何かいいことありそうな専称寺

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　“楽しい”
　　　ことを
　　求めるよりも
　“楽しく”
　　過ごすこと
　　　　が大事
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「おいしいね。あんたもお食べ」

　差し出されたおかずをいただき、

「ほんと！おいしいですね！」

　と笑顔で答えると、

お年寄りの嬉しそうな笑顔が返ってくる。


　今回の標語は、老人介護デイサービスセンターで勤務していた時の昼食時に、

お年寄りが見せる笑顔と会話の中で気づいたことです。

　施設の昼食は豪華なものとはいえませんが、

家で寂しく独り会話もなく食事しているお年寄りにとって、

「おいしいね」

と言える仲間や介護士が周りでいっしょに食べているということは

何よりのご馳走であるに違いないと思いました。

　つまり、〈おいしいもの〉をいくら独りで食べても、

いっしょに「おいしいね」と共感したり笑ったりして食べる食事に勝るものはないといえます。

たとえおにぎり一つでも〈おいしく〉食べることができるのです。

だから老人ホームで勤務していた時は、

利用者さんに楽しい時間を過ごしてもらえるように、

楽しく会話し、楽しく介護することを心掛けました。


　これは何においても当てはまると思います。

楽しいこと、美味しいもの、幸せなど、求めだしたらきりがありません。

当然お金をかければそれらは手に入るかも知れません。

しかし、本当はお金はそんなにいらないのです。


　それよりも、楽しく過ごす心、幸せを感じる心の方がとても大事です。

星空や夕陽の自然に感動したり、身の回りの些細なことでも喜んでみたりするのです。

その豊かな心を持つコツは、何事も肯定して受け入れて見ていくことです。

逆に、目の前のことを否定して不平不満ばかりだと、豊かな心にはなれません。

幕末の志士高杉晋作が詠まれた句です。

　面白きこともなき世をおもしろく
　　　すみなすものは心なりけり

　この豊かな心さえ持っていれば豊かな暮らしができるのです。

忙しい時ほど「心」が「亡」くならないように、

ちょっと一服して、お茶でもすするとホッと一息つけます。

これが至福の時かもしれません。

　喜べば　喜び事が　喜んで
　喜び集めて　喜びに来る


今年一年もいろいろありましたが、良い年でした。

また来年もさらに良い年でありますように。

感謝いたします。

合掌