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カテゴリ:山陰地方旅行記(2015年末)
(その10)で鳥取砂丘の見物から戻ってきた私は、やや急ぎ足で東横インに向かい、リュックサックを引き取りました。これで山陰本線で移動する準備が整いました。
職場や両親、Yさんへのお土産も買い(Yさんとは?)、鳥取駅の有人改札を通って、ホームへのエスカレーターを上がりました。 1番・2番のりばに着きました。この後、後述する浜坂行き(右のキハ121系)に乗車します。 ここで、少し話を本筋からずらします。 山陰本線はJRで日本一長い距離の路線です(2002年12月に東北新幹線の八戸延伸開業するまでは、東北本線が日本一の長さでしたが、IGRいわて銀河鉄道として経営分離されました)。京都駅から日本海沿岸を経由して山口県・幡生駅までの距離は実に673.8km!・・・これは東海道・山陽線でいうと東京~有年(兵庫県)間の距離になります。 その山陰本線には並行する新幹線がないため、昔から多くの特急が運転されてきました。その代表例が1964年から'86年まで運転された、まつかぜ号でした。大阪から福知山線、山陰本線を経由して九州・博多まで運転されていました。最盛期には食堂車も連結して最大13両編成。合理性なんて一切考えていなかったかのように思える当時の国鉄を代表する気動車特急でした。 特急列車がある一方で、今から考えれば想像もつかない長距離の普通列車も走っていました。それが・・・、 山陰本線 長距離鈍行列車 824列車 1956年11月のダイヤ改正までには東京~門司間、大阪~青森間という走行距離が1000kmを超す長距離鈍行列車が設定されていました(当時は高速道路やバスが普及していなかったので、長距離移動する乗客の移動手段として考えられていたのもうなずけます)。しかし新幹線開業や特急列車の増発などにより、長距離鈍行列車は次々と廃止・分割されていきました。合理化が進んだ1970年代になって日本一の距離を誇る普通列車として残されたのが、この824列車でした。 824列車 主要駅の時刻表(1982年3月当時。「プレイバック昭和の旅80S」様より引用) 門司 5:22発 下関 5:30着 5:42 幡生 5:48 川棚温泉 6:24 滝部 6:56 長門市 7:51着 8:05 東萩 8:48 益田 10:10着 10:27 三保三隅10:57 浜田 11:23着 11:37 江津 12:14着 12:20 温泉津 12:47 大田市 13:15着 13:19 出雲市 14:01着 14:10 宍道 14:54 玉造温泉15:07 松江 15:18着 15:23 安来 15:50 米子 16:00着 16:11 倉吉 17:51着 17:54 浜村 18:36 鳥取 19:01着 19:25 岩美 19:53 浜坂 20:20着 20:44 餘部 21:01 香住 21:21 城崎 21:56 豊岡 22:14着 22:29 江原 22:42 八鹿 22:51 和田山 23:05着 23:07 福知山 23:51着 といった具合。走行距離は595.1km。九州の玄関口・門司を未明に出発して、北近畿の福知山に日付が変わる直前に到着する、実に約18時間30分にも及ぶ長旅でした。ちなみに当時の山陰本線には824列車のほかにも、831列車 豊岡(5:04発)→門司(22:52着)、726列車 浜田(5:08発)→大阪(21:00着)といった長距離鈍行列車が存在していました(時刻はいずれも1979年当時)。 なお、この824列車は1984年2月のダイヤ改正時に下関~出雲市間と出雲市~福知山間に分割されました。しかしそれから30年以上が経過し、区間によっては824列車が走っていた時間帯には列車が来ないという駅もでてきてしまいました。 さて、閑話休題。これから私が乗る列車を紹介します。 11:10発 普通・浜坂行き(530D列車) このキハ121系は、特急型のキハ187系と同様、山陰本線の高速化事業により登場しました。単行なのが寂しいところです。 出発まで時間があるので、鳥取駅に到着する気動車たちを撮影。 10:56着 普通・鳥取止まり(智頭急行線・上郡発、632D列車) 3番のりばに到着する、智頭急行のHOT3500形。 スーパーはくと号用のHOT7000形にも出てくる「HOT」とは、兵庫県、岡山県、鳥取県のそれぞれの頭文字から採られたそうです。 10:58着 特急・スーパーまつかぜ6号(益田7:02発、2006D列車) 1番のりばに到着したキハ187系。 さて、いよいよ浜坂行きの出発時刻が迫ったので乗り込みました。年末という旅行シーズン、帰省シーズンのためか、単行列車の車内は混み合っていました。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 2, 2016 11:08:31 AM
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