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先日、ニコニコ動画を見ていたところ、以下のニュース記事が流れてきたので読んでみたが、大きな問題点をはらんでいそうなのでここに転載しておいた。
「プリキュア好きは性犯罪者」報道に声優・池澤春菜らが大反発(9月12日、EXドロイド) 広島県の小6女児を連れ去った疑いで成城大学2年の小玉智裕容疑者(20)が逮捕された事件で、6日付の日刊スポーツが「小6女児監禁男はプリキュア好き」という見出しの記事を報じたことに、反発の声が高まっている。 同記事は同級生の証言として「居合同好会の幹事を務めていて、学校にはほとんど来ていなかった。プリキュアが大好きで、趣味は、秋葉原のメイド喫茶通いと聞いた」というコメントを掲載。だが、居合同好会の件は見出しには使われず、プリキュア好きが強調された。 女児向け人気アニメシリーズの通称である「プリキュア」は、変身能力を授かった女子中学生たちと闇の組織との闘いを描き、ターゲットである女児だけでなく“大きなお友達”にも人気がある。同記事は、少女を主人公にしたアニメが好きだったことと容疑者のロリコン癖に関連性があるかのような見出しに感じられる。 これに対し、ネット上では「アニメオタクが犯罪を起こしやすいという印象を与える」「オタクに対して悪意がある」といった批判が噴出した。 有名人も記事批判に参戦し、声優の池澤春菜は自身ツイッターで「……私、成城大。で、プリキュア出てた。でも、だから私も犯罪を犯す可能性が高いかと言うと、そうではない。何が言いたいかというと、そこ、全く関係ないよね?」とコメント。元スノーボード選手でアニオタを公言する成田童夢は自身のブログで「『オタク=犯罪者予備軍』は大きな誤解があるから!!!」と主張し、「…よく考えてみろ…プリキュアシリーズはみんな中学二年生だぞ!!!(一部、中三w)」「プリキュアクラスタは次元の区別がしっかり出来る人!」と記した。 一方、ITベンチャー企業の社長・生島勘富氏は「プリキュアの報道は妥当」と反論。仮説や印象としての「アニメ好きが犯罪を起こす可能性が高い」という報道を否定するならば、相関関係がないことをデータで証明しなければならず、それができないのであれば憤りの声はマイナスにしか働かないと記している。また、「アニメを好む自由」を主張することが「幼児に対して性的興奮を覚える性癖を認めよ」と主張しているように見えるため、幼児性愛者とアニメ好きは別であるとアピールする自浄努力が必要であるとも主張している。 生島氏の意見は偏見によるところが大きいように感じられるが、「自分の気に入らない報道は偏向報道」とする昨今の風潮を批判する声としては一理あるかもしれない。 とはいえ、否定するデータがなければ印象論で報道してもいいという理屈であれば、「黒人は犯罪者が多い」「在日朝鮮人は犯罪者が多い」と報じても構わないことになる。だが、こういった報道をする大手メディアは存在しない。それを実証するデータがあればいいが、単なる印象による報道は悪質な差別になり、差別した側は糾弾されることになるからだ。しかし、アニメオタクは差別されてもネットで騒ぐくらいで実際に報復行動に出ることはなく、メディアにとっては簡単にレッテル貼りをしやすい存在になっている。これが「犯人はプリキュア好き」報道の本質といえるだろう。 日刊スポーツに限らず、東京スポーツでも犯罪心理学者の北芝健氏が、名古屋で起きた女児監禁事件と広島の女児誘拐事件について「前頭葉が未発達で衝動を抑えられないゲーム脳の若者の犯行」といった分析をしている。 おそらく、生島氏は最近のアニメをほとんど見たことがなく、北芝氏はゲームをまともにやったことがないのではないだろうか。差別や偏見の源は無知や無理解である。人間は自分の知らない分野に対して偏見を少なからず持っているものだ。自分にとって謎が多ければ多いほど幻想や妄想を膨らませ、安易に悪のレッテルを貼ってしまう。こういった心理には「○○はイルミナティの陰謀」「○○はユダヤ人の陰謀」といったオカルトに近い思考が働いているといっても過言ではない。 多くの被差別者たちが闘争によって自由を勝ち取り、「差別をなくせ」と誰もが声高に叫ぶような時代になったが、結局は無理解による差別の歴史は繰り返されていくのだろうか。(佐藤勇馬) (引用終わり) ちなみに問題視されている日刊スポーツの記事(9月5日づけ)は以下の通りだ。 小6女児監禁男はプリキュア好き(日刊スポーツ、9月5日) 旅行かばんの中に広島市の小6女児(12)を押し込み連れ去ったとして、監禁の疑いで、広島県警は東京都世田谷区の成城大2年、小玉智裕容疑者(20)を逮捕していたことが5日までに分かった。逮捕容疑は4日午後9時ごろ、広島市中区の路上で、旅行かばんに押し込んだ女児をタクシーのトランクに閉じ込めた疑い。女児は身長150センチ、体重30キロ。かばん(縦、奥行き30センチ、横1メートル)の中には、体を折り曲げて入っていた。けがはなかった。 容疑者は4日午後8時半過ぎ、同市西区の路上で塾帰りの女児に声をかけ、果物ナイフを見せ脅迫。女児の手を粘着テープで縛り、所持していたかばんの中へ入らせた。その後、タクシーを止め、かばんをトランクへ積んで乗車した。 JR広島駅方面へ向かう途中、運転手の星山寿幸さん(63)が、トランクから「出して!!」という声に気付いた。直後、同容疑者が「降ります」と告げ、ドアを開け逃走したため、不審に思った星山さんは約3メートル追い掛け、両腕をつかんで後部座席に再び押し込んだ。通行人に110番通報を依頼し、警察官が駆け付け、現行犯逮捕された。 (中略) 同容疑者は10年4月に成城大社会イノベーション学部に入学。現在は留年し、2年生として在籍していた。同学部2年の男子学生は、同容疑者について「居合同好会の幹事を務めていて、学校にはほとんど来ていなかった。(アニメ)プリキュアが大好きで、趣味は、秋葉原のメイド喫茶通いと聞いた」と話した。 (引用終わり) なお、この事件に関する記事は他に数件あるが、ファンであることを悪意として報じているような印象を私も確かに受けた。 これは余談になるが、私はPixivをよく覗く。特にアイドルマスターに関するイラストを眺めるのが好きだが、アイマスに関するイラストを描いている人たちの中には、プリキュアに関するイラストを並行して描いている方も多い。たいていは大人だ。20代の大学生という人もいるし、30代のおっさんだというパターンもある。いずれにしても「いい年して何やってんだよ!」という世間からの批判を承知で描いているのだと思われるが、本人にとってみれば「そんなの気にしたら負け」だろう。 私だってパワーパフガールズのファンを10年ほど前からやっている。ターゲット層は女の子や若い女性だろうが、私を含め男の中でファンをやっている人も一定数いるだろう。インターネットの掲示板でもそうだし、Pixivでもそうだ。 私が言いたいのは以下のことである。 感情論にも程があるだろう!客観的なデータで考えていただきたい! 例えば在日外国人に対しては、犯罪者が多いだとか生活保護を食い物にしているだとか、第一印象で決めつけている人が多いような風潮が見受けられる。例えば、外国人による犯罪発生件数はどのくらいなのかを「犯罪白書」や警察庁の資料で調べたのだろうか。上記の記事のようなステレオタイプなものの見方が、外国人やマイノリティ、あるいはアニメファンに対する偏見や不当な差別につながることを強く懸念している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 20, 2012 10:33:24 PM
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