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カテゴリ:耽読日記
トラ猫ミセス・マーフィーのこのシリーズ。大好きで、文庫本はすべて所有しているのですが、なかなか新刊が出ないんですよね。
なかなか出ないから、ようやく出た時でも、アマゾンなどでの「お勧め度」も低くなりがち(あれって直近で買った書籍の傾向が強く反映しますもんね)ゆえに、見落としやすいんだな、もう。何のための「お勧め」だか。 で、今回も、通りすがりの書店で偶然見かけて買ったんですが、出てからしばらく経ってたのかな。やれやれ。 このシリーズ自体はもう19作も発表されてるらしいのに、翻訳は全然追いついてなくて…なかなか出ない原因は翻訳にあるよう。なんでだろう。売れないから?それとも訳者のせい? ともあれ、久しぶりに新刊が読めるのか、嬉しい。ちょうど週末、しかも雨の土曜日になったので、買い物などは割愛し、夕食はあり合わせで済ませることに決定して、どっぷり集中して読んじゃいました。
このシリーズは、登場する動物たちが擬人化されてて、動物たち同士の世界を形成しているのが特徴、かもしれないです。犬と猫…に、馬やフクロウやオポッサムは会話できるのに人間とだけ会話しない…あはは。人間同士の会話には小説としてのリアルさがあり、ケモノたちの会話には心理描写のリアルさがあって、この二重構造は面白いなって毎回思ってます。 今回も、馬の会話に置き換えて、一線を退いているベテランと、中心で活躍している現役と、期待の若手の立場を、本音だけじゃなくて建前とかプライドとか意識とか、馬らしく?率直に表現されてていい。こういうの、地の文章で書かれると説明的で説教臭くなる気がするけど、ケモノでも立場を設定して会話体で書いてくれると流れで読めますもん。 コージーミステリとしては、ちょっと血生臭さが強いところのあるシリーズではあるのだけれど、私は毎回そんな風なケモノたちの会話を楽しみにしているのでした。 今回はオポッサムが直接は登場しないし、狐は駆られる方でしかないのが残念。 でも、主役の猫猫犬の3匹の、本音をぶつけ合いつつ、相手の長所は認め、自分の権利は主張し、しかも悔しい!とか羨ましい!って感情も隠さない感じは相変わらず。こういう付き合いって、せいぜいが中学生までだったよなぁ、いいなぁ、って、そう感じるところが気に入ってる理由の一番なのかもしれないな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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