カテゴリ:♪本の覚え書き♪
それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた…。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。日本推理サスペンス大賞受賞作。 こんなにも心に響く作品だったでしょうか。。。 今回も宮部作品の再読です。 何度読んでも楽しめる。やはり良い作品だからなんですね。 特に文庫となっているこちらの作品では最後に北上二郎さんが解説を書かれています。これが一読ものです。 これだけ宮部さんをうまく語る人はいないのではないでしょうか。 この本と同時に宮部みゆきという作家について記した本を何冊か借りてきていたのですが、それぞれ宮部みゆきの書いた本、物語の詳細でしかなかったのです。そんな一冊よりもここの数ページで語る北上さんの言葉のほうが宮部みゆきという作家について広く深く語っていた気がしました。 主人公守を育ててくれている叔父に降りかかった事故。無実を証明しようと調べだすと、奥の見えない連続自殺へとたどり着くのです。 しかしそれについてわかり始め終わりも見え始めたというのにまだ本半ば・・・。 そう、本題はもっともっと奥にあったのです。。。 最後の一ページまで読ませる、読まずにいられなくなる物語。 そして終わりに来てこのうまい題名に気づかされます。 心を離れなくなる題名。。。 宮部みゆき作品にはこういうことがホントに多いのです。 私は『蒲生邸事件』が始まりとなったのですが、この『魔術はささやく』は宮部さんの作品に興味を持つ、そして読書が止められなくなるきっかけとなる作品の一つであることは間違いないでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 7, 2009 03:52:57 PM
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