テーマ:食べ物あれこれ(50354)
カテゴリ:グルメ
今日は、ホタルイカの話。
駿河湾でしか獲れない桜海老と並んで、この季節の楽しみにホタルイカがある。これもなぜか、富山湾でしかほとんど獲れない神秘的な生物である。産地以外に並ぶのは、ほとんど茹でたホタルイカで、酢味噌につけて食べるのは昔から大好物だ。料理屋では、生のまま酢の物なので出てくることもあり、これも美味い。これも大好物だったのだが、実はある事件をきっかけにして生のホタルイカを食べられなくなってしまったのだ。 学生時代に、もっぱら碁を打つために北陸にしばしば出かけた。ここで、ホタルイカの刺身を食べるのも楽しみだった。ある時、それだけでは飽き足らず、お土産に生のホタルイカを山ほど買って帰った。自宅に帰り、大きなどんぶりにホタルイカを一杯にして、一気に全部食べてしまった。もしかしたら人生で最も幸せな時間じゃないか、などと思いながら猛然と食べつくしたのだが、その後に当然ながら地獄が待っていた。経験したことのないような凄まじい吐き気が襲ってきて、吐き続け、結局食べた分を全部吐き出してしまったのだ。その後は、2~3日食事もまともに咽を通らなかった。 それ以来、ホタルイカの刺身を見ただけで気持ち悪くなってしまい、食べられない体質になってしまった。たまに、料理屋で出されると頭では食べたいと思うのだが、いざ口に入れると気持ち悪くなってしまう。あれほど好きだった塩辛でも、一個食べるのが精一杯である。 それにしても、若気の至りとはいえ馬鹿なことをしたものだ。こんな事をしなければ、機会あるごとにホタルイカの刺身を楽しめたのに、一生分の楽しみをわずかの時間に集約してしまったような感じである。 過ぎたるは及ばざるが如し、という言葉を実感した出来事だった。しかし、それでも懲りないのが私である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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