夜が待ち遠しい

2014/04/15(火)08:40

南武線沿線飲み/呑み弾丸ツアー 居酒屋篇 その2

神奈川県(116)

 4時を過ぎて、ようやく呑みの気分が高まってきました。「とり吉」を出たわれわれは再び武蔵新城の商店街をぶらつき始めます。すると歩き出してわずか数歩、焼鳥を焼いているらしき芳しい香りと煙が漂ってきます。脇道の細い路地に数軒の居酒屋があり、その向かいがその芳しさの発生源のようです。店先ではベビーカーを押すお兄さんが、猛烈な勢いで焼鳥を摘まんでいます。もしかするとテイクアウトのお店ですが、缶ビール位はあるんじゃないかとふらふらと近寄りますが、このお兄さんはあくまでも焼鳥だけを猛烈に摂取していたのでした。酒もなしで焼鳥を5本も6本も夕食前に食べるなんてまったくまぎらわしい奴だと腹の中で八つ当たりしてみたり。ふと振り返ると実際とは異なる袖看板の掲げられたお店が何やら誘惑的な張り紙を貼り出しています。  この店は「きふくや」というお店で写真ではまったく別のお店の看板ばかり目立ちますが、中華料理店のお隣の見るからに小さなお店。張り紙にはなんと16時から19時まで酒1杯と肴2品で500円とあります。これは随分と太っ腹なサービスです。店に入るとカウンター席がわずか6席ばかりのホントに狭いお店でした。以前はスナックだったのでしょうか、黒い合皮張りの開店スツールが居酒屋としては違和感を感じます。当然お得なセットメニューを注文します。生ビールでいいですかにはそれでいいですと答えると、これがまさしくちゃんとしたビールなのには当たり前のこととはいえうれしくなります。店内のメニューの片隅にお通し300円とあるので、肴2品以外にお通しが出るんだろうなと思っていると案の定、ブロッコリーとベーコンのにんにくソテーが出されます。うんなかなかおいしいしこれで300円なら止むをえまい、続いて出された赤魚の粕漬けも立派なもので、あと1品は何かと身構えると、これで500円のセットが出ましたとのお言葉。いや~、確かにこれは大変にお得でありました。ところで店の奥の壁に新聞の切り抜きと写真があって、その記事によると「きふくや」はもともとは昭和12年創業のお菓子屋さんだったらしく、写真は開店時にチンドン屋さんが店先で開店を宣伝する様子を撮影したもののようでした。詳しいお話を聞きたかったのですが、歩きすぎでぐったりしてしまって、お喋りする余力がありませんでした。またの機会の宿題とします。  せっかく武蔵新城に来たので、酒場放浪記で見た「居酒屋 生国」に行ってみることにしました。店の前に着くとまだ開店前。通りがかりの「とりふく」なる店の雰囲気が抜群に渋かったので、引き返してみるといつの間にか縄暖簾が下がっています。これはお邪魔しないわけには行かぬといそいそと引き戸を開けますが,まだ準備中。開店時に暖簾を下げるというルールは採用されていないようです。  そうなってはひとまずは「生国」にお邪魔するしかなさそうです。ちょうど開店時間になりました。細長いカウンターだけの店内です。あまり長居するつもりもないので,入ってすぐの席に腰を下ろします。先ほどからなんだか胃腸の具合がよろしくありません。歩きくたびれて内臓も疲弊してしまったようです。お通しのホタルイカの煮付けさえもが胃の負担となります。トマトと串焼きを数本だけ注文。酒は早々にウーロンハイに切り替えます。それにしても静かな店内です。店の方も職人気質なのか無愛想な印象です。しばらくしてご夫婦連れがやって来ましたが,それでも店が活気に包まれることはありません。妙な緊張感に覆われたのは開店早々で忙しかったのであろう,それに胃腸が重いことも多少なりとも影響していたのかもしれません。体調の悪い日に一見の店にお邪魔するのは控えた方が無難だったかもしれません。

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