私は今月から公立中学校で常勤講師(臨時任用教員)として働き始めました。契約期間は来年3月末までで、身分が不安定な状態です。ですが正規教諭とほぼ同様の仕事を任されます。正規教諭に準じた給料が保障されるのが、せめてもの救いだと思います。
なお、赴任直後に先輩教員の方々から伺った話ですが、私の赴任が無かったら大ピンチの状態だったらしかったです。前任者の男性教員が育児休暇のため、8月末をもって仕事を休むことになりました。2学期が始まろうかというギリギリのタイミングで、代役の教員(私)が見つかったのです。「もし見つからなければ、どうなっていたことか」と、最悪の事態も想定されていたのでした。
政令指定都市である北九州市の中学校でこんな状況なので、いわゆる地方都市や離島の学校は、もっと大変な状態になっています。すでに、新学期開始当初の段階で教員が足りずに授業ができない「最悪の事態」になった学校もあります。
南日本新聞で、鹿児島県での教師不足の状況を特集した記事がありました。
臨時教員の確保 なぜ困難に? 鹿児島県内の公立小中学校、5月1日時点で教員47人不足 採用倍率低下で「正規」になりやすく…県教委、潜在人材掘り起こしへ(11日、南日本新聞)
鹿児島県教育委員会が臨時的任用教員(臨時教員)の確保に頭を悩ませている。県教委教職員課によると、公立小中学校で不足した教員は2022年5月1日現在で
47人。臨時教員は病気などで休む正規職員をカバーする存在で、身分は不安定だが、教員を目指す人々が支えてきた。採用試験の倍率低下で正規教員になりやすくなったことが背景にある。
9月上旬、県庁1階ロビー掲示板は、離島をはじめ県内各地の臨時教員を募集するチラシで埋まっていた。教員の配置は新年度の学級数を予測して決めるが、5月時点で不足しているのは5年連続。宮田俊一課長は
「児童生徒の移動は予測が難しく、正規教員が出産や病気で休む場合もある。過不足ない配置は難しい」と話す。現場の人手不足は恒常化している。
■増える負担
正規教員の不足を補うのが臨時教員や非常勤講師。授業のみ担当する非常勤講師と違い、
臨時教員は正規教員の業務全般を代行する。ただ、身分は不安定だ。正規を目指しつつ県内中学校で働く20代男性は
「期限付き雇用で先は不透明。赴任先や担当学年はぎりぎりまで分からなかった」と話す。
教職員課によると、特別支援学級の増加や35人学級の導入で学級数が増え、県内の必要な教員数も右肩上がり。23年度の採用は過去5年で最多の550人程度を予定する。一方で採用試験の受験者は減り続ける。23年度は過去5年で最も少ない1407人だった。
同課は教員採用の倍率が下がり、正規教員になりやすくなったため、臨時教員のなり手が減ったと分析する。
鹿児島市内のある中学校は、1学期始業式時点で英語の教科担任が1人足りなかった。ようやく確保できたのは7月。校長は「少人数授業ができなかった。副担任と部活動の副顧問も兼任予定だったため、正顧問や担任にも負担をかけた」と話す。人口の少ない離島はさらに確保が難しい。
■魅力を発信
県教委は採用希望者を増やすため、教員の魅力を発信する大学生向け説明会を3年前から県外でも開く。
さらに着目しているのが「潜在教員」だ。
今年7月に教員免許の更新制度が廃止された。更新せず失効した人も再度免許を申請できる。免許を持っているのに教壇に立っていない人の掘り起こしに力を入れる。
鹿児島大学の高谷哲也准教授(教育学)は「免許取得から時間がたっても教育現場に戻りやすくするため、公開講座など大学で学び直す機会を増やす必要がある」と提言した。
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