先日、私が
神戸に帰省した際、やってみたことがあります。それは、
JR福知山線に乗ること。
神戸市民にとって、JR福知山線は縁遠い存在です。尼崎駅でJR神戸線と合流したうえで、大阪駅方面と北新地方面に別れる・・・というイメージです。
私は今月24日(金)、三宮駅から阪急電車に乗り込みました。西宮北口駅で今津線に乗り換え、阪急宝塚駅に到着。さすが宝塚歌劇団(団員は全て阪急電鉄の社員という立場)の町。阪急の駅ビルがお城のようにそびえ立っています。そこから歩行者用通路で、JR宝塚駅とつながっています。
宝塚 15:23発 普通・高槻行き(1176C列車)
これに乗車して、JR尼崎駅まで行きます。電車は川西池田、伊丹と通り過ぎ、15:49頃、事故現場を通過しました。私は初めて現場を生で見ました。
107人が亡くなったJR福知山線の脱線事故から17年が経過しました。
2005年4月25日(月曜日)、私は埼玉県の大学で午前の授業を終え、インターネットのニュースで聞いて仰天しました。207系電車がマンションに突っ込んで大破している場面を見ました。私にとって鉄道オタクとして、トラウマを植え付けられるようなショッキングな写真でした。
事故の背景には、JR西日本の歪んだ企業体質が挙げられました。
安全よりも「速度」。安全よりも「稼ぐ」。私鉄王国・関西において
「いかにライバルに勝つか」が最優先されました。実際、新快速の爆走運転は、ダイヤ改正の度に過激になっていきました。
YouTubeでの証拠映像「爆走!130キロ超え!JR西日本・新快速(大阪⇒芦屋)前面展望映像 (事故前)」
この映像は、おそらく福知山線の脱線事故の直前期に撮影されたものと思われます。その証拠映像の中で、
乗務員用の時刻表が映されていました。
JR神戸線・新快速 3323M列車
大阪 12時44分20秒着
45分10秒発
塚本 47分40秒
尼崎 12時50分15秒着
35秒発
甲子園口 53分40秒
西宮 54分50秒
芦屋 12時57分25秒着
45秒発
三ノ宮13時 4分55秒着
5分25秒発
神戸 13時 7分55秒着
8分15秒発
明石 19分50秒着
20分10秒発
西明石 23分 5秒着
25秒発
非常に余裕の無い列車ダイヤが組まれていました。
大阪駅の停車時間が50秒、尼崎駅が20秒って無茶やろ。
これで、JR明石(あかし)駅の
「速さはJRのあかしです」という広告は、黒歴史になりました。
少しでも電車が遅れたら運転士には「日勤教育」と称する懲罰が待っていました。職員は追い詰められていました。しかも乗客のニーズに応えるために、爆走運転や余裕の無い運転をいまさら止めることもできない。「もうやめよう」「やりすぎだ」と批判する声も出せなかったのでしょう。
JR西日本(特に京阪神エリア)の現場の職員たちは、追い詰められていたのでしょう。
今、私は北九州市に住んでいて、関門トンネルをくぐれば下関駅です。そこから東はJR西日本の管轄です。鉄道オタクとして山陽本線、山陰本線、宇部線に乗った際、JR西日本にはお世話になっています。この会社には大きなポテンシャルがあると信じていますが、同時に
JR西日本の黒歴史を忘れてはいけない・・・と思ってしまいました。
私は、JR九州とJR西日本と共に生きていきます。