カテゴリ:♪本の覚え書き♪
高校野球界のスーパースターが全身にガソリンをかけられ、焼き殺されるというショキングな事件が起こった。俺、元警察犬のマサは、現在の飼い主、蓮見探偵事務所の調査員、加代子と共に落ちこぼれの少年、諸岡進也を探し当て、自宅に連れ帰る途中、その現場に遭遇する。犬の一人称という斬新なスタイルで、社会的なテーマを描く、爽快な読後感の長編デビュー作 宮部さんの初!長編小説がこの『パーフェクト・ブルー』となります。 まず設定がおもしろい。 引退した警察犬によって物語が語られるのです。 犬がしゃべっているというのに普通に読める。時々犬もそう思うだろうなぁ、とかそうかなぁなどと楽しんでいる自分に気づきます(笑)。 そして感情移入しやすい身近に感じる事件。 しかしその事件はココロのそこでじわりと広がってゆくような恐ろしい事件なので、読み終えても心と頭に残るような作品になっています。 この作品は1998年に発表されたのですが、スポーツの優秀な少年とそれをとりまくマスコミや環境については今のゴルフ、野球、テニス界、卓球などなどすべて今の話としても充分に身近に感じられます。 食品偽装に会社としての対応、まさに今の世を書いたような作品なのです。 というより、社会はまったく変わっていないということなのでしょうか。。。 小説ですからそれをあばくわけですが、全てが解明されるわけではないし、「今」を思うと悲しくもなる現実感たっぷりな作品ともいえます。 この作品の悲しさを心に留め置き、せめて私だけでも作者の意図をひきついでいきたいものだと思うのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 7, 2009 08:48:20 PM
コメント(0) | コメントを書く
[♪本の覚え書き♪] カテゴリの最新記事
|
|