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りらっくママの日々

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2013年10月31日
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カテゴリ:ある女の話:サキ
サキ2-16

私はバイト仲間だった一つ上のミサコちゃんに連絡をした。
無言電話の女が、まさかのバイトメンバーじゃないかと思ったからだ。

今は、お互い就職をして、滅多に会うことも無くなっちゃったので、
こんなことで電話するのも何だけど仕方が無い。

ミサコちゃんは、良かったら会おうよ~!と言ってきた。
会社帰り、私とミサコちゃんは待ち合わせて、ちょっと洒落たレストランバーに入った。

「ねえ、それってさ、
サキちゃんがバイト辞めた後に赤木くん目当てで入ってきた子だと思う~
すっごかったもん!
もう、赤木くんが一人でいるとベッタベタベッタベタしてきててさ~
サキちゃんが心配するといけないから、あんまり言わなかったんだけど。。
あ!ねえ、良かったら、送ってきたメアド教えて!」

ミサコちゃんは携帯を出して、自分のアドレス帳から、その子のアドレスを検索しだした。
こんな時のミサコちゃんは、何だか生き生きしている。
何だかとてもたのもしい。
そして、彼氏の山川さんが浮気した時に「何よ、コレはー!」
って叱ってるミサコちゃんが容易に想像できた。

小柄で可愛いミサコちゃんが怒っても、
飼い主にキャンキャン怒る小型犬みたいな感じがしたけど、
そんな強気なミサコちゃんが何だか羨ましかった。

私も、そうすればイイのかもしれないけど、できないでいたから。
多分、深刻なことになってしまう。。

「あ!やっぱりビンゴ!
どうするサキちゃん?何かしてやる?」

私は、う~ん、、って考えて、
「どんな子?」と聞いた。

「そうだなぁ~、声が可愛い感じ。
顔は普通だよ。サキちゃんのが、ぜんっぜんカワイイ!
けど、そういう子好きじゃない?男ってさ!
あと、オッパイがおっきい子ね!
何か、どうも嫌な感じなんだよね~オンナオンナしちゃててさ!」

「ミサコちゃん、、、何か嫌なことされたの?」
ミサコちゃんの勢いにおされて私はつい口をはさんだ。

「えー?あー、、、
あのね、私が仕事、人出足りないから、早く戻ってって言ったら、
ひーくんってば、あんまりイビるなよ~って言うの!
あの子は、オマエと違って言い返せるタイプじゃないんだからさ~
とか言っちゃって!
何かムカつくの~~!!!」

ひーくんとは、山川さんのことだ。
山川さんも火に油を注いでいたらしい。

ミサコちゃんの話では、
私が辞めた後、新規で入ってきた女の子たちを巡って、
いろいろと男女仲がゴタつき始めていたようだ。

無言電話や別れてメールが来たのは、
サークル化していたバイトの中で、親切で作っていた名簿の中に、
私の名前もだけど、辞めた仲間の名前もずっと残っているらしい。
だけど、滅多に会えないバイト辞めたメンバーには更新の名簿が配られていないので、
私はモチロン、彼女の連絡先や名前も知らないワケだ。

「で?どうする?サキちゃん?
抗議するなら、私も一緒に言ってあげようか?
大丈夫?」

その発想がスゴイ!
って、なかば感心しつつ、私は自分のことなんだよな。。と考えた。

「ううん、いいや。
相手が誰なのかわからなかっただけで気持ち悪かったから。
後はシンちゃんに任せるよ。」

ミサコちゃんはビックリした顔で言った。
「え?!サキちゃん、それでイイの?
どうするのよ?アカギくん取られちゃったら!」

「、、、嫌だけど。。
けど、裏で、そういう子と話すのも嫌だし、
決めるのはシンちゃんだと思うし、
心は縛れないと思うし。。。
あ、、何か違うな。。。
そうじゃなくて。。。
シンちゃんに聞くのが怖いって言うか、、、
聞いて、シンちゃんが白黒つけようとして、私のこと選んでくれなかったらって思うと、、
そう思ったら、、何か聞けないかも。。」

泣くつもりは無かったけど、涙が出そうになったので、
出ないよう堪えた。

ふと見ると、ミサコちゃんのが目をウルませて、
ボロボロと涙を出していたのでビックリした。

「サキちゃん。。
ホントにもう!何てイイ子なの~~!
あたし、、あたしもう。。
もう、まったく、赤木ってヤツは!こんなイイ子をあんな女に。。
あたし、サキちゃんと付き合いたい!
何か悔しい!あたしのが悔しいよ!」

「ミサコちゃん。。」

私まで堪えていた涙がつい出てしまった。
そして、二人で横並び席なのをイイことにハグした。
アホだわ。。って頭の中で思うと、つい笑ってしまった。

「やだも~、サキちゃん、何で笑ってるの~?」
「え~、だって、こんなに心配してくれる人がいると思うと嬉しくてさ~
ミサコちゃんだって笑ってる~」
「そうよ~、ザ、オンナの友情だよ~!
ダメよ~サキちゃん!その涙は赤木くんの前で見せなくちゃさ~~」

お互い、涙で化粧が取れないようぬぐいながら笑っていた。
そんなことも何だか可笑しかった。

私はミサコちゃんを見て言った。
「様子見ることにする。
もしフラれちゃったら、こんなふうに慰めてくれる?」

「何言ってんのよ!
モチロンだけど、そんなことになったら私が赤木くんをはったおしてやるわよ!!
でもダメ!負けないで~!!サキちゃん負けちゃダメ~!!」
ミサコちゃんは、怒った顔を作って言った。

「ありがと。。」

私たちは駅で再びハグして別れた。
ミサコちゃんに話したことで心が軽くなった気がしたけど、
相変わらず悪意のメールと無言電話が時々かかってくる。

けど、ある日、無言電話の女が言葉を出した。

「汚い女…」



続く

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最終更新日  2013年11月14日 20時44分55秒
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