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テーマ:S-Fマガジン(39)
カテゴリ:SF雑誌
残念なことに 追悼特集がお二人という 本号 お二人ともまだお若くて これからもまだまだご活躍が期待されていたのに残念です 津原泰水氏の作品は S-Fマガジンやアンソロジーに掲載されていたものを数編読んだだけですが 独特の研ぎ澄まされた世界が織りなす シュールな物語が印象的でした これから残された作品を 少しづつ読み進めていきたいと思います 特集としては 短編小説が3編 『イハイトの爪』 (1996) 『Q市風説(斐坂ノート)』 (2004) 『斜塔から来た少女』 (2011) ご自身で描かれた未発表のコミックが1編 『パピヨン・ブラン』 書き下ろしの童話が1編 『おなかがいたいアナグマ』 (2021) 私ごときが軽々しく感想を述べるなんて恐れおおいですが 多才かつ多彩な作品に あらためて嫉妬すら覚えるほどでした 鹿野司氏は S-Fマガジン連載の「サはサイエンスのサ」を楽しく読ませていただいていました そこには 単なる科学情報だけでなく 氏のバランス感覚に基づく鋭い指摘が必ずあって いつも ハッとさせていただきました 今回の追悼特集の傑作選も読んで あらためてそう思いました まだ63歳だったということ 本当に残念です 特集以外では 読み切りの海外短編が3編 『タイムキーパーのシンフォニー』 (2022) ケン・リュウ 著 古沢嘉通 訳 時間に関するいくつかの物語が述べられ 時間とは結局何なのか 考えさせられました 『魔女たる女王になる方法』 '2021) シオドラ・ゴス 著 原島文世 訳 魔女とか魔法とかは苦手のジャンルなのですが グリムの登場で俄然面白く読めました 『はじまりの歯』 (2018) エマ・トルジュ 著 田辺千幸 訳 本作も苦手のジャンルかと思いましたが 身体の傷や欠損は再生できる女性達が なぜ出産すると死んでしまうのかという謎に引き込まれてしまいました やっぱり 私には(へ)理屈が必要なのでしょうね その他の評論・コラムでは 伴名練氏の『戦後初期日本SF・女性小説家たちの足跡』 第7回「革命・ソ連・エゾ共和国・失踪。謎多き闘争の作家―藤本泉」 謎多きその生涯が不思議すぎて興味深かったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 18, 2023 11:52:27 AM
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