で登攀するだけの話なんですけど とてもとてもSFマインドを感じました 『ガラスの向こうの恋人』 蘇部健一 著 とにかく時を越えた恋の話に弱くて ついつい評価が甘くなるんですけど 本作のラストにはすっかりやられました ちょっと気になる点はあるけど 『超現実な彼女 代書屋ミクラの初仕事』 松崎有理 著 この半年ですっかり松崎ファンになってしまっているので なにも言うことはありません このシリーズも残り早く読みたいです 『母のいる島』 高山羽根子 著 どこがSFというだけあって不思議な作品ですが この世界の雰囲気は好きかも 『リビング・オブ・ザ・デッド』 船戸一人 著 生の舞台を鑑賞した経験もない 舞台芸術にまったく造詣のない私ですから 本作を理解したとは言えませんが SSという機械を装着して感情を共有する この世界は恐ろしいディストピアであることは感じました 『庭、庭師、徒弟』 樺山三英 著 庭園は宇宙 庭園は哲学 庭園は思考 庭園は実存 ふむ 実に面白い なのかな 『とんがりとその周辺』 北野勇作 著 またしても出現した北野勇作ワールド どう処理すべきか いまだに解決できない私です 『僕がもう死んでいるってことは内緒だよ』 牧野修 著 なんらかの災害により 若者が記憶する能力を失ったディストピア 機械でそれを補おうとする試みもむなしく 社会は変容し続ける 『保安官の明日』 宮部みゆき 著 保安官が登場して アメリカの田舎のお話かと思ったら あっと驚く シンギュラリティ後のディストピア 宮部みゆきさん こんなごりごりのSF書いてたんだと十数年遅れで驚かされました お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 11, 2023 03:17:38 PM
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