その11からの続き。
昼食用のおにぎり、サンドイッチ、お茶を買った後に徳島駅に向かう。徳島駅は未だに有人改札なのだが、それもいい雰囲気を出している。まさに地方の駅という感じがする。自由席特急を買い、ホームに出る。
私が乗車したのは、特急うずしお16号(徳島13:32発、N2000系気動車)。3両編成で運行されており、グリーン車なしのモノクラス編成だ。私は三本松までこの特急に乗り、そこから普通列車に乗り換えることにする。
特急うずしお16号(徳島駅にて)
特急うずしお16号の停車駅は、勝瑞、板野、引田、三本松、志度、栗林、高松。徳島~高松間を1時間ほど結ぶビジネス特急という性格が強い。
徳島を出発すると、踏切を通った後に高架橋を走って佐古を通過する。しばらくすると池谷で鳴門方面と別れ、高徳線を突っ走る。この2000系シリーズは世界初の振り子機能付き気動車であり、ライバルである高速バスに対抗するために開発されたものである。カーブを曲がるときに振り子装置のために傾くのだが、
カーブを曲がるときは全くスピードを落としていない。構造上歩いていても傾いていることを感じない。
しかし3両モノクラスという編成は、沿線人口が少ないとはいえ、あまりにも味気ないが、現実的に考えれば仕方がない。高知の「あしずり号」や徳島の「むろと号」は
2両編成なのだから。
実際に車内を見て回って考えたことだが、特急うずしお号の乗車率は全体的に見て3分の1程度(3両で運転してもまだ空席が多く残ってる)。いつもこんな感じなのだろうか。
3両だと輸送力過剰気味では?と思ってしまった。
特に指定席は必要に応じて外すべきかとも思った。
特急券(上)と乗車券(下)
特急券もとてもシンプルなものだった。JR東日本の特急券とは比較にならないほどシンプル。見た目は普通の乗車券と大差ない。
私は途中の三本松駅で途中下車する(14:03着)。この後の普通に乗り換えるためだ(15分の待ち合わせ)。また、うずしお16号が屋島に停車しないから、という理由もあった。
三本松駅があるのは、香川県東かがわ市引田町。平成の大合併の結果、誕生した市だ。
1500系気動車(三本松駅にて)
14:15発の普通・高松行き(ワンマン、4344D列車)に乗車する。
やってきたのはJR四国の最新型気動車・1500系。2006年にデビューしたばかりだ。春休みのせいか、車内にはかなり若い人(中高生)が多かった。この列車で屋島まで行く。列車は国道11号線と並行して走る。
途中、鶴羽で対向する普通列車との行き違いを行い、讃岐津田で対向の下り特急うずしお13号(
2両編成!)の待ち合わせを行った。
高徳線にはカーブが多い。これが特急うずしお号のスピードアップを妨げる原因となっていた。途中、三本松から神崎まで降りる人はいなかった。「乗客の皆さんはこのまま高松まで行くのだろうか?」と思った。高徳線の列車は上下の区別なく、他の列車を退避する必要のない途中駅では改札口がある側のホームに発着する。途中、志度で多くの乗客が降りてからは車内は急に静かになった。
ちなみにこの最新型の1500系気動車でも、ATSは国鉄チックなものだった。
「ジリリリリ・・・」
「キンコンキンコン・・・」
という感じの音を出す、
国鉄チックなものだった。21世紀に登場した最新型デザインとのギャップが面白かった。
列車は志度駅を出発してしばらく走ると高松市内に入った。そして次の目的地、屋島に着いたのは15:05着だった。1500系気動車による4344D列車は、高松に向けてラストスパートを切るのだった。
偶然にも屋島駅から屋島山頂への連絡バスが出ていることを知り、そこから連絡バス(ことでんバス)に乗り込む。なお、
ここで日本がWBC連覇を果たしたことをヤフーケータイで知る。バスの運転士さんと喜び合った。