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テーマ:食べ物あれこれ(49905)
カテゴリ:食事
日本人にとって大切な食料である米。その消費量が毎年減り続けている事は話題になりますが、和食に欠かせない存在でもある味噌の消費量も同じく減り続けている事は、あまり話題にされる事はありません。
かつて朝の風景というと台所で湯気を上げているできたての味噌汁と、その横で薬味を刻むお母さんが立てるまな板の音という感じだったのですが、それが古く感じられる事自体、朝から味噌汁を作るという事がなくなってきていて、味噌の消費量が減っているという事に納得してしまいます。 和食にとって重要な調味料である味噌の代表的な使われ方というと、真っ先に思い浮かぶのが味噌汁なのですが、味噌を使う料理は鍋物や味噌漬け、和え物など幅広く存在し、味噌という調味料の汎用性の高さを覗う事ができます。 味噌の利用は伝統的な和食の範疇に留まらず、ラーメンといった分野でも一つのカテゴリーとして確立されており、ラーメンを語る上でも欠かせない存在となっています。 発酵食品として穀物が持つ旨味を最大限に引き出し、塩味を加えてくれる味噌をラーメンの味付けに使うという発想は、意外にも第二次世界大戦後間もない札幌で大衆食堂に通う常連客が、店の名物であった豚汁にラーメンの麺を入れるように頼んだ事がはじまりとされます。 その後、札幌ラーメンの主流であった豚骨しょうゆとは異なる豚骨スープに味噌を味付けとして加えるラーメンが定着し、1965年に東京と大阪で開かれた北海道物産展で実演販売されて全国的な認知を得る事となっています。 濃厚な豚骨スープと味噌の相性の良さが今でも味噌ラーメンとして愛され続ける事に繋がっているのですが、味噌の調味料としての柔軟性はそれだけに留まらず、最近では世界観の異なるイタリア料理などでも使われている場面を見掛けるようになってきています。 味噌はバターとの相性も良い事から、味噌の旨味とバターの風味を活かしたパスタソースとして使われたり、味噌が前面に出る事はありませんがラグーソースの隠し味として使う事で、ソースとしての完成度が高くなるという意見もあり、味噌の活躍範囲の幅広さを感じる事ができます。 かつて味噌は各家庭で手作りされ、今日でも「手前味噌」といった言葉にその名残を見る事ができます。それがいつの間にか買ってくる物となり、調味料として常備していない家庭も増えてきているとされます。米と同じく消費量の減少には寂しいものを感じてしまいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年11月18日 08時06分40秒
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