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猫並生活

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2011.12.09
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カテゴリ:観劇日記
初めて当たった解体新書。今までは、ハズレだったり申し込み忘れたりでなかなか行かれずにいたので「当たんないんじゃないの?」って勘繰ったりもしてたんだけど、ようやく見られましたゎ。

でもねー、均一料金なのに3階席ってのはちょっと悔しい(笑)

ともあれ、今回のゲストは検校さんだもん、ちょっと楽しみ。現代に、まだ検校さんが存在してるなんてびっくりです。

時代小説以外でも、邦楽…と、いうか、特に地唄をお稽古していると検校さんはお馴染の存在です。あの六段だって八橋検校ってお方の作曲だもんね。っていうか、逆かな。六段と言う名曲を生んだ功績によって検校になれたのかも。お弟子さんいっぱい、お金いっぱい、だから検校の位だって買えちゃう(爆)

だから、名曲の作者なのに勾当だったりすると、ああ、早死にしたんだって思う(大爆)

ともあれ。明治になって盲人互助組織である当道座が廃止されたと同時に検校って位も亡くなったのだとばかり思ってました。

今日のゲスト、検校さんは、今井検校勉さんという平家琵琶のヒト。それと、音楽の研究者である大学の先生と。

で、テーマが「語り」。なるほど、昨日聞いたばっかりのBプロと関連があるんだ…

というわけで、今日は、狂言「奈須与市話」と平家琵琶「那須与一」を聞き比べられられました。昨日の狂言は万作さんで、今日は萬斎だから、そっちの意味でも聞き比べられたのはラッキーだったかも。

私は、平家物語を語る琵琶の曲はすべて平曲と言うのだとばかり思ってましたが…なかなか、これが、複雑。まったく知らない世界でした。そうか、普段見る(聞く)機会のある琵琶って、主に薩摩琵琶か筑前琵琶なんだ。上原まりさんのは、あれは、近代の琵琶(筑前琵琶)で、平家物語を語っているということであって、平家琵琶とは違うそうな。

今日の検校さんは、平家琵琶のヒト。なんでも、現在この人ただ一人だという…ほほぉ

始まってみると、なるほど、構える形がまず全然違う。琵琶をほぼ寝かして弾くんですね…近代の琵琶のイメージは、ウッドベースやチェロのように縦に抱いて弾いてるような。バチの使い方も、当然、全然違う。

それ以前に音が違う。ぜーんぜん、まったく、違う。これ、音だけ聞いたら琵琶だと思わないかもしれない。

音が小さいし。

検校さんの声が素晴らしいのも確かだけど、琵琶の音は声に比べてとっても小さいしボリュームがない。三味線とは大違い。

この平家琵琶と言う楽器は、雅楽の楽琵琶から派生したものだそうで、平家物語の流行と共に栄えた古い楽器のよう。ヒトの声を邪魔せず殺さず、ちょうどよい引き立て役な感じ。びよよよよーんな琵琶は、近代のモノ。

ただ…那須与一が見事に扇を射て万歳するところまでなのに長いのなんの…両隣も寝てたし前の席も寝てたぞっと。その後に聞いた萬斎の狂言はイヤにさっさと過ぎた気がしたくらい。あれも長いと言えば長いのに。

その萬斎の語り。万作さんと違わないんだろうけど、印象が、なんていうか、大きい。動きが大きいっていうと、ちょっと違うかな。体の向きを変えたりするのに、肩先が描く軌跡が大きい。だから、よくいえば凄く運動性能を感じるし、悪く行っちゃうと大ぶりで万作三に比べると間があく感じ。なるほど、人間国宝の芸は、素人にもそれなりに判るほどのモノなのかもしれないな。

初めての解体新書。面白かったけど…なんですかね、これ、長いんですね、税鯛の所要時間が。終わったら10時近いのでこれまたビックリしました。そうかぁ、次に申し込むとしたら、周辺の予定をよーく考慮しておかないと危険かもね。

ま、楽しかったから、いいや。

◇◆◇

ただし。

場内に質問を募り、4人が質問したんですけどね。

その質問を面白いと思え、舞台上の人々の答えや感想を期待できたのは、最初の1人のみ。そのヒトの質問は、平家琵琶の後継者のことだったんですけどね。

次からはもう…フリーの質問を受けちゃってハマる典型的な例が出来。あらら。

2人目のジイサン(たぶん)は元教師なんだそうで、大学の先生が解説に使ったスライドの言葉が気に入らなかったよう。平家(音楽の種類としての平家)は、16世紀には「知識人の教養」だったのと、江戸時代に盲人は「金融業」に携わっていたというのが許せなかったらしいです。まぁ、ね、そりゃぁ16世紀に「知識人」という言葉はないし、江戸時代に「金融」という言葉もないですよ。だから「知識人」いるわけないし「金融業」してるはずもないという、仰せはごもっとも。でもさ、それは、現代のわれわれに判りやすく説明するために選んだ言葉だってことも、判ると思う。

当然、大学の先生のお答えはそう。それに対してジイサンは、あんたがそういうのも判るしその事情も判るが、私の言い分も判ってほしいと宣った。なぜ、ジイサンの思いをみんなで共有しなきゃならんのだ…

3人目の女性は、自分の考えや理解内容を延々と演説し、いつまでたっても自分の質問に入れないヒト。場内は、その方の思惑をずーっと聞かされた感じ。

4人目の女性は、文学で読む那須与一の段は、扇を射て終わりじゃなくて、その後の暗い部分があって、だからこそ平家物語のモノの哀れがでるだろうに、なぜおめでたいところで終わってるんだ?ひょっとして時間短縮のためにカットしたのか?という問い。

こういう企画で短縮はあり得ないだろうに。そんなん…考えればある程度想像つくんじゃないのかな。口承なんだからさ。覚えきれなかったヒトや間違って覚えたヒトが途中にいただろうし(地唄にもよくあります)、本来200曲あるハズの平家物語が、この検校さんの流だと現在8曲しか伝わってないってんだから、なくなったと想像するのが自然じゃないのかなぁ。

2人目から4人目までの3人さんはみな、自分の知識を周りに知ってほしがってる印象が強かったです。意識していないかもしれないけどね。子供の頃はテストがあって、頭のよい子と言われる機会もあったけど、大人になると知的さを褒められる機会は激減するからなー、それこそ知識人の自意識が強いヒトは、どこかで取り返したくなるんだろうな。

この手のヒトを指名しちゃったのは、不運だったよなぁ、主催側も観客の側も。

2人目のジイサンのインパクトが強かったから(喧嘩腰だったから)3人目以降はそれほど気に障らないかも…と、終わってからコートを着ながら考えて、あっと気づく私。ヤバいなぁと思って出ていくと案の定…

そりゃぁこういう催しだもん、圧倒的に萬斎のファンが多いですよね、お客さんには。その方たちの多くがジイサンに対して憤っていてもおかしくない。そして、ヒトは、共通の敵が見つかると妙に団結するイキモノである…廊下で、階段で、なんなのあれは!と見ず知らず同士が盛り上がっていてなかなか進んでくれない(泣)

ただでさえ遅いんだからさー、早く帰りたいんだけどなー

いずれにしても、この次申し込む時には前後日程もよく注意してからにしよっと。





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Last updated  2011.12.10 00:09:49
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