再三既出ですが、私の本籍地は
兵庫県神戸市兵庫区です。
父の故郷で生まれ、2歳で東京に移住した私にとっては、
書類上だけの故郷です。私と弟の本籍地は、とある事情で母の生まれ故郷に設定されたのです。それでも、母方の祖父は、東京に来たばかりの幼い兄弟の遊び相手になりました。
その後、私が6歳くらいの頃、家族そろって神戸に帰省しました。多分、それが私にとって初めての帰神です。叔母の結婚式や阪神大震災を挟み、複数回にわたって両親、あるいは生前の祖父と一緒に、神戸の町を散歩(探検?)したものです。
私にとって神戸の町をよく知るターニングポイントになったのが、とある鉄道系ビデオ(VHS)と出会ったことでした。
ABC(朝日放送)アーカイブ 「甦る神戸市電」(1996年発売)
三宮駅や新神戸駅のみならず、和田岬、石屋川、須磨駅という近郊の主要駅も登場。それにとどまらず、小野柄通、栄町通、松原通・・・といった通りの名前、
熊内(くもち)、上筒井、脇浜町、平野、上沢、五番町、永沢町、柳原、尻池、大橋町・・・といったマイナーな地名も、上記のビデオで覚えました。また、
「神戸まつり」、長田神社の「追儺式」、「楠公祭」といった伝統のお祭りも紹介されていました。
また、2005年から2010年にかけてプロ野球・オリックスを応援していた時、各選手の応援歌を歌いながら応援することがよくありました。その際には、旧オリックス出身の選手を中心に「神戸」が歌詞にある応援歌もありました。一例としては以下の通り。
♪神戸の夢をかけて、青い空をめがけ
そして狙いは一つだ、星を掴め!
塩崎!塩崎!かっとばせ、塩崎!
♪港町・神戸に、嵐を巻き起こせ!
勝利を呼ぶ一打、ここでドカンと!
由田!由田!かっとばせ、由田!
というように、私にとっては、比較的「きれいな」思い出が多いのです。
でも母にとって神戸市は、生まれてから大学卒業→アメリカ留学までの22年間、暮らした町です。でもその分、「きれいな思い出」が多いのと同様に、「思い出したくない思い出」も多いのでしょう。
母は留学先のアメリカで父と知り合い、結婚。父の地元へ「嫁入り」。父方の祖母(母から見れば義母)からは「男ばかりの家庭だったから、娘ができたみたいだ」と喜ばれたそうです。ちなみにこのおばあちゃん、2016年に弟が結婚した時も、箱根での結婚式の写真をメールで送られて「泣いて喜んだ」そうです。
母「でもあんた、神戸という町と関係無いじゃん!生まれたわけでもないし、そこで学校教育を受けたわけでもないし。本籍地が神戸なだけじゃん!」
弟は結婚する際に、本籍地を神戸から東京都に移しています(でも住所は神奈川県内の某所)。
私は「変える必要なんてない!」として、神戸のままにしています。
さらに、
私が「もし結婚したら、神戸で結婚式をやるから」と宣言すると、
母「神戸、神戸、神戸・・・と言っていると、おばあちゃん(母から見れば義母)が悲しむよ!」
と、不愉快な気持ちでした。
よく考えると、母も神戸で生活した時間(22年間)よりも、東京で生活している時間(32年間)の方が長くなっています。
先日の電話のやり取りで、母の複雑な感情を読み取ることになってしまいました。