沖縄日和、改め四十路目前のゆるい日常

バレンボイムが弾き振りすると言うので行ってきました。
サントリーホール満員御礼！
演目は、ベートーベン
ピアノ協奏曲4番
交響曲3番英雄
帝王ですから、チケットも帝王級。
Sが25000円。私は、ケチってA席22000円。
このケチったのが良くなかった。
ホール右端の1階18列40番と言う席。
２階のせり出したところの下で、ピアノを聴くなら
左より、右が反響板の具合もありよいと思ってこっちにしたんだけど。
この席が良くなかった。
管楽器の残響がすごく響く。
弾き振りのため、ピアノの位置が客席から真後ろになり、しかも指揮をするため反響
板がはずされている。
バレンボイムと言えば、ベートーベンと思っていた私ですから、かなり
楽しみにしていたのですが。
確かに、ピアノソロ部分はさすがと思う部分もあったけれど、ベートーベンのコン
チェルトの難易度自体はそれほど高いほうではないし、やっぱりオケとの調和が...
ピアノとオケとの掛け合いがイマイチしっくりこない。
しかも反響板がないせいか、オケとのハーモニーが全く聞こえてこない。
私には、バレンボイムのペダルを踏む音ばかり聞こえてきてしまった。
そうなると曲に集中するどころではない。
そして、泣きっ面に蜂のごとく、私の後方から、とんでもない大きないびきの音が！
しかも失礼なことに、このいびきの主、曲が終わる２秒ほど前に起き、曲が終わると
同時間髪入れないで、大声で「ブラボ！！」
私の周りの人は、怒りを通り越しあっけにとられる始末。
(皆高い金払っているんだぞ!）
英雄は、まあ普通。
良いんだか悪いんだか...
席のせいなのか、私の好みなのか、全くベートーベンの生き生きした魂を感じられな
かった。
ホントに普通。たぶん国内のオケのほうがずっと良い。
なんだか、バレンボイムの指揮する姿、ジャックニコルソンが酔っ払って暴れている
風にしか見えずなんとも滑稽だった。
指揮する姿もパワフルでもなければ美しくもない。
アンコールで客席に挨拶する姿は、確かにチャーミングで素敵な音楽家なのだろうな
あと思ったけれど。
まあ、ブラボーの嵐だったし、皆満足したのだろうが、なんだか、帝王が裸の王様に
見えてしまった。
このオケそもそもオペラの伴奏オケだから、まあこんなものかな。
もっと完成度の高いオケだったら、弾き振りはしないかもねと、思ってしまった。
決して悪くない音だけど、好みじゃなかった。深みがないというか・・・
でも、もっと編成の少ない曲ならまだしも、ベートーベンは指揮者か、ソリストどち
らかに徹したほうが良いと思った。（私の前の席にいたご婦人方も休憩時間にそんな
話しをしていた）
バレンボイムの名人芸が見られたことは貴重な体験として。
１０月にバレンボイム音楽監督のオペラのほうも鑑賞。
こちらのほうは期待したい。