現在の北海道の鉄道地図を見ると、まあ簡単に言っちゃえば都市と都市を結んでる路線が多くなったと思う。とかく無駄がだいぶなくなったのではないかと思う。
しかし20年以上昔は違った。北海道の至るところに鉄道が敷かれていた。道北も、胆振地方も、道東も、当時はくもの巣のように(?)張り巡らされていて、まさに鉄道王国だった。特に道北は現在も残ってる宗谷本線を軸にして、深名線、渚滑線、美幸線、名寄本線などなど、いろいろなローカル線が走っていた。
ところがその状況を変えたのが、1980年代前半からの合理化ムード。国鉄再建法により、採算の取れないローカル線の工事は全面中止となり、さらに特定地方交通線として上記の多くの路線が廃止されることとなった。日本全国で合計83路線。ちなみにその83路線の中でトップを切って廃線となったのが白糠線。1983年のことだった。
そして需要のない路線が次々と廃止された。松前線、胆振線、瀬棚線、岩内線、士幌線、広尾線、日高線、池北線、美幸線、渚滑線…数えたらもうきりがない。これらの路線の多くはバスに転換された。民営化されてJR北海道になってからも、特定地方交通線の廃止は進み、歌志内線、上砂川支線、深名線などが廃止された。
池北線は現在、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線として存続しているが、それも今年の4月に廃線となり、バスに転換される。
北海道の鉄道路線はほんとに隅々まで広がっていたが、合理化のために廃止された。これは当時の国鉄の莫大な赤字を少しでも減らすため、そして何でも需要がなさすぎたために、廃線は仕方のない決断だったのだろう。
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