なんでんかんでん。

私が所属するマンドリンオーケストラの会報に、
何か書いてよ、と依頼がありました。
「Ａ４のスペースを１枚あげるから好きなことを書いていいよ」
といわれてもなあ・・・
ということで、私のマンドリン履歴をつらつら綴ってみました。。。




私が当団に入団したのは何年だったか定かではないのですが、
５月か６月でした。
楽譜をもらってすぐ「７月の県マン連にも出演してね」と言われ
ビックリしたことを今でも鮮やかに思い出します。
そして、人生の約半分をマンドリンと共に過ごしていることに、
空恐ろしさすら感じる今日この頃です。

私がマンドリンを手にしたきっかけは中学生時代に遡ります。
当時はアイドル全盛期。
松田聖子と人気を二分していた河合奈保子が、
ベスト10番組の中で「私はマンドリンクラブに所属していましたぁ！」と
（今にして思えばかなりたどたどしい）トレモロを披露しました。
その可憐な音色に魅かれると同時に
「この人にできるのなら私にだって！」と意味不明なライバル心を燃やし、
意を決したのでした。

念願かなって大学でマンドリンクラブに入部し、
就職は地元に戻れたので当団へ入団しました。
入団当初は2ndだったのに、
わけのわからないうちに1stにトレードされ、
気付くとTopの重責を担うようになっていました。

ゴッドマザーTさんから「若い人に譲る」とバトンを受けたMさんが
「任せたよ」と手の届かないところへ駆けていってしまい、悲嘆にくれているのに、
追い打ちをかける如くその重責が私の所へ回ってきました。
途方に暮れ、レッスンをしてもらっているT橋先生に相談すると、
開口一番「アナタの他にいないワケ？」とのお返事。
役員会では「仕方ねェやろ」のひと言で片付けられ、
総会ではありがたいことに皆様から信任をいただき、
会長には「今さら恥ずかしがるトシでもなかろう」とハッパをかけられる始末。

私の中では常に「こんな私でいいのか？否、やらにゃイカンのだ」
との思いが逡巡しているのですが、
皆さんのお言葉には「仰せの通りです」とうなだれるしかありません。
私の周りのマンドリン関係者は歯に衣着せぬ人たちだと、
嬉しかったり泣きたくなったりです。

マンドリンを手にした月日の長さと技量は必ずしも比例せず、
身体だけは正直で年齢を感じるのが悲しいところ。
右ひじ痛を気にしながら演奏するようになった今、
自分からマンドリンを引いたら、
何の取り柄もない人になってしまうことに気付きました。

技量は一朝一夕で身につきませんが、
良いものを見たり聞いたりして心を豊かにして間口と奥行きを広げ、
アンテナは磨いておこうと心がけています。

まあ、どう言っても。
あの日、河合奈保子にライバル心を燃やすことがなかったら
今の私はなかったわけですが…。