つららの戯言

　本日は土曜日出勤、午後早退して青山へ。

　お隣のファーストキッチンで時間つぶし＆トイレ拝借していたら、ばったり昼の部を見てこられたももさんと遭遇。運命のめぐり合い。男女だったら恋に落ちているのやもしれません(笑)

　本日の席は前回より2列ほど前のセンターブロック。見やすいお席であります。全体も見渡せるしね～。と思ったら新しく買った眼鏡の度が軽く(仕事でパソコンを見るよう）してあるから表情ぜんぜんみえないんでやんの(号泣)
やっぱり・・・『芝居用』の眼鏡も買うべきだろうか。


　せっかくの良席を眼鏡のおかげで軽く台無しにされながらも鑑賞。舞台転換、登場場所、話の流れ、がわかった上での2度目の鑑賞。とりあえず細かいところも見届けられました。
　
　[初回からの変更場所]

　１．勝山を助けに行く誠さまと水野様。初回はスローモーションで走るシーンを演じていたのだけれど、今回は実際に盆の回るステージを走り抜けて最初の場所へ戻ってくるという展開に。そのほうが明らかにテンポも疾走感も上がりよい感じ。役者は大変だけどね。

　２．最後の義仙ｖｓ誠さまの戦い。最後の義仙のヤラレ方が変更あり。
誠さまの小刀を義仙の足元に突き刺す、それを抜いて義仙が二刀流で振りかぶる。そのとき誠さまの刀が義仙の頭上から振り下ろされる。そした義仙の体を縦に走る赤い閃光！　原作に残る「腕だけ切られて瀕死の義仙」という設定を真っ向から否定して、完全に『裏柳生』は壊滅という形になってます。
　いきなり1週間で照明さんにわがままをいう演出家。スタッフさん頑張れ！

　３．五平風呂に突入する義仙と狭川。兵末を押し倒して壁を撃破するんだけど、最初は撃破すると舞台上に撃破した壁の破片が飛び散っていたの。それを義仙は台詞を言いながら踏み越えていくんだけど、その後ろで粟根さんがせっせと拾うのよ(笑）その後に乱闘シーンや虐待シーンがあるので邪魔だからね。でも今回なくなってました、壁の飛び散り。やっぱり客の視線が集中しちゃうからかしら、壁を拾う狭川くんに。「まめなのね～」って思っちゃうしね。一人緊張感ぶちぎる狭川くん、かわいかったのに・・・


　[総括]

　『きたーーっ』　

　やっと、『吉原御免状』本公演開幕といった感じ。私的には、初日から今日まではゲネプロだったに違いないとみなします。
　だって、初日はほんの流し、アラスジをご覧にいれただけだっていう気がするほど、芝居のテンポも感情の起伏も、舞台転換も、照明の妙も違うんだもの。これがあるから新感線の芝居は恐ろしいのよ。ああ、地獄極楽巡りが始まるのだわ～。気持ちは最高に盛り上がるけれど、財布の中は悲鳴をあげる、まさに地獄極楽の極致。

　とりあえず懸案事項の一つだったばたばたという舞台転換の時の足音、雑音は解消された。きっと何度も練習を重ねたんだろうと推察される。スムーズにセットが動くと転換の多さもあまり気にならない。いろいろな種類の朱色の格子が重なると絡まった人々の縁みたいです。赤い縁。
　あと、おひょうさんの台詞もかなり入ってきたのでもう一息といったところ。でも、やっぱりちゃんと台詞が入ってきたので、ぐぐっと密度が濃くなったかな。これでちゃんと安定してきたらもっと吉原道々の輩たちの悲哀も伝わってくるのかもしれない。まだ「間」なんだか「台詞が抜けた」のだかわからないところがあるので不安なんだもん。

　古ちゃんの極悪非道が濃くなってまいりました。いや～っいいっすよ。悪いです、非常に悪い人です。でもその悪い人が一瞬誠さまの断ち筋に慄いたりするんです。やっとそういう機微みたいのが殺陣に乗り始めました。アクセル踏み始めたのか、殺陣が体になじんだので次の段階に突入したのか・・。
　勝山の薄幸さ、けなげさ、強さ、弱さが濃くなってきたので、それを貶める義仙の悪さがより際立って。同じことをしているはずなのに最後の処刑の場面は目を背けたくなるほどの惨たらしさ。

　その義仙の極悪非道ぶりが明確になると、純粋でまっすぐな心の誠さまとの対比がはっきりとしていい。流れるような誠さまの太刀裁きと荒々しいなぎ倒すような義仙の太刀裁き。堤vs古田の戦いは見ものです。　
　義仙ｖｓ誠さま　もいいですが、　若い幻斎vs庄内　の戦い好きです。幻斎の刀が中国風になるのででかい堤さんが振り回すと最高にかっこいい。

　舞台全体のテンポも上がり、最後の勝山悲恋の所で最高になるのだけれど、やっぱりあそこはもうちょっとタメが欲しいなぁ。叫んで、刺して、爆破！だとなんかすぐにスモークで二人の姿が見えないんだもの・・・。

　問題があるとすればやはり高尾太夫。もう少しエピソードがあれば彼女の強さや包み込む優しさとかが現れたのかもしれないけれど。勝山を失い、自分の中に鬼を認めた誠さまを丸ごと全部引き受ける女。それが彼女。吉原の女全部の思いをまとめて誠さまにぶつけるはずなのになぁ・・・。　なにか、なにかのはずみで大化けしてくれたりはないだろうか・・・。

　次回はまた来週の3連休！また変わっているかなぁ・・・のびたくんはドラえもんにわがままを言っているんだろうか。言っているほうが面白い芝居になるからいいんだけどね。

　あ、そうそう。本日のカーテンコールでは古ちゃんがじゅんさんのお尻を揉んでおりました。しかもカーテンコールがあるたびに(爆)　あれじゃ攻守交替？？　あれで、じゅんさんが隣にいる粟根さんのお尻を揉んだら最高に可笑しいのに。ま、それはありえないっすかねぇ～。そうそう粟根さんといえば、カーテンコール中ず～っとぶっすっとした顔をしておりました。日ごろ普通でもぶす～っとした顔をされていることが多いのに今日はいつもにもましてハードに機嫌悪い顔してました。あれはなんですか、やっぱり幕張の東京ゲームショーにいけないからですか？それとも秋葉原のヨドバシにいけないからですか？