つららの戯言

いろいろな思いを抱えてしまった千秋楽ですが、とりあえずレポなどを。
（同日別日記、ご参照ください）

大変申し訳ないのですが、大阪千秋楽、芝居の出来としてはよろしくなかったと思います。

舞台上も、客席も、非常にヌルく、落ち着きがなく、だらだらとグダグダな印象。

そう感じた理由が２点。


１.村木仁の存在

　今までは、比較的、生ぬるく彼の存在を認めていた。認めていたといっても「肯定」とか「賛成」という意味ではなくて。純粋に「認めていた」

　けれど、今回は明らかに不必要な、意味のない演技が多すぎて目に余る。目に余るを通り越して、非常に鬱陶しい。

　オーエ国副長という立場の役どころ。シュテンを支える立場じゃないのか？なのに、その雰囲気もイメージもなにも持たない演技に、彼を起用する演出家の意向がまったく見えない。逆木さんで何がいけないというのだろう。

　千秋楽の日、彼は無用な笑いを誘うような演技を繰り返していた。演技じゃない小手先の変な動きだけだ。会場から漏れる笑いを彼は「ウケテイル」と感じたのだろうか。それは明らかに失笑。呆れているのだ。明らかに場違い、舞台上の流れを止めているのに。

　新感線は「客演の人を呼んで、脇を劇団員が固める」という趣向を取っている劇団だ。オーエ国軍は真木さんを主軸にしているはずだ。都の民に「鬼」と恐れらる山の民だ。その副長がおちゃらけてどうする。自分がウケルために、その場の流れを止めるなんて本末転倒。

　自分を殺して主を立てられないようならば、必要ないと思うだが。

２.罰ゲーム


　遅刻や小道具のミスなどのポイントが溜まると罰ゲームがあるのが新感線の慣わし。それは客演の有名人だろうが、若手の劇団員だろうが例外はない。

　水着で歌わされたり、ふんどし姿になったりと、その日限りのスペシャルイベントが発生するのでお客さんは大喜びだ。


　だけど・・・。

　主要キャストである古田新太が、舞台衣装のまま、劇場入り口で幕間にサイン会をするというのはどうなんだろう。

　確かに、近くで見れるのは嬉しいし、すごいサプライズだと思う。それに、古ちゃんにとって、舞台上で歌ったり、踊ったりするのは罰ゲームにならないんだっていうのも聞いたことがある(笑)


　でも、ちょっとやりすぎなんじゃないかなぁと思うのです。

　そのイベントのお陰で、トイレに行き遅れたのか２幕途中で入って来る人の多いこと。むやみに劇場内をざわつかせることはよろしくないと思うのです。そうじゃなくても今回は比較的場内が落ち着かない方が多かったのに。（そういえば、２階脇で「金」って大きく書いた紙をカーテンコール時に掲げてて係りのお姉さんに注意されていたお嬢様方が・・・。ふぅ～・・・Ｊかよ、おいおい）

　それに、古ちゃんの幕間のサイン会、大阪で２回目のはず。こんなに短時間で２回も罰ゲームを受けてしまうという状態もどうなのかと。弛んでない？？ちょっとそう感じだ。なにが原因だか分からない罰ゲームだけれども。

　

　肝心の染さまも、「やり遂げた達成感」というより「やっと終わった」っていう疲労感だけが出ているカーテンコール。
　「特に言うこともありません。長かったです。」という言葉が物語っているような。
　そしてやっぱり私は「新感染」が好きではないです。彼は「新感線」の舞台に立っているのではないのです。「新感染」の舞台にいるのです。じゃあ、別にいいじゃない、別の方法で舞台を作れば・・・って思ってしまうのです。迎合する必要もないけれど、一体感とかも必要だと思うのですが。染さんが主役の時だけ、ぽんと浮き上がっているイメージがあるんです、やっぱり。


　儀礼的に煎餅を配り、「もう勘弁してあげたら？」って思うぐらいのカーテンコールの数。すこし覚めた感じで見てしまう自分がいました。新橋は物凄い興奮して盛り上がっていたのに。


　いつもと変わらず、きちんと最後まで続けた秋山さんと高田さんがとても素晴らしく感じだ。

　もう一人の朧は・・・結局「声だけ」のイメージを拭うことができず。慣れてきたんであろう殺陣はおざなりに刀を振り回している印象が強くなり、ますます悪くなるばかり。


　観方も、演じる方も２ヶ月以上という長丁場に、何か切れてしまったのかもしれませんね。