仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

2024/08/28(水)02:44

69階目の命日に寄せて・・・

第46代アメリカ合衆国大統領としての功績に人種差別に基づくリンチを憎悪犯罪とする反リンチ法案に署名し「エメット・ティル反リンチ法」を成立させた件が高く評価されているそうで、アメリカ社会においてリンチで人を死傷させれば最高で禁錮30年の刑が与えられる同法は、1900年に反リンチ法案が連邦議会に初めて提出されて以来200度近くも共和党議員等によって握り潰されながら、バイデン大統領は黒人というマイノリティーの叫び声に耳を傾けたのというのだ。間もなくエメット・ティルにとって69回目の命日がやってくるわけなのだが、法案を通した際にバイデン大統領は黒歴史に触れた演説をしたそうで、81歳の第46代アメリカ合衆国大統領はエメット・ティルへという黒人のリスペクトを忘れないホワイトだったというのだ。  「私はリンカーン大統領以来、黒人にとって最高の大統領だった」と強調する共和党のトランプ大統領候補なのだが、全米黒人ジャーナリスト協会の年次大会に出席したドナルド・トランプ共和党大統領候補は黒人のジャーナリストから、長年黒人に対して差別的な発言をしてきたことに関して「なぜ黒人があなたに投票すべきなのか」など厳しい質問を突きつけられると、いくつかの質問には直接的な回答をせず 「カマラ・ハリス副大統領は突然黒人だと言い出した」という新たな主張も展開したそうなのだ。司会者にも「フェイクニュースのネットワークで、ひどいテレビ局だ。私は機嫌よくここに来たのに、けしからん態度だ。私はこの国の黒人を愛している。この国の黒人のために多くのことをしてきた」と不満を口にしたという。  共和党の中には女性で黒人・アジア系アメリカ人のハリス副大統領が民主党の大統領候補になったのは能力ではなく「DEI採用」だと攻撃する政治家も数多くいるとしたうえで、司会者が「共和党の連邦議員を含むあなたの支持者の中には、カマラ・ハリス副大統領にDEI採用というレッテルを貼る人もいます。あなたにとって受け入れられる言葉ですか、共和党員や支持者たちに止めるように言いますか」と質問したところ、すると、トランプ候補は「ハリス氏はこれまで黒人だと言っていなかったのに、突然黒人を名乗り始めた」という持論を展開し、「私はどちらも尊重するが、彼女は明らかにそうではない。彼女はずっとインド人だと言ったのに、突然黒人になった。誰かが調べるべきだと思う」と主張したそうなのだ。  この討論会は大統領選の年に有力候補を招いて開催しているもの、協会側を代表する記者たちの質問に答える形式で、ハリス副大統領も正式指名後の9月に出席する方向で調整しているという。トランプ候補はハリス副大統領が黒人のアイデンティティーを都合よく利用していると批判したいという思惑のようだが、実際のところジャマイカ出身の父親とインド出身の母親の間に生まれたハリス副大統領は黒人であり、アジア系というアイデンティティーを自任してきていて卒業したのも歴史的に黒人の多いハワード大学だという。ハリス副大統領は偶然にもこの日は同じく黒人団体のイベントに招かれていて「分断と非礼に満ちたお決まりのショーでした。アメリカ人には、もっとふさわしい指導者が必要です」と演説したそうなのだ。  トランプ陣営とその盟友らはハリス副大統領の実績に対する攻撃が有権者に浸透し始めるにつれ熱狂は薄れると主張していて、トランプ候補のスーパーPAC(政治活動特別委員会)を率いるテイラー・バドウィッチ氏は「民主党はスピード婚を挙げたが、われわれは彼らのハネムーンを短いものにするつもりだ」と述べたという。ここ数日の一連の選挙集会やその他の出演でトランプ候補はハリス副大統領を「急進左派の狂人 」や「無能 」と呼び、ハリス副大統領に対する攻撃を強化しており、新たなテレビ広告ではハリス副大統領をバイデン大統領の「国境責任者」と揶揄し有権者の不評を買っている現政権の移民政策と結びつけようとしているというが、黒人票を掘り起こすべく臨んだ場で墓穴を掘る結果となったと指摘されている。

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