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テーマ:政治について(19883)
カテゴリ:政治
私は、安倍晋三・元首相の国葬には反対の立場です。最大の理由は「国葬の基準が不明確だから」です。どちらかと言えば、今までの慣例通り「内閣・自民党合同葬」が妥当かと思います。
これまで、自民党出身の首相経験者が亡くなった際には、多くは内閣・自民党合同葬が執り行われました。1967年に吉田茂・元首相の国葬という例外がありました。しかしその際にも非常に揉めたそうです。吉田元首相のパターンとは違い、安倍氏の場合には死去から2カ月以上が経つので、議論の余地がたくさん出てくるのは当然です。 岸田首相は、「国葬」の意義を説明するために国会の閉会中審査に出席しました。しかしその際、岸田首相は、元首相の中で国葬の対象となる基準を設置するつもりは無い、今後もその予定は無い、と答弁しました。 しかも、 ・天皇以外の国葬についての法規定が、現在のところ無い。 ・国葬の実施について、国会に一切諮らなかった。 東京の政府はむしろ「立法府での議論には馴染まない」と国会での審議に超消極的でした。 国権の最高機関は国会やろが!(日本国憲法第41条) なんでもかんでも内閣(=政府)の閣議決定で国の方針が全て決まるのなら、国会は要りません!それこそ、今の中国共産党や80年前のナチスと一緒です。はっきり言って、今の国会は政府にバカにされています。 思えば岸田内閣は、 ・緊急を要するはずの「コロナ対策としての入国制限の緩和」だとか「脱マスクへの取り組み」には、超消極的。「検討する」だとか「ステップバイステップで進める」だとか、そんな悠長な言葉は聞き飽きました。 ・同様に、緊急度の高い「円安だとか物価高への経済対策」も非常に悠長にやってるように見えます。 ・多くの庶民が、給料や所得が増えない、物価高やエネルギー代の急騰に苦しむ、子どもを余裕をもって生み育てることができない、など、生活がピンチ。なのに生活支援への具体的な方策がまとまっている気配が全く無い。 ・でも、歴史的評価が定まっていない安倍元首相の国葬だけは、スピーディーに決定。 スピーディーに決断することの優先順位が違うやろ!! 国葬「なぜ安倍氏だけ?」首相答えず 閉会中審査「各国への礼節」「総合的に勘案」に終始(9日、東京新聞) 安倍晋三元首相の国葬に関し、岸田文雄首相が初めて国会で説明した8日の衆参両院の議院運営委員会。なぜ国葬なのか、基準は何かとの問いに、首相は従来の説明を繰り返した上で「各国への礼節」と強調した。だが、実施理由を並べ立てたのとは裏腹に、吉田茂氏を最後に元首相の国葬を行ってこなかった歴代政権の判断を変えたことの根拠は「総合的に勘案」などと曖昧なままだった。(坂田奈央) ◆国葬の基準設定拒否 「国葬は首相と内閣だけで決められるのか」。立憲民主党の泉健太代表は衆院の審議で、国会での議論を経ず、安倍氏の国葬を閣議決定した手法が強引だからこそ、世論が反発を強めていると指摘した。 首相は、内閣府が国の儀式の事務を行うことを定めた内閣府設置法に基づき、閣議決定したことの正当性を主張。国会の立法権、裁判所の司法権、内閣の行政権を持ち出し「国葬儀は間違いなく行政権に属する」と強調し、何ら問題はないとの論理を押し通した。 なぜ国葬なのかの理由は、憲政史上最長の首相在職日数など従来の4項目を列挙。泉氏は、国葬の基準がないから国民が納得できないとも追及したが、首相は「その都度、政府が総合的に判断するのがあるべき姿だ」と反論し、基準を設けることを拒否した。 ◆国葬でなければ礼節欠く? ただ、これだけでは説得力を欠くと考えたのか、首相は海外から届いた安倍氏への追悼メッセージに言及。多くが日本国民全体に哀悼の意を表する趣旨だと紹介し「日本国として、海外からの敬意や弔意に礼節をもって応える必要もある」と指摘した。 首相の発言は、国葬でなければ礼節を欠くとも受け取れるが、過去にはどうだったのか。大平正芳元首相、小渕恵三元首相はともに内閣・自民党合同葬だったが、それぞれ当時のカーター、クリントン両米大統領が参列し、多くの国から弔意が寄せられた。岸田政権も「礼節を欠いていた」との見解は示していない。 国葬に対する国民の厳しい目を前に、首相は防戦を強いられる場面が目立った。象徴的だったのは安倍氏と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を巡る議論だ。「深い関わりがあった安倍氏を国葬にするのか」といった質問が相次いだが、首相は「本人が亡くなった今、関係を十分に把握することは難しい」などと言葉を濁し続けた。 ◆閣議決定から2カ月、審議わずか3時間 岸田文雄首相が安倍晋三元首相の国葬を実施すると表明してから2カ月近く。ようやく国会で説明したが、衆参両院の審議は1日のみの計3時間で終わった。野党が憲法に基づいて求めた臨時国会の召集にも応じず、言葉では「丁寧に説明する」と繰り返しながら、行動は伴っていない。 国会が開会していれば、各委員会の定例日に質疑の機会があり、不定期ながら予算委員会の集中審議という注目度の高い論戦の場も設けやすい。これに対し、今回のような閉会中審査は原則として単発のため、議論の深まりや広がりにつながりにくい。 自民党は8日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点に関する所属議員の調査結果を公表した。国葬とともに、世論や野党から批判を受けるテーマ。立憲民主党の安住淳国対委員長は記者団に「(同じ日に)まとめて、マスコミの扱う量を小さくしようという魂胆が見え見えだ。せこい」と批判した。 (金杉貴雄) 閉会中審査/国葬への疑問は消えない(9日、神戸新聞・社説) 安倍晋三元首相の国葬に関する閉会中審査が衆参両院であった。 法的根拠が乏しい中、決定のプロセスに問題はなかったか。16億円を超える国費支出は妥当か。国民への弔意の強制にならないか。なぜ国葬でなければならないのか。多くの疑念に対し、岸田文雄首相から納得のいく説明があったとは言い難い。 報道各社の世論調査では、国葬への反対が賛成を上回っている。そんな中で開催を強行すれば、国民の分断を深めるばかりで、故人を静かに弔う場とはなり得ない。 首相は異論に耳を傾け、国葬の問題点を認めた上で、国民の理解を得るための努力を続けるべきだ。 首相経験者の国葬は、1967年の吉田茂元首相以来、戦後2例目となる。55年前の国葬も法的根拠となる「国葬令」は失効しており、開催基準が明確でないと異論が出た。当時の佐藤栄作首相が野党を説得し、閣議決定にこぎつけた経緯がある。 岸田首相は、安倍氏を国葬とする理由について、歴代最長の首相在任期間と経済、外交上の実績などを評価し、選挙活動中の非業の死を悼むためと従来の説明を重ねた。 新たに強調したのは「多くの国から示された弔意に、国として礼節をもって応える」という外交儀礼である。「国民に弔意を強制するものではない」とも繰り返した。 弔問外交を前面に掲げることは故人への礼を失しないのか。多額の国費を使いながら国民に弔意を求めることもできない。国葬の大義が揺らいでいると言わざるを得ない。 75年、当時最長の在任記録を有しノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元首相の死去時も国葬が検討されたが、野党の反対などで政府、自民党、有志による「国民葬」になった。80年の大平正芳氏以降は内閣と党の「合同葬」が踏襲されてきた。 今回との整合性について、首相は「国内外の情勢によって評価は変わり、時の内閣が判断する」と述べた。内閣だけで誰を国葬とするかを決められるなら政権の恣意(しい)的判断が可能となり、反発は避けられない。今回の決定過程を客観的に検証し、開催基準を定める議論が不可欠だ。 国葬への理解が深まらない背景に、「霊感商法」などで社会問題を起こしてきた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と安倍氏との関係への不信感があるのは間違いない。 自民党はきのう、所属国会議員179人に教団との接点があったと公表した。だが安倍氏は調査対象外だ。教団との関係がどんな経緯で深まり、これほど広がったのか。教団との絶縁を宣言した首相は、踏み込んだ調査で問題の核心を解明し、国民の信頼を回復しなければならない。 (引用終わり) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 17, 2022 10:49:53 PM
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