ゴミ袋にかんかんのかあさん。
さて、大型荷物以外の細々した物は、段ボール箱とか、ゴミ出しに使う青い大きなゴミ袋に詰め込んでいた。
それらを運び込んで、次々に玄関に降ろしていると…
その日は、ヘルパーさんが来ていた。
ヘルパーさんが私たちの気配を察知して玄関口に顔を出した。
で、かあさんに、
息子さん、来はったで〜
と…
あちゃ〜
かあさんが出て来てしまった!
かあさんが気付かずにテレビでも見てる間に、さっさと運び込んでしまいたかったのに…
そこからは、かあさん大騒ぎ。
私たちは、玄関入ったスペースに、引っ越し荷物である青いゴミ袋を幾つも並べて置いてたのだ。
ひゃあ!
なんやねん!
なんでこんなゴミ持って来るねん!
かあさんは、大きな甲高い声で叫び出した。
どういうつもりや。
こんなたくさんのゴミ!
もう、まいるわ。
かあさんの甲高い声。
だけど無視して、夫は荷物を降ろし、私はそのゴミ袋を黙々と2階に運んだ。
1階でかあさんの声が響き渡っている。
あのこら!
ゴミを山のように運びこんで。
ひどいことするわ。
同時に、ヘルパーさんの声も響き渡っていた。
違うで。
息子さん、荷物持って来はったんや。
と、ヘルパーさんが言ったところで、興奮状態のかあさんは聞く耳持たず。
どういうつもりや、あのこら!
ひどいことするやろ!
と、かんかん。
かあちゃん、かあちゃん!
息子さん、荷物を運んではるみたいやでー!
このヘルパーさんは、かあさんのお気に入り。
かあさんのことをかあちゃんと呼ぶ。
この若いヘルパーさんの声がまた大きくて、甲高くて…
無論、ヘルパーさんは耳の遠いかあさんのために、余計に声を張り上げて喋っているんだけど。
かん高い2人の声が同時に響き渡って、叫び合ってるように聞こえてたから、もうカオスだ〜
早く、早く、青いゴミ袋をかあさんに見えないよう2階に運んでしまわないと…
だけど、青いゴミ袋は、幾つも、幾つもあるのだった。
しばらく2人の甲高い大声は響き渡り続けたのであった。
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