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テーマ:政治について(19933)
カテゴリ:政治
22日の日記の続きで、第25回参院選の結果の分析を引き続き行います。
今回は全国比例区の結果について考察を入れてみます。 ~全国比例区の結果~ 自民党 1771万1862票(19議席) 立憲民主党 791万7719票(8議席) 公明党 653万6336票(7議席) 日本維新の会 490万7844票(5議席) 共産党 448万3411票(4議席) 国民民主党 348万1053票(3議席) れいわ新選組 228万 764票(2議席) 社民党 104万6011票(1議席) NHKから国民を守る党 98万7885票(1議席) 幸福実現党 20万2278票 ~開票前の予想・・・7月4日の日記~ 自民 17議席 立憲 12議席 公明 6議席 共産 5議席 維新 5議席 国民 3議席 社民 1議席 れいわ 1議席 それでは各党の結果について考察を一言ずつ。 ・自民党は2位・立憲民主党の倍以上の得票数と議席を獲得。比例区では現職2人が落選したものの、今回も各業界団体の組織内候補が手堅く票をまとめて当選を果たした、という印象。 それにしても特定枠は、使い方を間違えれば「有権者との(心理的)距離がますます遠くなる」と感じました。特定枠の候補者は、個人としての選挙運動が大きく制限されます。自分の名前が入ったたすきを使えない。自分の選挙カーがない。立候補している自分の名前をアピールできない。そして何より、「〇〇県の代表」というアイデンティティが薄れてしまう。よって、有権者にますます覚えにくくなり、馴染みのない存在になってしまう。 鳥取、島根、徳島、高知の4県の県民の方々はかなり危惧されているのではないのでしょうか。「自分たちの声なき声が、ますます東京に届きにくくなる」と考えるのは当然のことかと思います。 ・その2位・立憲民主党は野党第1党になったものの、得票数でいうと2年前の衆議院総選挙の分(約1108万票)から大幅に減っています。「2年前の追い風は無くなった」という指摘が出ていますが、その通りでしょう。この党にとっては、多くの人々に受け入れられるかどうか正念場です。 主な支持基盤としては、連合の中の旧総評系労組(自治労、日教組、JP労組、NTT労組、私鉄総連など)。公務員あるいは旧国営企業の労働組合が中心です。55年体制の社会党のような状態になってしまうのか? ・公明党は「いつも通りの」作戦。各方面別に候補者を割り振り、個人票で大量得票して当選。投票率が低迷したため、おまけで1人当選という流れでした。ですが参議院比例区では27年ぶりに700万票の大台を割り込みました。 ・日本維新の会は、前回惜しくも達成できなかった5議席目を達成。得票数でも共産党を上回りました。当選した候補者は自民と同様、他党の国会議員経験者が多い、という印象です。候補者の地盤でも、北海道(鈴木宗男氏)、東京(柳ケ瀬裕文氏)、神奈川(松沢成文氏)といったそれまで地盤が弱かった地域でも当選者が出ました。 「維新」と言えば明治維新の際は革命軍でした。「革命軍が現政府と密接な関係っておかしくない?」と思わざるをえない今日この頃です。 ・共産党は、何としてでも守りたかった現職5議席の維持に失敗。減った分を選挙区でカバーした箇所もあるものの、「ほぼ毎回同じ候補者で、代わり映えしない」という印象でした。本当に若者に寄り添うのならば、30代の候補者をもっと積極的に起用して世代交代を図るべきだと思いました。 ・国民民主党は春の統一地方選挙で惨敗。今回の全国比例区でも不振、3議席に終わりました。 主な支持基盤は連合の中の旧同盟系労組(電力総連、自動車総連、UAゼンセン、電機連合、JAMなど)。民間企業の労働組合が多いのが特徴です。特にUAゼンセンは約10年前には「外国人参政権に反対」と明言するなど、旧民主党政権の中では「ブレーキ役」のような圧力団体でした。 ちなみに1994年まであった民社党(同じく旧同盟系の労組が支持母体)は全国比例区で2~3議席獲得にとどまっていました。 ・れいわ新選組は今回、「台風の目」ともいわれました。当初は議席ゼロとも予想されていましたが、2議席も獲得できたのは予想外でした。特に重度の身体障がい者2名を特定枠に指定したのは、問題提起の意味もあったでしょう。山本太郎代表の戦略勝ちと言っていいでしょう。「自分の議席を守るための政治をやりたくない」という信念を行動で示しました。 ちなみに山本太郎氏が獲得した個人票は約99万票。個人名だけで当選ラインに達するほどでした。 ・社民党は、もう存亡の危機。辛うじて全国で得票率2%を突破したものの、得票数は100万票と少し。2017年の衆議院総選挙の際と比較しても50万票ほど減少しています。 「解党して立憲民主党か共産党のどちらかに合流する」か、「九州・沖縄地区の地域政党として再出発する」といった過激な改革をしなければ生き残れないでしょう。 ・「NHKから国民を守る党」が議席を獲得したのが今回の最大のサプライズでした。単一焦点といい、分かりやすい党名といった要素があったのでしょう。 ・そして幸福実現党は今回も議席獲得はならず。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 30, 2019 11:31:52 PM
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