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郵便窓口で一局
久々に早朝に郵便局の窓口に行った時のこと。作業服のような恰好の若い女性の局員が対応していた。
私「現金書留ください。」 これは、いきなり筋悪の一手だった。 局員「え、どうしたいんですか。」 強烈な反撃だ。
かなり相手の口調がキツイので驚いたが、たぶん局預かりの書留を取りに来るというケースもあり得るので、「現金書留の封筒をください。」と正しい手を打たなかったのがいけなかったのだろうと瞬間的に気づいた。ただ、そのまま言うのも屈した気分なので、様子見の手を打った。
私「えっと~、現金書留を出したいんです。」 我ながら巧い手だった。さて相手はどう来るか。 局員「ええ?え~」 一瞬の考慮時間に入った。封筒を持ってないのだから、さすがに用件は分かったと思うだが、あくまで「封筒」と言わせたいと策を巡らせているようだ。
私「・・・」 相手に手を渡した。 局員「ああ。封筒ですね。」よしよし。 私「はい、お願いします。」出足で失敗したが、何んとか押し戻した。
ところがここで問題発生。いつもなら、窓口の手前にあるテーブルにボールペンが置いてあるのだが今日は見当たらない。ふと気づくと、窓口の内側に郵便局の札が付いたペンがあった。局員は少し奥に行っていたが、黙って使うのも品がないと思い声をかけた。
私「すみません~。」「ペン貸してください。」 局員はこちらに戻って来て「はい」バシ!、叩きつけるようにペンをカウンターに置いた。 なんだこれは、すごい強烈な一手。忙しい所に声をかけたので一気に勝負手を繰り出して来たのだろうか。その気合に押されて、こちらは完全に戦意喪失し勝負あり。礼を言い、テーブルに移り封筒に住所などを書き始めた。 そこへ、中年過ぎくらいのおばさんが窓口にやってきて、何か用件を言い始めた。と、思ったら突然対局が始まった。
おばさん「あなた、態度悪いわねえ。どうぞくらい言いなさいよ。」うおお!!イキナリ布石なしの切り込み! 局員「言いましたよ。」さすがの打ち手。大人しくは受けない。さあ、どうなる。 おばさん「聞こえなかったわよ。」 戦線拡大だ。 局員「すみません。」 辛い受け。これをきっかけに勝負は一方的になった。 局員「衣料品て洋服ですか?」 おばさん「他に何があるの?」 局員「食品と言うと具体的にはなんですか?」 おあさん「いろいろよ。」 局員「でも聞くことになっていますので。」 おばさん「そんな事聞かれたことないわよ。いつも出してるからいいのよ。」 おばさんの中押し勝ちになった時に私も準備ができたので、局員に書留を差し出した。
私「速達でお願いします。」 局員「はい、~円です。」 序盤戦とは対照的に丁寧な一手で、戦いに備えていたこちらが拍子抜けするほどであった。思いがけず、早朝から女流棋士同士の激戦を見せていただいた。今後、どこかでお二人の剛腕女流棋士との対局が当たらないように祈りつつ郵便局をあとにした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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