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テーマ:食べ物あれこれ(49926)
カテゴリ:糖
プレバイオティクス・・・聞いたような、聞いた事ないようなと考えてしまいそうですが、良く似た言葉のプロバイオティクスなら馴染みのある言葉ではないでしょうか。
プロバイオティクスとは大腸の中で働いている善玉菌の事を指し、健康を考える上で欠かす事の出来ない要因とされています。主にヨーグルトなどの製品で耳にする言葉ですが、プレバイオティクスとはその善玉菌のエサとなる物、プロバイオティクスが好んで利用する物質の事を指しています。 プレバイオティクスの代表的な物としては食物繊維などが知られ、中でもデンプンの一種であり、胃や小腸で消化吸収される事なく大腸まで到達する「難消化性デンプン」は、有効なプレバイオティクスとして注目を集めています。 難消化性デンプンは英語ではレジスタントスターチと呼ばれ、直訳すると耐性デンプンとなり、実際、中国では「耐性澱粉」と表記されています。消化に対して耐性を持つデンプンという意味で、耐性が完全ではなく、消化が難しいデンプンという意味から日本では難消化性デンプンという呼び名の方が一般化しています。 デンプンはブドウ糖がたくさん繋がってできた高分子化合物ですが、ブドウ糖の繋がり方が直線的であるとアミロースと呼ばれ、枝分かれしているとアミロペクチンと呼ばれるようになります。難消化性デンプンはアミロースの強力なもので、結晶性が高められている事で消化酵素による分解を免れているために消化吸収されないという性質をもっています。 プレバイオティクスは大腸の中でさまざまな菌によって発酵され、脂肪酸となる事で健康に貢献するとされますが、難消化性デンプンは発酵される事で多くの酪酸を生じると考えられています。酪酸は大腸の表皮細胞が最も好むエネルギー源であり、大腸の細胞を正常化したり、損傷の修復を助ける働きが知られています。 最近、難消化性デンプンが豊富な食事を摂ると、血糖値やインシュリンの上昇が緩やかになりますが、その効果が意外なほど長く持続する事から、朝食で難消化性デンプンの豊富な食事を摂る事で、昼食や夕食後の血糖値やインシュリンの上昇まで緩やかにする事が知られてきています。 単純に消化されないデンプン、食物繊維の一環として見られてきた難消化性デンプンですが、これから注目が集まる成分となるのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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