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わたしを取りまくこの世界は みるみるうちに 元に戻ってしまった 再び とてつもなく広く寂しい場所になってしまった 掴みどころがないほど茫洋とした世界… かつてそうであったように あの頃わたしは どうやって歩いていたのか あの手応えを感じられない世界を… それすらも 思い出せないというのに… 取り残されてしまった 放り出されてしまった 見渡す限り 目に映るのは 見知らぬ顔… 顔… 顔… それでも 心は開いておこう まだ歩き出すことはできない 前を向いて歩き出すことはできない どちらを向いたらいいのかわからないから ならば とりあえず上を向こう 目を開き上を向いていよう そこに何かが見えてくるかもしれない 何も見えてこないのなら 空を眺めていよう 月を… 星を… 眺めていよう 光を… 風を… 感じていよう あの鳥は 儚く透きとおる あの鳥は 海に舞うカモメだったのかもしれない 『 飛ぶことを ためらってはいけない… 』 そう誰かも言っていた 空を眺めていたら いつか飛べるかもしれない 海のひと滴に過ぎないこの身でさえも ふうわりと 空に浮かびあがる日がくるのかもしれない いつか 光の中へ 人魚姫のように 幸せな水蒸気となって お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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