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カテゴリ:劇団☆新感線
今回は、座長のいのうえひでのりが、久しぶりにマジ語りをしています。昔の紙会報だと冒頭に文章を寄稿することはあったけれど、WEB会報になってからこんなにちゃんとファンに向かって何かを語ることは珍しい。パンフレットとかの対談形式ではちょろっとあるけど。
まずは「荒神」について。 もういのうえさんは劇団☆新感線の演出家&座長というくくりで納まる人じゃなくなっているのですね。それに新感線の劇団員も公演ごとに誰か新しい人を受け入れるということに慣れてきて、新しい人たちを盛り立ててよりよいものを作るという土壌を完璧に提供できている。スタッフの技術の高さも目を見張る新感線だけど、トップの首を挿げ替えるだけでいろいろなスタイルの芝居を打てるという役者たちのスキルもある意味凄い。殺陣満載のアクション、おバカな芝居、果てはミュージカルまで。 やっぱりいのうえさんは、「ファンの何かに対する強い執着」に対する的確なお膳立てって得意なんだと。今回はきっちりと「アイドル芝居を作って成功させる」っていう明確なヴィジョンをもって作っていたわけで。剛くんのファンサイトを見てみれば分かるけど、間違いなく今回のジンは『森田剛』という【アイドル】が日頃作り上げている偶像を完璧な形にして、彼の魅力を余すところなく映し出している役。「ファンが欲しい」と思っているものを、その思いを受け止めつつより増幅させて提供しているわけ。かつて粟根さんをエセビジュアルとして売ったときと同じ感じかしら?? 蘭兵衛で打ち出された偶像を増幅させたオグナみたいなね。 そして今の演劇界の深刻な問題にもちらっと触れてます。演出家と座長としての苦悩みたいな。劇団単独で公演を打ち、人材を育て、拡大していくというのはものすごい労力を伴う。拡大しなくても維持するだけでも大変。でも創作というのは新しい風がないと続けられないと思う。現状維持では自己満足ってことでしょ? NODAMAPの成功は、いい演出家、いい脚本家に、いい役者を集めるからで、もしあのまま遊眠社のままだったら野田さんだっていい作品を書き続けていけたか。 「いい役者」を作る環境が日本にはあまりありません。演出家が欲しい人材を的確に提供できる環境って結構大変で。義務教育のようにある期間の教育が終わればみんな「いい役者」になれる訳でもないですし。 ジャニーズ、宝塚、歌舞伎界が今それが出来ているところか。それぞれきっと膨大で継続的な資金力と労力を持っているところではないと無理で。10人いて、10人すべてが金の卵だったら力を注いでも見返りはあるけれど、そんなはずもないし。そんな「金の卵じゃないかもしれない」卵を温める続ける力って重い。 いのうえさんもそこらへんとのパワーバランスやリスクをちゃんと考えてくれているってことが分かったのでそれだけでもよかったです。劇団のファンがチケットが取れなくて悔し涙を流していることも伝わっているようだし。徐々にあの事務所との力関係も解消されていければいいんじゃないかと、しょうがないから信じて待つことにする。 「ゲキXシネ」 えっと・・・「アカドクロ」より「アオドクロ」のほうが【映像作品としては】は面白くできてます。っていのうえさん・・・・【映像作品】っていうくくり具合が面白すぎます。馬鹿なファンは変なかんぐりして苦笑いをしてしまいました。 なんだったら【映像作品としても】「アカドクロ」の方がいいと思えるように編集しなおしていただいても、いいですよご自身で。間違いなく私は買いますから。 「SHIROH」 本当に高い望みをお持ちの貪欲な演出家さんだとつくづく。あれだけの公演の成功は認めても自分の目指しているものと違ければ失敗作だなんて。他の演出家が聞いたら怒り出しそうですけどね(笑) 映像版よい仕上がり具合みたいで楽しみでございます。 そして「吉原御免状」 大人の「いのうえ歌舞伎」なんですね、【エロティック&バイオレスな艶っぽい活劇】めちゃくちゃ楽しみじゃないですか!! 『つっつん&ふるちん』という文字面を見ただけで心拍数が上がってしまいます。 写真がまったくない、ぐっとまじめな会報だったけど、たまにはこういうのもいいと思いますよ。秋まで公演もないことですし、次は中島さんにでも語っていただいて。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 29, 2005 11:48:16 AM
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