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女神たち

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May 17, 2024
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カテゴリ:讀書録


本書も 時々やってる 未知の作家さんの一冊を事前情報完全に排除して読んでみよう

などという 当たりかハズレか大博打 で選んじゃいました

まず最初に 本書がアガサ・クリスティー賞優秀賞受賞作品の

同じ主人公が登場する第2弾だということに気付いて ちょっとショック

そして 世界史苦手な私にとって 18世紀のフランスの修道院が舞台であることに

ウンベルト・エーコーの『薔薇の名前』が脳裏に浮かび

難解な哲学や美学にカトリックの宗教哲学が出てきたら もう降参するしかないと恐れました


しかし これは当代流行の お嬢様と優秀なしもべが探偵役の ちょっぴり恋バナありの

軽めのミステリだとわかって一安心 文章も優しく読みやすく スラスラ楽しめました

そして 事件の背景である 当時のフランスの宗教事情にも 興味をひかれました

異端尋問による残酷な拷問や処刑が この時代まで存続していたことや

厳格だと思っていた修道院が 貴族の娘の花嫁修業のために利用されていたとか

それらが 難しい用語の羅列ではなく 登場人物たちの言葉で語られ

かなり分かり易く 勉強になりました

それは 巻末の参考文献のリストから わかりますが

作者がかなり勉強されて 理解したうえで 物語に落とし込んでいるからでしょうね

これは 第一作も読まねばなるまいのう いつかは・・・


そして 本書の物語とは関係ないですが

やはり 宗教というものは 人類の歴史において 多くの悲劇をもたらしてきた悪であるのでしょうか

そこで どれだけ理想が語られようと 人間には運営することが許されないものではないでしょうか

本書を読んで あらためて感じました


​『異端の聖女に捧げる鎮魂歌』​

 著 者 宮園ありあ

 発行所 早川書房 ハヤカワ文庫JA 1566

 初 版 2024年2月25日







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Last updated  May 17, 2024 04:55:24 PM
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